「アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ」と「リチャード・バック」 | リズム & ブルース・リー

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雨音も、グラウンドを転がっていくボールも、心臓の鼓動も
一定のリズムを刻んではやがて終息する
リズムは儚く、狂おしく、時に切ない
また「甘美」とは、そういうものなのだろうと私は思う

この二人の作品を読んだことがありますか?

 

 

サン=テグジュペリ・・・「星の王子さま」

 

 

 

 

リチャード・バック・・・「かもめのジョナサン」

 

 

 

 

「星の王子さま」を最初に読んだのは、確か小学校時代だったと思います。意味のわからない部分がたくさんありつつも、不思議な・・・本当に不思議な空気感?のようなものに心が浮き立ちました。以来、私のバイブルです。

 

 

 

 

キツネと王子さまが出会う場面・・・キツネ「まだ君と親しくは話せないよ。‘飼い馴らされていない’からね(一部の訳では‘なれていない’)」

 

 

 

 

さらにキツネが王子さまと話す場面・・・「秘密を教えてやるよ。こころで見なくちゃ!かんじんなことは、目には見えない。」

 

 

 

 

子供の頃は、この部分に「ガーーーーーーン!!」 ディープインパクトぉー!!でした。

 

 

 

 

ラストに涙しながら、幸せな気持ちにもなるなんて・・・それまで読んだ童話・小説では、そんな気持ちになったことはありません(もちろん、現在までだって)

 

 

 

 

「かもめのジョナサン」は高校生の頃だったかな?

 

 

 

 

生きるためには食物を摂取しなければならないのに、それすらも放棄し、ひたすら飛翔する精度を追求するジョナサン・・・そこには物事の厳格さ、緻密さを感じました。

 

 

 

 

孤高なる追求は、他の要素を無視して初めて成り立つものなので、バランスを欠いてしまうのは当然と言えば当然。

 

 

 

 

オウム真理教の暗殺された村井秀夫が、「これを読めば、僕の気持ちをわかってくれると思う」と、自分の母親に渡した本です。だからどうだと言いたいのではなく、こちらの作品もそれほどに衝撃的だった、ということです。村井のエピソードが人々に認識されてから、なんとなくこの作品がハジっこの方に追いやらている気がするのは私だけでしょうか?

 

 

 

 

「ドリフ(8時だよ!全員集合)を子供に観せると、悪影響を与える」それと一緒で(←古いっ!)「かもめのジョナサン」を大好きになった私ですが、べつにハルマゲドンが来るとは思っていませんよ。ある事象からの影響や受け取り方というものは、個別のものであるのと同時に、それをどう消化するのかは、これまたタイヘン個人的な問題です。

 

 

 

 

消化に失敗した個人と、作品とは無関係・・・だから「かもめのジョナサン」に対しては歯がゆい思いも手伝って、とても肩入れしたくなる私です(笑)「イリュージョン」もお勧め!

 

 

 

 

さて、なんだか脱線してしまいましたが、この二人の作家には共通点があります。

 

 

 

 

二人とも・・・飛行機乗りだったんです。サン=テグジュペリにいたっては、砂漠に墜落した後、生還!しかし第二次大戦中、偵察機を操縦しながら消息不明(最近になって、地中海沖にて遺品が回収されました)

 

 

 

 

なんの明かりもない、真っ暗な洋上を飛ぶ彼ら・・・そこでは何が見えたのでしょうか?

 

 

 

 

孤高・孤独・厳粛さ・・・そして「自分」かもしれませんね。

 

 

 

 

飛行機乗りが書く書物は、それゆえに精神的モチーフからして違うと私は思います。

 

 

 

 

なかなか思ったとおりには生きられない人生、この二つの作品は、未だに私を力づけてくれます。

 

 

 

 

蛇足ですが、箱根の仙石原に「星の王子さまミュージアム」があるので、一度訪れてみてはいかがでしょうか?とっても素敵ですよ。

 

 

 

 

今日は長々と「私の好きな本」ばなし・・・お付き合いに感謝^^

 

 

 

 

楽しい週末をお過ごし下さいネッ!!