ゲゲゲの藝術学

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個展「2020年の挑戦」

個展「2020年の挑戦」が本日より木之庄企畫にて始まります。

 

 

2011年より制作を始めた「怪人シリーズ」を集めた旧作展です。

 

「怪人シリーズ」は3.11の震災を経験したことで生まれた作品群です。当時、車を運転中にラジオから流れてきた震災関連のニュース(津波の被害や原発の状況など)を聴いているうちに、それまでの日常から切断され、急に自分が幼少期に見たウルトラQの世界に引きずり込まれたかのような錯覚に陥ったことが、制作のきっかけとなりました。

 

昔の人が人知を超えた力を前にして、それに形を与え、神様や精霊、または悪霊として祭ったり、恐れたりしたように、僕は震災によって起こった様々な出来事をそのようにして乗り越えようとしたんだと思います。

 

今回、展示のタイトルをウルトラQ 第19話の「2020年の挑戦」から採りました。

劇中には未来からやってきたケムール人という怪人が出てきます。彼らは驚異的な科学力により様々な医療技術を駆使して500歳とも言われる長寿を得ますが、肉体自体の衰えには勝てず、若い肉体を求め地球にやってきます。

 

戦後、驚異的な繁栄を手にしジャパンアズナンバーワンと言われた日本。

しかし少子化によりうまく社会の代謝が行われていないことで、様々な弊害が出ている今の現状となんだか話が被るような気がしました。

今や日本はケムール人そのものになってしまったのかもしれない。そんなことをふと想いました。

オリンピックを控え、ケムール人となった日本はどのように2020年を乗り越えていくのか。

現状の日本にとって、宿題のようなタイトルだな、とも思いました。

 

放送当時には遥か遠い未来として2020年は語られていたと思いますが、それも今や残すところわずか2年。

 

僕の未来は明るいのか、それとも暗いのか。

今までのこと、これからのこと、過去と未来への期待と不安を込めて、「2020年の挑戦」を個展のタイトルに選びました。

 

震災から7年。長いようであっという間でした。それでもやっぱり遠くまで来た感じがします。

日々は一日一日過ぎていって、何も変わっていなようで、でも少しずつ変わっていく。その積み重ねの中で僕は何を得たんだろう、また何を失ったんだろう。

震災からこれまでを振り返る良い機会になれば良いなと、個人的には思います。

 

皆様是非足をお運び頂けますよう何卒よろしくお願いいたします。

 

会期は6/29(金)ー7/13(金) ※土日祝日休廊です。ご注意ください。

11:00 open ー19:00 close

 オープニングレセプションに限り6/30(土)17:00ー19:00 開廊しています。

 

 

 

 

 

 

 

個展「動物の肖像」

台風襲来の日本列島。

 

ムシムシと蒸し暑い。もうエアコン入れないと寝れない。。

 

今月の8日から、ビリケンギャラリーにて個展「動物の肖像」が始まります。

オーナーの三原さんとはもう何年になるんだろう。知り合って4年くらい経つのかな。

 

当時色々あった僕は「美術辞めます」宣言をして、その最後の記念に個展をして、綺麗な幕引きを図ったつもりが、そこで出会ったのが三原さん。

 

美術辞めたはずの人間がその3ヶ月後にはなぜかビリケンギャラリーで個展をしていたという。

 

そしてズルズルと未だに美術の周辺を彷徨い続けている。

 

そんな三原さんから電話があって、何かと思えば「個展しましょう、時期は7月中旬です」といった内容。

 

え?僕5月に名古屋で個展やったばかりですけど?あと1ヶ月も時間ないですけど??そこをどうにか…といったようなやりとりが。

 

詳しい話は割愛しますが、とにかく三原さんには恩義を感じている身の上、無下に断ることなど毛頭出来ず、「手持ちの作品で良いのなら」と決まったのが今回の個展「動物の肖像」。

 

