NO.1にならなくてもいい
もともと特別なOnly one


以下、

職場の山本さんからピアスをもらった

22歳ピアスホールのない

ひどい女の話である。

 



山本さんの愛車で帰ることを拒否する気力を、すでに失っていたと思う。


もちろん、睡眠薬を盛られたわけでもないし、覚醒剤を打たれたわけでもないけれど、道中はあまり記憶にない。


疲れきっていたのだと思う。


自宅前まで

しっかり送ってもらった。


降車の際に、送迎へのお礼を言ったら一緒に降りてきた。



「荷物もつよ」


                                       荷物なんてない



  あえていうなら あなたがお荷物


       


部屋は二階


階段を上がり、結局部屋の前までついてきた山本さんが言った。 


「付き合ってくれない?」


「そういう気持ちは×△~※」


その語尾にかぶせるように




「返事はもちろん

         すぐじゃなくてもいい。


               よく考えてからで。」

と言った。



「よく考える。」



1+1=2


           2×2=4



            円周率は3.141592………



よく考える 


幼い頃から、大切なことのように言いきかせられてきたこの言葉の意味が、突然わからなくなった。






3.14とはなにか 


今日が一番

おも白い日




 


私は2年ほど前

彼氏に誕生日を忘れられるという

コメディードラマの

主人公のような経験をした


ピアスホールのない

アラフィフ女である。


 



その1年後、当該彼氏は

「そんな奴、わかれちまえよ。」

「俺にしろよ」


と言ったので、


正確に言えば

私と現彼氏との交際は

まだ半年程度なのであろう。


ということは


今年は初バレンタイン・デーであったわけだが、私はまんまと渡すのを忘れて持ち帰ってきた。


それが2回続いたので

正確に言えば


バレンタイン・チョコレートを渡したのは、2月の末頃だったと思う。


それから、少しだけ時が経ち

ホワイト・デー付近の日の

ランチのあと



「ケーキ作ったんだ。良かったら食べていって」と

家に招かれた。


私は、てっきりそれが「お返し」というものなのだと思い込んだ。


しかし、


その数日後に彼は



こういうような箱入りのものをくれた。


あぁ、こっちが「お返し」だったんだ。


そう思い、

「この間のケーキ、おいしかったよ。あれがお返しなんだと思った」


と言ったら


「え?あ〜あれね。

最近、しょっちゅう作っていたから

子どもらに、もういらないって言われちゃってさぁ。ハハハ」


と答えて笑った。



ただの余り物だった



ということなのだろうが


腐っていたわけではないし


とりたてて

気にすることでもないのだろう。


と思った。



その箱の中にあった

ココア味、抹茶味それぞれのチョコレートはとても美味しかった。


カカオ粉末も入っていたが

それは、まだ飲んでいない。


が、


もしかしたら


あのチョコレートに

ふりかけて食べるものだった

のかもしれないと、今気がついた。



ともかく、職場の人にもおすそ分けしながら美味しく食べたので


休憩中に、お礼のラインをした。


チョコレート、美味しかったよ。

ありがとう。


すると

それは、よかった



という、句点のない

今時の若者のような

無難な返信の後





彼は、ラインの文末に句点を使わない。


すなわち


マルハラをしないおじさんであるが、文末の顔文字は「おっさんの証」だと、娘さんに言われるのだそうだ。


彼は、そう語りながら

「でもさ、若い子だってスタンプは使うよね。それと同じだと思うんだけど」と腑に落ちない様子だった。



とにもかくにも、


私にとっても

ブログをお読みのみなさんにとっても


本当は

ものすごくどうでもいいことであろうが

 


わたしは、今回


ショコラと書いていたから

クッキーだと思った。


この返信の一文が

気になってならず





と聞いた。すると





という、

私にとってはじわじわくるが

ブログをお読みのみなさんにとっては


おそろく

どうでもいいであろう返信がきた。



私は

考えても考えてもわからず

真実を知りたくなったので



どうして、ホワイト・デーだからって
ショコラをクッキーだと思ったの?

と食い下がった。
すると




 

そこは


チョコばっかりの

ホワイト・デーコーナー



だったら
なんだというのだろう。




ということがわかったが、




ショコラと書いていたから

クッキー??




という謎めいた短文に


思わず




と、チョッパースタンプで即答したら






と、いうなんともいえない
即レスがあった。


ホワイト・デーもチョコ
なんだね





そのどうでもよさそうな真相を
知りたくなった私は

スマホ調査を開始し
とあるサイトをみつけたので
コピペして返信した。









ホワイト・デー、

イオンもチョコだらけ

だったけど



逆にクッキー無かったよ


この難解な短文は

何を示すのか。





俺は今まで

ホワイト・デーというのは、クッキーを返すものだとばかり思っていたんだ。 



だから、クッキーを買おうと思いながら探していたんだ。


それで


イオンのホワイトデー・コーナーを見たら、


なぜかクッキーは置いていなくてチョコレートばかりだったんだ。

 


そのあと

そのショコラを買ったお店に行ったんだけど、そこもチョコレートばかりで



そのとき、目に入ったのがこの『ショコラ』の文字でね。


そういうわけで

てっきり


ショコラというのは

クッキーの別名なんだと

思い込んだんだよ。

という話なのだろうか。



私としては

クッキーもチョコレートもケーキも

好きなのでどれでも喜んで受け取るが


ホワイトデーコーナーに

チョコレートばかり。


それは、本当なのだろうか。





  



互いにバツイチ

結婚願望のない私達は


知り合ってから35年


長い時を経て

互いをパートナーであると

認識し合ったのは


令和になった頃だった。


こんなに噛み合わない私達


仮に

婚活中に

結婚相談所で出会っていたり


仮に

恋活中に

アプリで出会ったとしたら


互いをどう認識し合ったのだろう。




と思ったりしながら


この微妙にじわじわくる

噛み合わなさの実体とはなにか。


どうでもいいことをつい考える。