鬼の頼長「徹底して粛清いたします」/平清盛 第八回『宋銭と内大臣』 | (不肖)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

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つづっていきます。

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平清盛 第八回『宋銭と内大臣』

◎『平清盛』登場人物/キャスト


$(自称)大河ドラマ批評家「一大河」の批評レポート

藤原頼長像
「公家列影図」/京都国立博物館



「近頃の都は乱れきっております。徹底して、粛清いたします」
(藤原頼長)



【あらすじ】
清盛は博多に来ていた。
宋の貿易品で活き活きと商いをする商人たちに
心躍らせる清盛であったが、この交易は忠盛が
偽造した院宣※によって行なっていた密貿易であった。

※いんぜん。上皇・法皇の許可を得ていることを通知する文書


朝廷では、藤原忠実の子・藤原頼長が内大臣に就任した。
頼長は、政に支障が出るほど得子を寵愛する鳥羽院をはじめ、
乱れきった朝廷を徹底して粛清すると誓う。


一方、御所近くの通りでは、兎丸が宋の品々を並べ、無断で
店をひろげていた。
鳥羽院と平家のみが密貿易によって潤っていることが気に
食わないからだと言う。


法に背くことを知りながらも、清盛は兎丸の店商いを認める。
博多のような商人たちの活気を、この小さな店に見たからである。


そんななか、ふとしたことから平氏の密貿易が頼長に
見つかってしまう。


頼長の館に呼び出された清盛。
交易により国を豊かにしたいと願う清盛と、平氏の密貿易に
よって生かされている朝廷を正そうとする悪左府・頼長の
対決がはじまる。


【レビュー】
今週の『平清盛』はいかがでしたか?

前回の恋のお話とは打って変わって、今回は濃い政治劇。
ついに登場!山本耕史兄貴演じる鬼の副長もとい
悪左府・藤原頼長!!


わたしなどは、放送の少し前に『新選組!! 土方歳三 最期の一日』
視聴して臨んだほどです(笑)


第七回の次回予告から登場を待ちわびていた視聴者の方も
多く、内容としても実に見応えのある回でありました。


Twitterではホモキャラとツンデレキャラの回であった
という珍コメントもありましたが否定できませぬ(笑)


その期待どおり、その一挙手一投足に、主人公・清盛すら
霞んでしまうほどの悪左府・頼長の圧倒的存在感。


ところで「悪左府」とは、その妥協を許さぬ苛烈な政治手腕を
揶揄したあだ名であります。


その反面(?)、男色家としても有名で、自身の日記である
『台記』で赤裸々につづっております。


今となっては男色はホモだのゲイだのネタにされますが、
むしろ歴史上の人物で男色でない人物を探すほうが難しいほどに、
男色文化はかつての「ステイタス」であり、歴史を語る上では
看過できぬものであります。


例えば、あの甲斐の虎・信玄公もその書状などから男色家で
あったことが伺えます。

情報ソース(Yahoo知恵袋)↓↓↓
武田信玄配下の武将・高坂弾正は同性愛者だったのですか?

さて、話がそれてしまいました。
今回の見どころはやはり清盛と頼長の対決シーンでしょう。
宋との貿易が国を富ませると豪語する清盛に対し、徹底的に
法度を持ちだして糾弾する頼長。


●曜サスペンスの推理モノかと見まごうばかりの
シーンでしたが、やはり何枚も上手の頼長。


野良犬からようやく政を語れるようになった清盛ですら、
まったく太刀打ちできぬ強者でありました。


さりながら、論破されたとは言え国の行く末を語る清盛と、
朝廷の腐敗を正すことに固執する頼長
、両者のこの先の
運命を見ると、実に歴史とは皮肉なものです。


清盛は、何かを変えたいと願うだけでは動かぬと知り、
頼長と渡り合うには力量不足であることを痛感します。
成長した清盛を実感するシーンです。


一方、清盛を論破するも浮かぬ顔をする頼長にすり寄る通憲。
阿部サダヲ兄貴演ずる癒しキャラ通憲も、このときばかりは
黒かった!ダーク・シンゼーのお目見え!!


「平清盛はただの無頼者にあらず」


偽造した院宣という動かぬ証拠がありながら、平氏に頼らざるを
得ない腐敗した院では、平氏を糾弾できぬほどに腐っている。
ならば、平氏を利用して朝廷を、国の乱れを正そうと言うわけです。


魅力たっぷりな登場人物たちが敵味方に別れて争う
「保元の乱」のカウントダウンが聞こえてきそうです。


次回は、『平清盛』のもうひとりの主人公にして、
やがて朝廷側の最高権力者として清盛の前に立ちはだかる
最強の政敵(ライバル)、後白河天皇の登場です。


第九回「ふたりのはみだし者」にご期待ください!


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