今日はテレワークだったので、週末のいろいろと齟齬をきたした点についてのすり合わせのため、父に我が家へ来てもらいました。
父は座椅子にすわり、私は机に向かって仕事をしながらの対話。めっちゃ態度わる。
しかし、デイサービスの予定の日に病院(母の眼科)を入れるなどをされると、ケアマネさんと両親の間に私が入る意味がない。
それならしつこいようだが、補聴器をつけて、父が直接ケアマネさんと話をしてくれないか、と。
私としては出来るだけのことをしようとは思っているけれど、たった二つ、弟と連絡を取ってくれということと、補聴器をつけてくれ、という希望すら無視され続けているようでは、これ以上のことはできない。
あまりにも誠意がなさすぎるのではないか。
というところから始まって、ケアマネさんや病院の先生に「いつもはこうじゃないんです」と母をかばうのはやめてくれ、と。
本当にいつもちゃんとしているのなら、誰の世話になる必要もないじゃないですか。
私が父から聞いたことをケアマネさんや先生に伝えると、父が否定する。
「いつもはもっとちゃんとして…」って。
母も否定する。
「一緒に住んでいるわけじゃないくせに」って。
父は一体この先どうしたいのか?
母を甘やかして、見たくない現実に目をつぶって、いつの間にかなんとなく上手くいかないかな~って待ってるつもり?
そんなことして上手くいくことはほぼないよ。
どんどん状況は悪くなっていくんだよ。
まくしたてる私の言葉に、父の目から涙がこぼれる。
「本当にもうよくならないんだろうか。いい時だってあるんだ。何とかデイサービスで刺激を受けながら、病院でもらった薬を飲みながら、よくなっていくってことはないんだろうか」
良くなることはあるかもしれないけれど、期待したらだめだ。
家族に暴言を吐いたり、誰のことも信用できずに疑心暗鬼になっている今、お母さんだって結局幸せじゃあない。
困っていることを正直に話して、認知症のプロの人に対策を考えてもらわなければ、先に進めないと思う。
「俺が平成5年に倒れたとき、俺の面倒も、起業したばかりの会社のことも、全部面倒見てくれたのはおかあさんだから、今度は俺がちゃんと面倒見てやらないとと思ったり、俺が作るような旨くもない料理を食べさせるより、ちゃんとした施設で美味しいもの食べて、穏やかに過ごした方がいいような気もするし。だけど俺が手を離して、そのままお母さんが悪くなる一方だったら、それはやっぱり駄目だと思う」
と。泣く。
昭和一けた生まれの元祖イクメンは、実に妻想いのいいやつだった。
健やかなるときも、病める時も、呆けた時も、共にというのは、今の世代でもなかなかいないと思う。
でも、父の愛情だけではどうにもならないこと、とにかく何かを試して、ダメだったらまた違う方法を考えて、少しでもみんなが笑顔になれるように前に進もうと話して、どさくさで補聴器を買うことを承知してもらいました。
本当だったら障碍者申請をしてもらって、補助を貰えるところなんだけれども、一刻も早く私のストレスを解消するために、全額自己負担で私が購入いたします。
両耳分で50万。
冬のボーナスは去年の浴室改修工事ですでにないので、来年のボーナスも飛んで行くことになりました。(ToT)
でもこれで、父との会話にストレスがなくなるのなら、全然OK。
この際弟たちのことも不問に付す勢い。
とにかくこの閉塞した状況をなんとかしないと。
持統天皇の治世を舞台に、丹生都比売という姫神と、水と、銀とに彩られた、草壁皇子の少年の日々を描く。
本日の読書:丹生都比売(におつひめ) 梨木香歩
Amazonより
『持統天皇の治世を舞台に、丹生都比売という姫神と、水と、銀とに彩られた、草壁皇子の少年の日々を描く。』
以前に読んだ短編集の中の「丹生都比売」に、持統天皇視点の一章が追加された長編があると聞いて買いました。
それほど長い一章ではなかったので、小説としての長さはあまり変わらなかったけれども、草壁皇子の見る世界に持統天皇(当時は鸕野讚良皇女)の視点が追加されることによって、物語に厚みが増したと思います。
短編では、親の期待に応えられない辛さと、親に間引かれるのではないかと怖さが際立っていました。
そのとき、母親の持統天皇もまた、我が子を愛おしく思いながらも逃れられない天皇家の血まみれの運命を受け入れざるを得なかったのです。
母親の、我が子への慈しみと、それを全うできない悲しみ。
丹生都比売とは吉野におわします姫神で、清らかな水と銀を、そして猛毒である水銀を統べる神。
大海人皇子は吉野で丹生都比売の祝福を受けて、大友皇子に対して兵を挙げなければならない。
そうでなければ、呪われた挙兵として勝ち目はなくなってしまうから。
“ひとはみな、それぞれの生の寂しみを引き受けて生きていく、という芯を持つ蔓なのだろうと思う。”
草壁皇子の虚弱な体と繊細な感受性は、丹生都比売を呼び起こすのに必要だったのだと思うのです。
彼の透き通った、しかし確とした存在感。
諦めと悲しみと慈しみ。
美しい物語でした。
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