一般の方にはなじみが薄いですが、手形決済って方法があります。
何かのお金の支払いに、何時々々以降に○○円をこの手形の表記人に支払ってねと書いた約束手形なるものを支払いに充てる方法。
お金は銀行で換金しますが、表記の期日が来ないとお金には変えてもらえません。
その決済期限が、以前ですと180日なんて時代もあったのですが、現在は120日。
それを60日に縮めようとの動きです。
Kyodo『約束手形の決済、60日に短縮 中小企業の資金繰り改善』
手形を貰った方は、決済期限が来るまでお金を手にすることはできないわけです。
そうなると、決済期限が遠いほど、資金繰りが厳しくなります。
自転車操業の中小企業だと、その期限を待てず、市中で手形割引なる方法で現金化します。
そうなると、その期限までの利子分と言いますか、手数料と言いますか、割引料と言いますか、それを引かれて現金化。
従って、取り分がその分減ります。
そうなると、さらに資金繰りが苦しくなって…
それを避けるには、手形をやめちゃえばいいんですが、払う方は支払いまでの期間が長いほど資金繰りが容易になりますので、中々やめない。
通常の掛け売りの場合、末締めの翌月払いが多いと思いますが、翌月末に支払いをすると、既に30日。
それを手形で120日稼げば、都合五ヶ月支払いの猶予ができます。
とはいえ、一時的によさそうに思えても長い取引で見れば、フツーに支払続けても大きな差はないんですけどね。
明日払わなきゃいけないものを一ヶ月先に延ばしても、その一ヶ月後に支払ったら、その次の支払いがその次に来ますからね。
手形の期限を60日にすれば、三ヶ月程度に短縮できますし、もし、手形割引してもより少ない割引料で済みます。
一見よさそうに見えますが、そうなると、末締めの翌月払いを翌々月にとか、三か月後にしろとか言い出して、60日の手形を切りそうですねぇ。
そうすれば、支払いまでの期間は今までと同じ。
そうならないことを祈るばかりです。
余談ですが、手形決済日を迎えた時に、支払う側の口座にその金額が無いと、不渡りとなります。
これを2回やると、銀行取引停止。
通常は倒産です。
1回でも信用を失いますので、それ以降の商いは大変になりますね。
支払う側は手形はよさそうですが、不渡りは倒産につながりやすく、資金繰りが厳しいところは危険ですね。
不渡りを出さなければ、土俵際で粘るってことも可能ですが、2回不渡り出しちゃうと即倒産ですからね。
記事の最後に、2026年までに約束手形は廃止となっておりますが、これは紙の約束手形がなくなるだけで、電子的な手形は残りますので、あしからず。
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