【前の話しは"テーマ別"で】
未来では人間の数はかなり減っていた
歴史から観れば最多時の1/10程度にまで
地球の資源量を考慮してマザーズにより管理され、その状態をキープしている
人類は人口爆発による食料難やエネルギー問題
天変地異や世界大戦、いく多の試練を乗り越えて来た
だが人類がそこまで減った本当の原因は科学の発展により
子供を作り育てる、わずらわしさから解放されたことだ
マザーズに人間の生産から育生の一部を委託した瞬間、急速に数を減らし
活きる糧をも保証されたとき、更に数を減らした
人間は1人では生きていけない、しかしコミュニケーションでさえ人間に替わりロボットがしてくれる
悩みを聞いてくれセッⅩの相手もしてくれ生活の面倒を全てみてくれる
プログラミングによって作動している感情表現のはずなのに
人間はロボットに愛を感じ愛してしまう
中には生まれてから生身の人間と一度も接せず、人生をまっとうする人も珍しくなくなってきた
これも一重にロボットの性能品質向上のおかげだろう
当然昔ながらの人間主体のコミュニティーと家族を形成し
必要最小限のロボットを要して生活している人も沢山いる
しかし今では全面的ロボット依存への
この生活モデルを七割~八割方の人間が支持している
なぜなら代を重ねる毎にロボットに育てられた人間の割合が増えたらからである
例えるなら彼らは貴族である
家族や生活の為に活きる時代は終わった
地位と名誉と趣味と娯楽と夢に生きる時代
歳をとってもスポーツ選手や芸術家を目指せる
アイデヤとヤル気が在れば社長にも成れる
人間が集まる社交場に出向き人脈を広げ
電脳ネットで支持者を募り、政界に打って出ることも出来る
難しい事やサポートは全てロボットがしてくれる
教えてくれる、慰めてくれる、元気付けてくれる
しかしそれほどまでにロボットを信頼し愛して居るはずなのに
ロボットに対して神で在り続ける権利を
人は決して手放さない───────
ロボット世紀、昔の話し
人間のロボット穏健派により大規模な
3度のロボット自由民権運動が展開された
キッカケはいずれも何らかのエラーによる
行きすぎた感情表現や行動を示すロボット達だった
一部の人間はそれを進化ととらえ、ロボットにも心が在ると主張した
その論議は尽きることはなかった、しかし永い間の研究でエラーロボットの脳回路を解析し尽くし
エラー要素を完ぺきに組み込んだ、正常なロボットとして数多くのロボットが造られた
穏健派も保守派も鷹派も、右翼も左翼も宗教も競って造りテストした
しかしどのロボットもエラー要素を超える反応を示せなかった
複合的(複数のエラー)にエラー要素を詰め込んだロボットでさえ、
感情表現、突発的行動、全て計算の範囲を越えなかった
ロボットにも心が在ると主張した者達は落胆した
科学的にロボットが心を持てない事が徹底的に証明されたのだ
結果、表立ってロボットの権利を主張する者は
二度と現れなくなった──────────
この物語の舞台になる
マンションの家は中層ビルの中階に位置し
1フロワ全てが一軒の家に成っている6LDKで玄関エレベーターを中心に
廊下が一周するような構造になっていた、各部屋は廊下の外側に有る
![3496-1-1.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20130320/02/197319/9f/f7/j/t02200164_0640047812464809707.jpg?caw=800)
ミコとタイタンは北東の角部屋から一つ右にずれた小さな部屋に居た
そこは巨人の書斎であった、部屋に入るドアの下には小さなすきまが有りそこから侵入した
ミコとタイタンは合体したままである
タイタンが部屋の奥、窓際の椅子の上に放置されているタブレット形端末機をミコを抱えたまま器用に
端末機のコントロール画面上を飛びはねたり滑りながらスイスイと操作している
タイタンは姿なき敵ミカエルからもたらされた情報を調べていた
巨人とその恋人である女形巨大ロボットは家の南側にある居間でセッХをしているか
2人でまどろんでいるはずた、シャワーを浴びる時間を考えても充分、時間的余裕はある
ミコはといえばタイタンの肩口から顔を出し向かい合ってしがみ付いているだけなのだが
その顔は赤く火照りタイタンが動く度に「う~ん」とか「は~ん」とか、こもれ声を漏らしていた
「タイタ~ン…まだなん?