これは僕が大学を卒業してすぐの頃、西洋古典絵画に傾倒していながら、「現代を生きる自分」というものに葛藤していた頃、ベラスケスやレンブラントなどが活躍していた17世紀の西洋絵画黄金時代に想いを馳せながら、その時代を生きることが出来なかった自分の運命を嘲笑的に嘆くことで生まれた作品です。

 

召し抱えてくれる王様もいなければモデルになる貴族もいない。

 

では僕は自分の飼っているペットをギンギラに飾り立てて描いてやろうじゃないか。

 

そんな皮肉のこもった動機から始まったシリーズです。

 

2004〜2015年頃に制作した「動物シリーズ」の作品郡を今回は一堂に展示します。

 

なので、もし僕の活動をつぶさにウオッチングしているという希有な方からは「旧作展じゃねえか」というつぶやきが聞こえてきそうですが、出来る限り手を入れて、細部の調整をしたことで、かなり見応えのある作品になってます。

 

何でもかんでも新作を展示して、買い手がつかなければそのまま倉庫の肥やしにしてしまうような、資本主義に毒された展示基準は、僕はどうかと思います。

 

それに、いやしくも「芸術」に携わる者として、普遍的な価値を作品に込めているのなら、何年経ってもその魅力は衰えないはずです。

 

今回の展示は、そこの部分を見に来て頂いた方々に判断して頂ければと思います。

 

大口を叩いてしまいましたが、とにかく少しでも多くの人に見に来て頂きたい。

 

初日の8日は終日在廊予定です。夕方からはオープニングパーティーもございますので是非足をお運び頂ければ幸いです。

 

よろしくお願いいたします。

 

 

【お知らせ】グループ展『幻獣神話展Ⅲ』に出展します!

暑い。
今日は、明日から東京交通会館二階ギャラリーにて開催される『幻獣神話展Ⅲ』に出品する作品を搬入してきました。

幻獣神話展は開田裕治さん、マンタムさんなどを軸として、様々なジャンルで活動している作家さんを集めた展覧会で、今年で三回目、毎年夏に渋谷のbunkamuraギャラリーにて開催されていましたが、今年は場所を東京交通会館に移しておこなわれます。

期間は8/7〜13、開場時間は11:00~19:30(初日のみ13:00~19:30)となっております。

出品作家は

アオガチョウ/浅沼テイジ/麻宮騎亜/愛実/いしいひさいち/市川友章/イトウケイイチロウ/伊藤潤二/イマムラセイヤ/大石容子/太田翔岡健之/鬼瓦工房 鬼一/開田裕治/かざあな/一峰大二/香取正樹/金子雄司/カミジョウヒロ/唐沢なをき/菊地拓史/木村龍/黒田武志/弘司/寒河江智果/さちこ/清水イズ/蚩尤/スクリーミングマッドジョージ /添田一平/ソノヤマタカスケ/空山基/高橋葉介/タカヤマトシアキ/槻城ゆう子/Deino/寺田克也/天神英貴/とやまみーや/長野剛/永野のりこ/西川伸司/衣/花上貴之/林美登利/原田みどり/雛菜雛子 百武朋/藤ちょこ/骨オヤジ/まいけるからわた/前田ヒロユキ/丸山浩/マンタム/緑川美帆/向川晃貴/守亜/森園みるく/諸星大二郎/山田雨月/山本貴嗣/山脇隆/るるい宴/渡邊光也

と盛りだくさん。

うーん。すごい。こんな豪華メンバーと同じ土俵で作品を発表できるとは。。この作家陣と繋がりを持てている自分もまたすごい。人生ほんと何が起こるかわからない。

微力ながら露払い程度にはお力になれると良いなと。。

ちなみに、ボク自身の出品作品は油彩と木彫の二点です。


「菩薩薩埵アサリーマン」 工業用ペンキ・ 油彩・キャンバス 652×530mm


「菩薩薩埵アサリーマン(木彫)」 ホウノキ・ アクリル絵具・ビス 300×60 ×100mm

また、会場にて各作家さん方のグッズや、展覧会のカタログを販売いたします。
もちろん出品作品の販売もおこなっております。


「怪人みやげ」(ポストカード一枚/おみくじ一本/フィギュア一体)20セット限定 1080円(税込み)

出品作家総勢64名、出品作品は120点を超えるそうです。1会場でこんな豪華メンバーの、これだけの数の作品を観れる機会はそうそうないです!

