才能は、地下深くに埋まった原油と似ています。 ミュージシャン、作家、単一の才能だけで勝負しな
ければならない職種で、長続きする人が少ないのは
そのためです。 売れ続ける人を見ていると、彼らは、自分の才能の
掘り方と掘る場所を上手に変えていることに気づきました。 自分の立ち位置、見せ方、スタイルを微妙に、
(あるときは斬新に)変えているのです。 自分が燃え尽きないように工夫して、長く活動しています。 才能を見つけて、磨いていくときに、「不安」はつきものです。
昭和の大作家松本清張は、芥川賞を取ってしばらくした時、
担当編集者の櫻井秀勲さん宛に、自分には作家を続けて
いくだけの才能がないと悩んでいると、手紙に書いたそうです。 「自分には才能がないのではないか」という不安を感じないようでは、
一流になれないともいえます。逆に「自分には才能が
ある」と考えて自信満々の人には、たいした才能はないと思った
ほうがいいでしょう。 「これが自分の才能かなぁ」と思ってやり始めると、共通して
湧き上がってくるものがあります。
それは、「やっぱり違うかもしれない」という感情です。 「スピーチするのが才能だと思ったら、失言してえらいめに遭った」 「才能のありか」がわかるように、必然的に起きているのではない
かと思います。 人生全体で考えて、才能をうまく発揮して生きられるように、失敗も
最初から人生プランに含まれているということです。 自分の才能をより本来的に形で生かせるように失敗があるのです。 才能を開発しようとするとき、必ず障害になるのが、無意識の抵抗です。 ①「どうせ自分なんか…」 ということがわかっているのに、「もっとうまい人がいるから」
といって尻込みして、せっかくのチャンスをつかなまいのです。 「自分が持っている才能はフルに生かす」という感覚を持つことが大事なのです。 ②好きなのに、楽しくやれない
せっかく何か文章を書いてみようと思っても、パソコンや原稿用紙を前にしたら、
気分が萎えてしまうことがあります。 楽しいはずのことが、なぜ楽しくなくなるのか?
それが、この種の抵抗なのです。