ベルト•モリゾ
画家であり、妻であり、母親。
印象派展で唯一、絵を展示した女性モリゾ。
印象派とマネを語る上で不可欠な存在ですね。
その惹きつけるような容姿は、数々の画家のモデルにも起用され
精力的でありなが、母親としての優しさも兼ね備えた人物だったと思います。
この優しさは絵にも現れています。
柔らかな色彩はどこか和みますよね。
これは旦那さんと子供を描いた一枚です。
そしてモリゾの作品を見て注目して欲しいのは時間軸の巧妙な描き方です。
男性が描く絵というのは、理屈的なものが多く
例えばピアノを弾く女性
横たわる女性、編み物をする女性
など、一見するだけで何をしているかわかりやすく提示するものが多いのですが
モリゾの作品は、もっと感覚的で
その空間で過ごす時間というものを、彼女自身の視点で見つめているように思います。
その当時、女性の画家として生きていくには偏見があり
辛い思いを沢山したと思います
それでモリゾの絵にはそんな様子を微塵も感じません
もし、理由を聞いたとしたら
「だって好きだから」
即答しそうな気がします。
シャネルのような強さと
サガンのような茶目っ気
そして精いっぱいの愛を惜しげもなく与え続けた人
最後にモリゾが娘にあてた手紙をご紹介。
54歳で亡くなり、17歳のジュリーへ残した手紙。
私の可愛いジュリー
私は死んでいく今もあなたを愛しています。
死んだあとでもなお、あなたを愛することでしょう。
どうぞお願いだから泣かないでおくれ。
この別れは避けがたいものです。
私はあなたが結婚するまで生きていたかった・・・
いつもあなたがそうだったように、仕事をしていい子でいてください。
あなたはこれまで私を悲しませたことは一度もありませんでした。
あなたは美しく財産もあります
それを有効にお使いなさい