入場は無料ですので、皆様お誘い合わせの上、是非、足をお運び下さい。

私は初日は在廊で来ませんが、最終日13日は在廊する予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

個展「新宿区怪人一丁目」も本日最終日!

久々でかつ突然の投稿ですが今、新宿眼科画廊にて個展を開催中です。

しかも本日(2/17)が最終日という。会期は2/5からだったのですが、ずるずるとブログでの告知が延びてしまいました。スミマセン。

これまでご来場頂いた方々、本当にありがとうございました。まだ来てないという方は是非観に来て下さい。


『イカ星人襲来』 910×727mm 油彩、工業用ペンキ、キャンバス 2016

今回のいわゆる「怪人シリーズ」は5年近く続く、今ではボクの作品のメインとなるシリーズです。

5年もやってるのでこのシリーズを作り始めた経緯など今更書いてみたところで…と思っていたのですが、自分の中で当たり前のことでも書てみないと伝わらないこともあるのではないか…と思いましたので、色々と整理する意味も込めて筆を取ることにしました。
多少長くなりますがどうかお付き合い下さい。

このシリーズを作り始めたきっかけは2011年3月11日の東日本大震災に端を発します。

その日、ボクはちょうど午前中で仕事をあがり帰宅する途中でした。乗っていた電車が千代田線の町田駅に停車した瞬間、ブザーが鳴り響き、電車は動かなくなりました。断続的に強い揺れが続き、そこで足止めされました。

自宅に着いたのはそれから6時間後。妻に車で迎えに来てもらいなんとか帰宅することが出来ました。途中で寄ったコンビニからはほとんどの食料品が消え、車道の脇を延々と帰宅困難者が列をなして歩いていたのが印象的でした。

原発のニュースが入って来たのは1日明けた翌日の昼頃だったように思います。家族と、知人の展示のオープニングに寄った帰り道、ふと車のラジオからそれは流れてきました。

そこでは原発は非常に危機的な状況にあり、いつどうなってもおかしくはないし、もしものことにでもなれば対応の仕様がないということを専門家が語っていて、ラジオのパーソナリティーは動揺し、しばらく沈黙が続きました。

ボクはそれを聞いて、それまでどこか楽観視していた自分と、どこまでも続くであろう日常がもろくも崩れ去り、何ともいえない焦燥感に襲われたことを覚えています。

そのときふと、この救いのない恐怖がどこかで体験したことのある、既視感のあるものだということに気付きました。

それは幼少の頃に観たウルトラQの、得体の知れない何かが日常を覆い尽くす恐怖感そのものでした。


『可動木彫 海鮮マン』 約300×100×100mm ホウノキ、アクリル絵具 2015

66年から始まる空想特撮シリーズは、戦犯として戦後公職追放された円谷英二らの鬱屈した感情や、それまで信じられていた体制が塗り替えられていく社会情勢の中で様々な矛盾を抱え込みながら、それらを表現した作品であるように思えます。

勧善懲悪ではない物語は対立する双方にそれぞれの正義がある、という敗戦による価値観の転覆に基づく実体験のように感じられるし、科学技術は未来を明るく照らすだけでなくその副作用はとんでもない怪獣や化け物を生み出すのだということも、産業革命以降勃発した二度に渡る世界大戦や冷戦以降の急速な核開発、核実験を物語っているように思えました。

