宮古という町に受け入れられていないような、沈んだ気分の
まま、僕は野宿場所を探し始めた。
あ、レシートが出てきたのでこの日の朝食について・・・・
午前5時半。大船渡のローソンにて、もりもりナポリタン、オレン
ジジュース、リポビタンDを購入。リポビタンてのは恐らく願掛け
的な意味があったのだろう。
午前9時半。ネギトロ巻き、肉まん、カレーまん、アクエリアスを
購入。ホントに良く食べますねこの人は・・・・・。
野宿場所は海岸沿いの廃工場跡の空き地を中心に探した。
20分ほど探し、屋根もあるいい感じの廃工場の軒先に、とりあ
えずの目星を付けた。ここよりいい場所が見つからなければ、こ
こに戻ってくればいい。
地図を見ると、宮古には道の駅がある。とりあえずそこまで行っ
てみるかな、という気分になった。
そこから20分ほどの距離(意外と遠い・・・・)にあった道の駅「宮
古」は建物の後ろ10メートルほどがすぐに海で、その間は一面き
れいな芝生であった。宮古の海はすぐ南にある大きな半島のお
かげで湾になっており、波は殆ど無いといっていいほど穏やかだ
った。車や自転車で地元の人が集まり、釣りを楽しんである。
よほど釣れるスポットなんだろうなぁ。
この芝生にテントを張れればベストだな・・・・・・。
でも道の駅の人が何か言ってくる気がして仕方ない。
しかし今からあの薄暗い廃工場に戻るのも気が沈む・・・・・・。
とりあえず荷物を置いてしまおう。さすがにどこかに捨てられてし
まうという事はないだろう・・・・・・。荷物一式を例によってブルーシ
ートで包む。
目立つぜえ・・・・・・・
とりあえず道の駅に入り、お風呂の場所を聞くことにした。
案内のおばさん、かなり訝しげな目で僕を見ながら、こう教えてくれ
た
「ここからすぐ側に、町の銭湯がひとつ。45号を戻れば、24時間
の大型銭湯があります。大型銭湯の方が無難ですね」
そう言われたら大型銭湯に行くべきだろう。
お風呂セットをブルーシートから漁り、小さなサブザックにつめて出
発した。45号線を走る事20分、まだ銭湯は見えない。
ああ、きっとおばさんは俺が車の人だと思ったんだろう・・・・・・。
これ以上今日来た道を戻るのは虚しいので、帰って地元の銭湯に
入ることにした。こういう時は地元に限る・・・・・・・・。
銭湯は道の駅から僅か5分の距離にあった。入浴料350円。上出
来じゃないですか。なぜか番台のおばさんは自転車旅経験のある
人で話が弾んだ。話が弾んだ後でその人の前を素っ裸で歩くのは
抵抗があった。
銭湯にはおっさんと僕の2人。やはり温泉ほどの気分は味わえない
が、まあ贅沢も言っていられない。入れるだけありがたいことだ。
足や肩まわりをよくマッサージしてやる。体と髪を洗いサッパリする
と、銭湯を出た。
自転車に乗ろうとすると、地元のおばさんが重そうに襖(?)を運ん
でいるのが目に入った。よほど重たいのか、休み休み運んでいる。
手伝ってあげようかな。
ふとそう思った。
これが旅の運命を変えるとは、この時は思ってもみなかった。