エドワードホッパー
物語を演出する画家。
この絵を観てなにを感じるでしょう
真夜中のバー
男と女はどんな関係なのだろう
どんな会話をしているのだろう
ついつい、憶測を立ててしまうほど映画のワンシーンを傍観しているような感覚になる。
そしてホッパーの作品は共通して、孤独が潜んでいる。
僕にとって孤独とは、部屋で1人で閉じこもり、外部との接触を絶つことではなく、
ありきたりな日常の中で感じる、どうにもならない虚無感だと考えています。
例えば、大勢の人がいるのに誰も自分の存在を認知していないような感覚というか。
SNSが普及したことで、その深さはさらに深刻になり
コミニケーションツールが逆に依存させてしまっている。
脱線しましたが、、
そんな「孤独」をホッパーは自分の目線で丁寧に描いています。
そしてもう一つ興味深い点
「ニューヨークの映画館」
女の人がスクリーンの隣で立っている
ただ、それだけなのに
どんな背景があるのか想像を掻き立てられる一枚。
「夜の窓」
なんなんでしょうか、このじれったさ。
ホッパーの巧妙な日常描写にハマっていきます。
物語を演出することに長けているんですよね。
そして何よりホッパーの凄い点は
淡々と良作を描き続ける姿勢。
芸術家というだけで、波乱の人生、薬物中毒、自殺など…
私生活も注目されていますが
ホッパーは42歳の時に結婚して
奥さんをモデルに晩年まで制作を続けるという
派手ではなくても、しっかりと自分のペースで歩んだ生き方に美学を感じます。
ついでに奥さんも画家で、ホッパーが寡黙すぎて、その寡黙さを日記に綴るという笑ってしまうエピソードも。
アメリカの代表画家として必ずあがるので要チェックです。