戦後日本の、戦前の価値観の急速な塗り替えによる軋みや矛盾。そのことをフィルムに焼き付ける作業があの空想特撮シリーズだったようにボクには思えます。

それがあの巨大な地震によってひび割れ、ドロリと姿を現し、それはまさに予言として存在し、戦後70年間の間に塗り替えられ忘れ去ろうとしていた何かが立ち現れた瞬間だったのではないか…そう思えました。

人の力では到底抗うことの出来ない、人智を超えた力。制御出来ずにただ傍観するしかない得体の知れない力。
それが怪人として様々な形を与えられ、スクリーンの中にすでに焼き付けられていた。

そのことを、ボクはあの震災の中でぼんやりと考えていました。

そして、そういった想いを下敷きとして、徐々に怪人をモチーフに制作を始めるようになっていきました。


『可動木彫 イカ星人』 約300×100×100mm ホウノキ、アクリル絵具 2016

当時、放射能に汚染された食物のニュースが色々と伝わり始め、震災の影響で様々なインフラが機能していない中で、それでもいつものように日々仕事へと向かう私たちを、ボクは、食物が変形し、スーツに身を包む異形のモノとして表現しました。

映画「マタンゴ」で無人島に取り残された主人公達が島に生える汚染されたキノコを食べ、少しずつ自らも怪物に成っていくように、この後戻り出来ない状況のなかで、自分自身もこの奇妙な世界へ徐々に取り込まれていくのだろうという恐怖と、私たち自身の未来の姿として、怪人を描いていたように思います。

…なんだかとっても長くなってしまいましたので、続きは近々次の機会に。

個展「新宿区怪人一丁目」も本日が最終日ですので、皆様何卒宜しくお願い致します!

近況報告

暑い。いやもうこれは「熱い」と言っても良いのではないかという気温の上昇。

日本が赤道付近まで移動したのかってくらいに暑い。

はー。

もう8月。今年も半分終わったっていう。早いよ。まったくなんなんだよ。

去年の11月にLINEでみうらじゅん賞貰ってから半年以上が経って、僕の生活はどう変化したかというと…。

はっきりいって何も変わっておりません!安心して下さい。まったく儲かっておりませんので。毎日仕事がんばってますよ~。

ただ、制作の方が目一杯、これでもかってくらい予定が入ってまして…。

先日も、毎度お世話になっておりますビリケン商会さんの「わたしの菩薩」展に出品させて頂き。




その時の展示の様子がハイパーホビーさんの記事になりました。(記事はこちら

それがひと段落したと思ったら8月には渋谷Bunkamuraで「幻獣神話展Ⅱ」に参加、9月には福岡のアートフェアーへの出品。その他にも11月、来年の2月、10月にも個展、グループ展が控えておりまして。

食べるための活動が終わった後に制作をしているものですから、本当に、正直、気力体力の限界を感じたりしているのですが、それまでまったくオヨビのかからない、作品を作っても「これどこで発表するんだよ?」という生活だったことを考えれば本当に天国なのです。(ありがたや、ありがたや)

今年の5月までは本当にな—んにも予定がなかったのに。人生って不思議。

思い起こせば知人の写真スタジオへ遊びに行ってから怒濤のようにスケジュールが埋まりだして。僕はあそこはパワースポットであるに違いないと思っています。人生に疲れたクリエイターは自作の写真でも撮ってもらいに行けば運気が上がるかもしれませんよ。(開運写真スタジオ、Dust Bunnyさんはこちらです)

久々のブログ更新ですが、それもこれもこの間根津にあるギャラリーマルヒさんに気になる展示を見にいったら、顔を見るなり「1丁目さんですか?」なんて声を掛けられて。

なんでも、つい2、3日前にこのブログを見て僕の顔と名前を覚えて頂いていたようで、それがきっかけで繋がりができたりと「あーこのブログも捨てたもんじゃないな。ケーゾクは力だな。」などと思った次第であります。たまには更新しなきゃなと。