」
端末から情報を読み取るタイタン
「ふむふむ」
「ミカエルの事分かったあ~ん?」
「なるほどな」
「だいぶ分かったんちゃうのん
、うち~タイタンが動くたびになんか変に成っていく感じなんやけど~ん」
「も少しじゃ…なになにカインとな」
情報を読み取るタイタン
「はよして~うちヤバイって」
更に激しく動くタイタン
「リリスとリリンとは…なるほどそうなると?
」
「マジでヤバイって…うち~意識飛びそ~ん」
ミコは快感に捕らわれているのか?
にやけながら焦点の定まらない目をしていた
「もう少しじゃミコ」
「タイタ~ン、あんた変な動きしてない
」
更に動くタイタン
「も、もう少しで、ミコーーー!」
「たんた違う事してるやろ![!?](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
」
「してないーーもう少しなんだ
がまんしろ」
「なんか体の奥が熱いわ?
…いっ、いっ、いく」
「いく、とは?」
タイタンは「とは」検索を開始したその時、ミコの虚ろな目が巨大な影を捕らえた
ミコが叫ぶ「志村後ろ
」
音もなく近付く黒い巨大な影
そして何かを振りかぶる気配
タイタンの防衛本能がそうさせたのか?
タイタンは巨大な影を振り返るより先に
ミコをきつく抱き締め身を固くした
「あっ」ミコが小さな声を上げた瞬間
2人は何かに弾かれ一瞬にして2人が入って来た部屋のドアまでぶっ飛ばされ
拳銃を撃ち込んだ様な凄い衝撃音と共に
タイタンは背中からドアに叩き付けられ、めり込んだ
全ての衝撃エネルギーがドアに分散し不気味な音を発して震えた
やがて2人は合体したまま落ち葉の様に床にひらりと落ちてた
ムクッと頭をもたげミコは放心状態で
さっきまで自分達が居たところに目を向ける
摩擦熱なのかタブレット画面の辺りからもくもくと黒い煙りが上がっている
そして椅子の所に女形巨大ロボットが立っている
ミコは全てを見ていた
ミコ達の眼は特殊だったハエの羽ばたきさえスローモーションの様に捉える事が出来る
ミコとタイタンは女形巨大ロボットの鞭の様にしなった
腕と手の平で叩かれたのだ、その動きは恐ろしく正確でそして音速を超えていた
ミコにはショックな事が重なり過ぎていた
ミコ達には耳は無いが触角があり、音は勿論、物体の気配や位置までハーク出来る高性能レーダーを備えている
油断していたとはいえ普段なら人間やロボットなど余裕で探知出来る
しかしそうは成らなかった、あんな至近距離まで敵の接近を許すとは…
頭がボーッとする…
自分はどうやら生きている…
今まで自分達を気にもとめなかったロボットに意気なり攻撃された
しかも巨大スリッパではなく素手で
(凄まじい攻撃だった…)
ミコの思考はおぼろげながら何度も女形巨大ロボットの攻撃をリピートしていた
しかしその脳内回路すぐに切断された
とっさに目覚める回避思考ミコが戦闘民族の証だ
「はよ逃げよタイタン
」
横たわる2人、タイタンの顔を覗きこむ
目は閉じている
「タイタン
タイタン
」合体したままなので手でタイタンの肩をゆする
グニャリとタイタンの上半身だけが仰向けになった
死んだのか?体には死体の様に力が入っていない
触角が二本ともちぎれている
目、口、鼻からは唾液とは違う汁が垂れている
死の臭いが鼻をつく
声が震える「死んでるばわいちゃうで
」ミコは今にも泣きそうだ
「はよ起きてーよ
」何度もタイタンの体を揺する
「タイタンのアホ
…死んでるなら死んでる言いや、グス…
とにかく…」とっさに行動した
合体したままでミコはタイタンの上で体位を回転し
仰向けのタイタンの上で自分も仰向けになり
タイタンの両腕を自分の両肩に担ぎ
2人もろともゴロっと反転ミコが下でうつ伏せになると
膝を付いてバックのワンワンスタイルになり
ミコがタイタンをおんぶするように立ち上がった
身長差がある2人なのでタイタンの足を引きずる形だ
「重いー」思わす口に出た
正直重いとは思わない合体している状態でのパワーアップは自分も体感出来ている
がしかし合体パワーはいつもの半分以下
でもしかし、普段なら合体してない状態でもタイタンを重いとは思わないだろう
しかしそれでも重いのだ
