ヨハネス•フェルメール
フェルメール、日本で特に人気が高い画家だと思います。
代表作、真珠の耳飾りの少女
オランダのモナリザとも言われる作品。
実はフェルメール自体、文献があまり残っておらず、残された作品も非常に少ないんですよね。
この絵も発見された当時は状態が悪く…
オークションで一万円で売買されています。
モデルも不明という作品ですが
この儚げに振り向く表情と
真珠の輝きに魅せられる方が多いと思います。
この作品の真珠には当時の宗教的な意味があり、少女の純潔を表現しています。
また、フェルメールの作品を鑑賞するにつれ、あることに気づきました。
それは、身分により自由恋愛できない時代。男女差別が明確な時代。
女性の多くは、叶わぬ恋に焦がれながらも現実を受け入れ、生きていたと思います。
その不自由な真実をフェルメールは絵によって巧みに表現しています。
例えば
窓辺で手紙を読む女性
一番好きな作品。
何気なく手紙を読んでいるだけに映りますが、
開かれた窓は、外への世界への憧れを意味して、
無造作に置かれたリンゴはアダムとイヴの堕罪を連想させています。
叶わぬ恋人への手紙。
X線の調査により
実は上の部分にはキューピットが描かれていたことが近年わかりました。
類似された絵は多く、
さりげなく描かれているワイン
この時代はワインを飲むことが禁じられていました。
ワイン=淫らな恋
彼なりに社会のルールをわかった上で無情な生活を訴えているように思います。
そして、この慎ましく儚い女性像
というテーマはフェルメールの大きなな優しさとエールのような気がしてならないのです。