次の更新はいつになるやら分かりませんが。風の吹くまま気の向くまま。またひょっこり更新しますので、どうかおつき合い下さい。

【祝】LINE Creators Stamp AWARD 2014 みうらじゅん賞受賞

はービックリした。

心の師、加山雄三先生もおっしゃっておられましたが、人生何が起こるかホントわからない。

三十七にもなって。

ビックリなんてもんじゃない、というか、「あ、ヤバい」と思いましたから。

見つかっちゃった。っていう。

みうらじゅんさんだもんなぁ。みうらじゅん賞といえば宮本浩二さんとかリリーフランキーさんとか、そういうイメージだからほんとにびっくり。
そしてびっくりするぐらいスタンプは売れてないっていう。そこがまたホントっぽいというか、良い賞もらったなぁ。



気持ち悪い七三分けの中年がテレビでへこへこしながらトロフィもらってにやけてる映像観て自分自身不快になりましたから、周りの皆さんには相当不快に映ったと思います。ごめんなさい。

でもやっぱり、細々とでも制作してきて良かったとは思いました。ここ2年くらいものごとが上手く回らない感じがあって、神様なんていやしねぇよ、と思ってたけど、こうやって地道にやってきたことが日の目を浴びると、あ、神様いるかもなぁとか、想っちゃいます。

調子乗れる時に調子乗らないと、人生ずっと下向いて歩かないといけないので、こんな時くらい調子乗ろう思います。

LINEスタンプも販売中ですので、興味のある方、受賞記念のご祝儀に、ポチッとお願いします。


【LINE Creators Stamp AWARD 2014 みうらじゅん賞受賞スタンプ】

今年の上半期とLINE申請通過までを振り返る。

ずーっとほったらかして、埃か蜘蛛の巣でも張ってるんじゃないかという感じのこのブログ。

一年間ブログを放置して僕は何をやっていたのかというと、とりあえずそこは人並みに色々ありました。

ざっくり振り返って紹介すると、まずは4月に高松市美術館にて僕の作品を所蔵していただいている北原照久さんの「北原照久コレクション 現代アートと時代を映すおもちゃ展」への出品が決まり、観光も兼ねて香川県初上陸でうどんをモリモリ食べたり。
6月には個展「怪人教室」を名古屋のLAD Galleryさんでおこない、味噌カツ、手羽先を食べ、創作活動も食もそこそこに充実して楽しい一年の前半でした(振り返ればですけれども…)。


<可動木彫アサリーマン> ホウノキ、ビス、アクリル絵具 H30×W10.5×D5.5㎝ 北原照久氏蔵


<瞑想するアサリーマン> キャンバス、油彩 41.0×31.8㎝ 北原照久氏蔵


個展「怪人教室」DM

人生で初めてキャバクラなるものに連れていかれたり、なんだか濃い一年だったなほんとに。

そして!僕も今の時代の波に乗ろうとLINEのクリエイタースタンプをカリコリと、仕事の合間に時間を作ってはせっせと描いていたわけです。
これ、最初は大したことないだろうと思っていたのですが、実際40個もスタンプ画像を描くとなるとホントに骨の折れる作業なのです。

まずアイデアが浮かばなくなる。絵が最初と最後で微妙に違ってくる。ほんとにこんなもの描いて誰が買うんだろうと自問自答しだす(いつものこと)。
これで申請通るのか?と不安になる。

気になってLINE申請している方々をネットで検索してみると申請降りるまで3~4か月は掛かるらしい。そしてリジェクトもけっこうあるらしい。

ああ、こりゃ運が良くても来年くらいに持ち越しだななんて思っていたのですが、通りました申請。ただ今絶賛発売中であります!


【怪人スタンプ】絶賛発売中!

