『ALL OF US STRANGERS』観てきました。
既に話題となっていますが、1987年に出版され第一回山本周五郎を受賞した山田太一の長編小説「異人たちとの夏」が原作で、翌年の1988年には風間杜夫、名取優子、片岡鶴太郎、秋吉久美子出演で映画化された作品をAndrew Haigh監督が現代のロンドンを舞台としてリメイク。
リアルタイムではないものの大森宣彦監督の作品を観ましたね、ただ映画館ではなく深夜のテレビ放送か何かで。
観た当時のボクはまだ若く、なんだか不思議な感覚の映画だったという記憶があったのですが、今回リメイクされたとのコトで観てみようと。
なんだかちょっと心に引っ掛かりを残した作品だったので。
う〜ん、コレは全く違う作品ですね。
根源となる設定は守ってはいるものの、描かれたモノは違ったもの。
ある意味、この脚本を脚本家でもある山田太一が許可したモノだと関心する程。
一字一句変えずに…っていうのが有名な山田太一なのに。
でも、それはそれでどのようなモノになるか楽しみだと生前の山田太一が語っていたとか。
コレは作品が日本に届く前から公にされ、ある意味コレが話題となった感もありますが、セクシャリティが変えられ、男と男に。
更にその彼らのセクシャリティゆえの悩みと、セクシャリティに感じる1人のヒトとしての思いが相まった感情を織り込みながら描かれ、現代のロンドンっぽさもありました。
主人公アダムを演じるAndrew Scott、ハリーを演じるPaul Mescal。
Andrewはコレまで多くの脇役を演じ、「SHERLOCK」で悪役を、007シリーズでは「007 SPECTRE」にて英国政府最高官のデンビーなど話題作に出演すると共に舞台などでも活躍する実力派。
一方、Paulはまだ20代であるも「欲望という名の電車」でローレンス・オリヴィエ賞を受賞するなど、今最も注目される俳優。この2人が演じるってだけでも観る価値ある映画でした。
久々に素直にヨカッたって思える映画でした。