不条理な恐怖とタイタンへの自分の想いが重いのだ
歯をくいしばりタイタンを背負いながら
ヨタヨタとドアの下のすき間を目指す
ほんの少しの距離なのに何時間もの時に感じる
「みんなのとこ帰ろな…タイタン」声は震えたまま
すき間にやっと着いた
最後に一度、女形巨大ロボットを返り見る
あれは変わらずそこにいた
少しほっとしながら視線上げて顔を見た
ミコは凍りつく
あれの目には殺意が込もっている、自分達をムシズとさげすむ
巨人やロボットの目差しではない、もっと真剣な対象にむける
まるで憎しみと復讐に満ちた目
そして口元は捻れてつり上がっている
決して笑って居るのではない、なぶり殺しを仕事にする悪魔の口だ
その口がミコに向かって何かをつぶやいた
ミコは我慢出来なくなり、思わず泣いてしまった
女形巨大ロボットがミコに向かって歩き始める
と同時に押し寄せる恐怖に任せて一目散にドアのすき間に
タイタンを背って滑り込む、ガリガリとドアに擦れるタイタンの嫌な音が聞こえる
(死なんといてタイタン…)
廊下に出ると仲間のいる東側にあるキッチン目指して駆け出した
前が涙で見えない、どこを走っているか分からない
自分は何かを叫んでいるが自分でも分からない
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いー
」
足がもつれてつまずき何度も倒れ何度も起き上がる
「死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる
」
壁にぶつかる何度もぶつかる
ガツンゴリゴリガンそのたびにタイタンの嫌な音が聞こえる
(うちを1人にせんといてタイタン…)
「アッハハハアッハハハ
キャッヒャッヒャッ
」
ミコは泣きながら叫びながら笑いながら走り続けた
まるで気のふれた狂人の様に
仲間の元を目指して
つづく
未来では人間の数はかなり減っていた
歴史から観れば最多時の1/10程度にまで
地球の資源量を考慮してマザーズにより管理され、その状態をキープしている
人類は人口爆発による食料難やエネルギー問題
天変地異や世界大戦、いく多の試練を乗り越えて来た
だが人類がそこまで減った本当の原因は科学の発展により
子供を作り育てる、わずらわしさから解放されたことだ
マザーズに人間の生産から育生の一部を委託した瞬間、急速に数を減らし
活きる糧をも保証されたとき、更に数を減らした
人間は1人では生きていけない、しかしコミュニケーションでさえ人間に替わりロボットがしてくれる
悩みを聞いてくれセッⅩの相手もしてくれ生活の面倒を全てみてくれる
プログラミングによって作動している感情表現のはずなのに
人間はロボットに愛を感じ愛してしまう
中には生まれてから生身の人間と一度も接せず、人生をまっとうする人も珍しくなくなってきた
これも一重にロボットの性能品質向上のおかげだろう
当然昔ながらの人間主体のコミュニティーと家族を形成し
必要最小限のロボットを要して生活している人も沢山いる
しかし今では全面的ロボット依存への
この生活モデルを七割~八割方の人間が支持している
なぜなら代を重ねる毎にロボットに育てられた人間の割合が増えたらからである
例えるなら彼らは貴族である
家族や生活の為に活きる時代は終わった
地位と名誉と趣味と娯楽と夢に生きる時代
歳をとってもスポーツ選手や芸術家を目指せる
アイデヤとヤル気が在れば社長にも成れる
人間が集まる社交場に出向き人脈を広げ
電脳ネットで支持者を募り、政界に打って出ることも出来る
難しい事やサポートは全てロボットがしてくれる
教えてくれる、慰めてくれる、元気付けてくれる
しかしそれほどまでにロボットを信頼し愛して居るはずなのに
ロボットに対して神で在り続ける権利を
人は決して手放さない───────
ロボット世紀、昔の話し
人間のロボット穏健派により大規模な
3度のロボット自由民権運動が展開された
キッカケはいずれも何らかのエラーによる
行きすぎた感情表現や行動を示すロボット達だった
一部の人間はそれを進化ととらえ、ロボットにも心が在ると主張した