おおこれでLINE長者かぁ~なんて、そんな風に思った皆さん。現実はそんなに甘くはありません。

売上金額を振り込んでもらうには最低でも1万円は売上ないといけないのです(切実)。

こういう貧乏くさい話やめろとお思いの方も多いでしょうが、こんなところででも吐き出さないとやってられないのですよ。

話のネタに、全然ゆるくない、世の中の方向性とは真逆を突っ走っているLINEスタンプ。興味持った方はポチッとお願いします。

「まほうのリンゴ」

11月になりました。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

早いもので今年も残り2ヶ月。

1年を振り返るにはまだ早いですけど、3月に長年勤めた美術予備校を辞め、美術から足を洗う宣言の展示を松戸で開催し、しかしビリケン商会の三原さんに拾われ、舌の根の乾かぬうちにその1ヶ月半後に個展を開催。
高校の美術の授業に毎回プリントして配っていた1話完結の美術教養漫画「ガンバレオイリー君」を1冊にまとめて(といってもコピーをホチキス止めした冊子ですが…)ビリケン商会さんにて発売させてもらったり。

…なんかキャリアが積み上がっている。

あれ?なんかおかしくない?

今年の3月に清水の舞台から飛び降りる覚悟で、断腸の想いで!決断した美術との決別宣言とはなんだったのか…。

「オイ!コラッ!」ってツッコミが聞こえてきそう。

我ながらなんたる矛盾!

でも続けられているってことはやっぱり嬉しい。それはホント、発表の場や機会を与えていただけているからで、そんなチャンスをいただけることに感謝です。皆様ほんとうに有り難うございます。

そして今年最後、リクルートのギャラリーであるガーディアン・ガーデンさんの企画、web galleryにて今日から1ヶ月間、市川友章展「まほうのリンゴ」が開催であります!

$ゲゲゲの藝術学

娘への一足早いクリスマスプレゼントとして、誠に勝手ながら制作させていただきました。

超プライベートな動機から制作されたものですが、皆さんにも楽しんでいただけるものになっていると思います。

是非一度目をとおしていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

奥様の展示について考えたこと。

昨日は奥様の展示のオープニングでありました。トークショーもあって、学生時代の懐かしい面々も集まり、なんだか色々なことが起こった一日なのでした。(奥さんの展示スペースのおとなりで展示されている作家さんが同級生の元カノジョであったことが判明したり…しかも当時僕は確実にそのカップルに会っている…。)

$ゲゲゲの藝術学

奥様の作品、なんだか魔女の部屋のような飾り付け。

作品も刺繍という至極アナログでアナクロな手法でチクチクと作られています。
赤ずきんやベニテングダケ、オオカミや蜂、その他脈略なく集められたイメージを刺繍した生地を繋ぎ合わせて1枚の画面として木枠に貼られています。

$ゲゲゲの藝術学

一見、彼女の作品はアメリカ南部時代のような印象を受けます。現代という時代からは逆行した作品として受け止められるように思います。

展示室に足を踏み入れた時、一瞬、テーマパークのように作り込まれた空間に戸惑うかもしれません。(これは他のワンダーサイトで展示している作家さんにはないものとして目を引く部分はあると思う。)

テーマパーク的な、舞台装置として作品を見せていくという手法は90年代だかに(カレン・キリムニック?辺りが)よく使った技法でるあるので、目新しくはないけれど、今回の展示では効果的に使用されているように思います。

でも、そこにだまされて、上辺に見えてくるイメージだけで判断してはいけない気がするのですよね、彼女の作品は…。

$ゲゲゲの藝術学

本人は意図しているかどうかは別として、実はこれらの作品はそのアナログな成りに隠れて、実はもの凄くデジタルな感性が隠れている気がするんですよね。現代性みたいなものが見えてくる。

刺繍というのはひと針ひと針、糸を画面に縫い付けるわけで、それで線を構成し、画像を構成していくわけです。それはコンピュータ上での画像の構成単位(ピクセル)をにおわせます。

