愚直なほどにまっすぐな男 二上英治 | 進藤龍也牧師のヤクザな日記

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愚直なほどにまっすぐな男 二上英治 


【二上英治との出会い】

2003年11月26日に出所してきた私は、すぐにシロアム教会に集うようになった。そこでの出会いが始まりである。

彼は既に洗礼を受けていた。教会では彼の方が先輩である。

牧師室でのやり直しを終え(著書を読めばわかるだろうが鈴木啓之牧師のお気に入りだ)彼女のところに転がり込んでいたのだが、それはキリストの教えに反する!と、腹を決めて彼女の所から飛び出して、私と住み込むために戻ってきたのだった。そこに今度は福岡からヤクザをやめたと言って転がり込んできた由人が仲間に加わる。年の若い由人は私を「兄貴」と呼び、英治を「英治にいちゃん」と呼んでいた。鈴木啓之牧師はここはヤクザの若い衆部屋みたいだね。と冗談を言うような住み込み体験だった。信徒さんがお金を出し合いプレハブを建ててくれた。本当にその恩義を忘れてはならない。しかし、そのプレハブは4.5畳、大人3人、、、刑務所より狭いことになる。そこでの生活が私の原点である。


私にとっての幸いは、生涯の友 二上英治を得たことだろう。

私が仕えている罪人の友 主イエス・キリスト教会は刑務所伝道をしており、教会の会堂に住み込み(受刑者など)を受け入れているのだが、カラオケスナック時代にもずっと住み込みを受け入れたことがあり、その中で4人も同時に住み込みを受け入れたことがあった。こともあろうか、その4人が仲間割れをして歪みあったことがある。その時に私はこう言って諭しただものだ。

「みんなそれぞれが行くとこがなくてここ(罪友教会)にいるんだろう?なんで仲良くできないの?俺も教会で3人で住み込みをした経験があるさ!だから今、助ける側にいるだけだよ。その時一緒に住み込みをした二上英治って言う男は今、富山にいるけど、どこにいったって、俺の最高の仲間だよ。親友だよ。それが同じ釜の飯を食った仲間ってもんじゃねーのか。そんなこともわからないで、更生なんかできるわけねーだろ。神の前に悔い改めなさい」


【等身大の二上英治牧師】

彼は飾らない。背伸びしない。正直だから人から好かれる。人は熱のあるところに集まる。彼には熱がある。だから、会社の人も、クリスチャンも、知らない人も、彼の所に集まってくるのだ。

私は今でも忘れない。一緒に寝起きをしたこと、彼がいつも料理をしてくれたこと、一緒に仕事に行ったこと、仕事をサボって祈ったこと。タバコを止められず、2人で何度も禁煙をしたこと、寝る前に寒空の中、手を取り合って牧師になろうと祈ったこと。一緒に学校に通えると思ったのに牧師の裁量で私は通学、彼は通信と別れてしまったこと。いつも私より辛抱強くて踏みとどまる力を持っている二上英治を私は尊敬している。天外孤独だと思っていたのに、家族が見つかったこと、何より奥さんと出会って、かけがえのない家族ができたことを私は自分のことのように喜んでいる。


結婚して、富山で開拓伝道した時も、私が開拓をして苦しい時も、互いを助け合ってきた。残念ながら、富山の開拓伝道は閉じてしまったが(その失敗こそが彼の力になっているはず)3年もしないうちに瞬く間に20人のフィリピン人が集まる教会へと成長させた。しかし、愚直なまでにまっすぐな彼は、信徒のフィリピン人女性が夜のお仕事をしていることが多いのだが、客とのトラブルの時に駆り出されていたようだ。そんな話を聞いた私は、ヤクザじゃないんだから、もうそんな事はやめろ!警察に任せなければパクられるぞ!と、諫めたこともあった。人が困っていたら、助けずにはいられない性分なのだ。それが彼の魅力だろう。

人懐っこく「たつにぃ」とか「たっちゃん」とか「龍也さん」と呼んでくる彼は本当に刎頚の仲である。彼と会ってみればその魅力に引き込まれるだろう。


進藤龍也