その論議は尽きることはなかった、しかし永い間の研究でエラーロボットの脳回路を解析し尽くし
エラー要素を完ぺきに組み込んだ、正常なロボットとして数多くのロボットが造られた
穏健派も保守派も鷹派も、右翼も左翼も宗教も競って造りテストした
しかしどのロボットもエラー要素を超える反応を示せなかった
複合的(複数のエラー)にエラー要素を詰め込んだロボットでさえ、
感情表現、突発的行動、全て計算の範囲を越えなかった
ロボットにも心が在ると主張した者達は落胆した
科学的にロボットが心を持てない事が徹底的に証明されたのだ
結果、表立ってロボットの権利を主張する者は
二度と現れなくなった──────────
この物語の舞台になる
マンションの家は中層ビルの中階に位置し
1フロワ全てが一軒の家に成っている6LDKで玄関エレベーターを中心に
廊下が一周するような構造になっていた、各部屋は廊下の外側に有る
![3496-1-1.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20130320/02/197319/9f/f7/j/t02200164_0640047812464809707.jpg?caw=800)
ミコとタイタンは北東の角部屋から一つ右にずれた小さな部屋に居た
そこは巨人の書斎であった、部屋に入るドアの下には小さなすきまが有りそこから侵入した
ミコとタイタンは合体したままである
タイタンが部屋の奥、窓際の椅子の上に放置されているタブレット形端末機をミコを抱えたまま器用に
端末機のコントロール画面上を飛びはねたり滑りながらスイスイと操作している
タイタンは姿なき敵ミカエルからもたらされた情報を調べていた
巨人とその恋人である女形巨大ロボットは家の南側にある居間でセッХをしているか
2人でまどろんでいるはずた、シャワーを浴びる時間を考えても充分、時間的余裕はある
ミコはといえばタイタンの肩口から顔を出し向かい合ってしがみ付いているだけなのだが
その顔は赤く火照りタイタンが動く度に「う~ん」とか「は~ん」とか、こもれ声を漏らしていた
「タイタ~ン…まだなん?
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
端末から情報を読み取るタイタン
「ふむふむ」
「ミカエルの事分かったあ~ん?」
「なるほどな」
「だいぶ分かったんちゃうのん
![!?](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
「も少しじゃ…なになにカインとな」
情報を読み取るタイタン
「はよして~うちヤバイって」
更に激しく動くタイタン
「リリスとリリンとは…なるほどそうなると?
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
「マジでヤバイって…うち~意識飛びそ~ん」
ミコは快感に捕らわれているのか?
にやけながら焦点の定まらない目をしていた
「もう少しじゃミコ」
「タイタ~ン、あんた変な動きしてない
![!?](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
更に動くタイタン
「も、もう少しで、ミコーーー!」
「たんた違う事してるやろ
![!?](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
「してないーーもう少しなんだ
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
「なんか体の奥が熱いわ?
![汗](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/028.gif)
「いく、とは?」
タイタンは「とは」検索を開始したその時、ミコの虚ろな目が巨大な影を捕らえた
ミコが叫ぶ「志村後ろ
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
音もなく近付く黒い巨大な影
そして何かを振りかぶる気配
タイタンの防衛本能がそうさせたのか?