作品に使われている画像も、トレースされ同じ画像が繰り返し使われていたり、画像と画像を縫い合わせ繋ぎ合わせ、切り貼りして別のイメージを作っています。
布はつなぎ合わせれば無限に大きく、際限なくイメージを紡ぎ出せるという意味で、それはネット上から画像を集めそれらを繋いでいくtumblrのようなデジタルコンテンツを想起させたりもします。
一からイメージを作るっていうのではない、コンバインという手法も現代的な創造力、クリエイティブの方法を表しているように感じます。

極めつけは会場の中央に吊るされた天蓋を中心として張り巡らされた糸。
これがとなり合う平面作品同士を繋ぎ合わせて、イメージとイメージの間を行ったり来たりしており、ネットのデジタル回線を暗示しているようにモロに見えてくるんですよね…。

作品の見方なんてまぁ、人それぞれな訳で、彼女自身がどういう思考で今回の展示を作り上げたのか、僕には本当の部分はわからないけれど、見た目のアナログ感に隠されたデジタル的なものを見つけた時に、この二項配列的なものがとても面白く感じられたのです。

一筋縄ではいかないなって部分。

展示は8/25まで(休館日: 8/5、8/12、8/19) 11:00 - 19:00、入場 無料です。
お暇な方、お時間があれば是非足を運んで下さいまし。

トーキョーワンダーサイト本郷 3F スペースD
市川紗也子【かろうじて生きている】


ではでは

個展に来て下さった皆様へ

関東も梅雨入りした今日この頃。

5/11から始まった個展も5/26をもって無事、終了致しました。

この個展は震災があってこっち、僕の2年間の軌跡を集約したような、そんな展示でした。

たぶん日の目を見る事はないだろうと思って作った作品たち。

震災によって引き起こされた、それまでの経験則がまったく通用しなくなるような世界の中で、ただただ何かを見つめ直すように作品に取り組んでいたように思います。

今まで見えてなかった世界の事。世の中の様々な仕組み。自分のなかの大前提が他人には当てはまらないということ。人生について。絵を描く、表現を続けて行くということ。家族の事。などなど。

もともと内向的な人間なのに、その時期はさらに輪をかけて内向的になっていったなぁ。

正直、あんなにしんどかった事はないかも…ってくらい、今思えば追い込まれてたように思います。

でもだからこそ、今まで自分を縛っていた価値観や物事の考え方、固執していた様々な事に「くだらねぇ」と呟けたのかも…しれないです。

個展があって友人に言われたのですが、何かを本当に手放したからこそ、新しい何かがやって来たのかもしれません。

思えば大学に受かった時も、海外での活躍の場を掴んだ時も、そして今回の事も、追い込まれて追い込まれて、そしてその時々で何か瞬間的な「悟り」状態になったときに、物事がゴロンと好転していったような気がします。

これからどうなるのか、それはまったく分かりません。

でも、今回の個展で今まで積み上げて来たことを認めて下さる方々や、有り難い事に自分が美術を続けて行くことに対して応援してくださる方々に出会え、自分の事のように喜んでくれる家族の顔を観ると、「ああ、無駄な事ではなかったし、こうやって喜んでくれる人がいるなら、これからも頑張ってみよう」と思うのであります。

次の発表は未定です。でも、これからも自分のペースで作品を作り続けていきます。

また僕は潜ります。そして、たぶん、いつかまたきっと現れます。

ビリケンギャラリーの三原さん、ミミ子さん、秦さん、この個展の切っ掛けを作ってくれた藤城、GWにほとんど外出できなかったけど個展準備の手伝い&応援してくれたママにとねちゃん。そして暖かく声をかけて下さった皆様。本当に有り難うございました!

それではまた、皆様にお目にかかれる日を楽しみに。

ではでは!

$ゲゲゲの藝術学
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