タイタンは巨大な影を振り返るより先に
ミコをきつく抱き締め身を固くした
「あっ」ミコが小さな声を上げた瞬間
2人は何かに弾かれ一瞬にして2人が入って来た部屋のドアまでぶっ飛ばされ
拳銃を撃ち込んだ様な凄い衝撃音と共に
タイタンは背中からドアに叩き付けられ、めり込んだ
全ての衝撃エネルギーがドアに分散し不気味な音を発して震えた
やがて2人は合体したまま落ち葉の様に床にひらりと落ちてた
ムクッと頭をもたげミコは放心状態で
さっきまで自分達が居たところに目を向ける
摩擦熱なのかタブレット画面の辺りからもくもくと黒い煙りが上がっている
そして椅子の所に女形巨大ロボットが立っている
ミコは全てを見ていた
ミコ達の眼は特殊だったハエの羽ばたきさえスローモーションの様に捉える事が出来る
ミコとタイタンは女形巨大ロボットの鞭の様にしなった
腕と手の平で叩かれたのだ、その動きは恐ろしく正確でそして音速を超えていた
ミコにはショックな事が重なり過ぎていた
ミコ達には耳は無いが触角があり、音は勿論、物体の気配や位置までハーク出来る高性能レーダーを備えている
油断していたとはいえ普段なら人間やロボットなど余裕で探知出来る
しかしそうは成らなかった、あんな至近距離まで敵の接近を許すとは…
頭がボーッとする…
自分はどうやら生きている…
今まで自分達を気にもとめなかったロボットに意気なり攻撃された
しかも巨大スリッパではなく素手で
(凄まじい攻撃だった…)
ミコの思考はおぼろげながら何度も女形巨大ロボットの攻撃をリピートしていた
しかしその脳内回路すぐに切断された
とっさに目覚める回避思考ミコが戦闘民族の証だ
「はよ逃げよタイタン
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
横たわる2人、タイタンの顔を覗きこむ
目は閉じている
「タイタン
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
グニャリとタイタンの上半身だけが仰向けになった
死んだのか?体には死体の様に力が入っていない
触角が二本ともちぎれている
目、口、鼻からは唾液とは違う汁が垂れている
死の臭いが鼻をつく
声が震える「死んでるばわいちゃうで
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
「はよ起きてーよ
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
「タイタンのアホ
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
とにかく…」とっさに行動した
合体したままでミコはタイタンの上で体位を回転し
仰向けのタイタンの上で自分も仰向けになり
タイタンの両腕を自分の両肩に担ぎ
2人もろともゴロっと反転ミコが下でうつ伏せになると
膝を付いてバックのワンワンスタイルになり
ミコがタイタンをおんぶするように立ち上がった
身長差がある2人なのでタイタンの足を引きずる形だ
「重いー」思わす口に出た
正直重いとは思わない合体している状態でのパワーアップは自分も体感出来ている
がしかし合体パワーはいつもの半分以下
でもしかし、普段なら合体してない状態でもタイタンを重いとは思わないだろう
しかしそれでも重いのだ
不条理な恐怖とタイタンへの自分の想いが重いのだ
歯をくいしばりタイタンを背負いながら
ヨタヨタとドアの下のすき間を目指す
ほんの少しの距離なのに何時間もの時に感じる
「みんなのとこ帰ろな…タイタン」声は震えたまま
すき間にやっと着いた
最後に一度、女形巨大ロボットを返り見る
あれは変わらずそこにいた
少しほっとしながら視線上げて顔を見た
ミコは凍りつく
あれの目には殺意が込もっている、自分達をムシズとさげすむ
巨人やロボットの目差しではない、もっと真剣な対象にむける
まるで憎しみと復讐に満ちた目
そして口元は捻れてつり上がっている
決して笑って居るのではない、なぶり殺しを仕事にする悪魔の口だ
その口がミコに向かって何かをつぶやいた
ミコは我慢出来なくなり、思わず泣いてしまった
女形巨大ロボットがミコに向かって歩き始める
と同時に押し寄せる恐怖に任せて一目散にドアのすき間に
タイタンを背って滑り込む、ガリガリとドアに擦れるタイタンの嫌な音が聞こえる
(死なんといてタイタン…)
廊下に出ると仲間のいる東側にあるキッチン目指して駆け出した
前が涙で見えない、どこを走っているか分からない
自分は何かを叫んでいるが自分でも分からない
「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いー
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
足がもつれてつまずき何度も倒れ何度も起き上がる
「死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる死ぬる
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
壁にぶつかる何度もぶつかる
ガツンゴリゴリガンそのたびにタイタンの嫌な音が聞こえる
(うちを1人にせんといてタイタン…)
「アッハハハアッハハハ
![ビックリマーク](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
ミコは泣きながら叫びながら笑いながら走り続けた
まるで気のふれた狂人の様に
仲間の元を目指して
つづく