夜中の2時。シーンと寝しずまった静寂の中での突然。
小学生の娘が大粒の涙をぼろぼろこぼしながら
ママに助けを求めだした。足が筋肉痛で辛い。と泣いている。( 仕方ないな。)苦笑して寝返りをうつ。母と娘は対話を続けている。
学校が終わり友達と遊び回ったらしい。眠ったフリをして耳を澄まして聞いている。友達のみんなは自転車で移動するなか俺の娘は走って移動したらしい。(自転車を持って無いのは私だけ…)

しまった!
情けないの極み。やっとの思いで涙をこらえた。
幼き時代の俺と娘の昼下がりを重ね合わせながらあの頃味わった貧乏の惨めさを噛みしめる。

思い出せばキリがない。本当の惨めさを知らない人は他人を惨めな気分に叩き落としても その事実にすら気づく事も無い。そんな現実は日常にたっぷりと へばりついている。

その後の俺の心情なんて糞喰らえだ。魂に刻みこむだけでいい。

翌日。小学校の正門近くで下校する娘を待ち伏せた。いつもと同じようなリズムで門を出てきた彼女をポンコツ車にうやうやしく乗せて 近所のホームセンターへと向かった。彼女は 家計の事を幼いながらに いつも気遣ってくれている。言葉の節々や行動で心は伝わるものだ。

ホームセンター到着。

自転車売り場へ向かう。俺の出番はここまで。
あとは 母と娘のドラマの映像を見つめるだけだ。まるで信じられないといった表情で戸惑っている娘を優しい視線で見つめる母の姿。いいねえ。いいねえ。

昨年のクリスマスプレゼントが6月の誕生日に延期されても愚痴ひとつ言わず我慢してよく頑張ったな。

ありがとう。

久しぶりに雨音を子守唄代わりに眠った朝。
身体中にパワーがみなぎるほど眠った。
鬼でも化け物だろうと何でもかかってこい!
弓でも鉄砲でも構わないぜ…。無敵モード突入。1日のスタートから気合いがみなぎる。愉快な気分で家族の仲間たちを起こしてリズムを作ってあげたら散歩の旅へと父ちゃんは姿を消す。
こんな楽しい気分は本当に久しぶりだな。
二日ぶりの街の景色もマイナスイオンで満たされて やけに清々しい。
雲と雲の隙間から光が洩れている。パルプオルガンでEmを二回押したら あの世へと吸い込まれそうだ。それでも構わない。必ず俺は復活するさ。
こんな日は 何かしらご褒美みたいなやつを手に入れる。ワクワクした気分で1日のスタートをいきなりギアをトップに入れて走り出した。
11日任務完了。22時頃帰宅した。家族の仲間たちは明日も精一杯生きていくため 眠っている。三人の幸福が俺の果てなき旅の目的の一つである事は紛れも無い事実
自己満足の集大成を成し遂げた今 また 金を得る為に動き出す。だけど
はりつめていた緊張を解放した瞬間 テーブルの上の夕食もそのままに床に吸い込まれた。そのまま高熱にうなされ続けて今に至る。約40時間の夢への逃避行は 悪夢ばかりが続いた。今回のボランティアは ただのヘルパーさんや 介護士の方々のお手伝いであり老人問題云々を語れるほどの立場には程遠いと改めて自戒しなければならない。俺が今回 関わった人たちは一部の恵まれた老人たちなのだと思う。その恵まれた環境の中でも 老人たちが満足感を満たす事は難しい事だと思い知らされた。

でも 世の中の大部分の老人たちは 対話する相手も我が儘を言う相手も無く孤独の中から生きる理由を探しているに違いないと思う。

俺の親父は音信不通5日目に 痛みにのたうち回った 物凄い形相で ミイラ化が始まった状況で発見された。壮絶な死に様だったらしい。

本物の幸福を探して生きているが 納得する死に様にたどり着くというテーマは重要なものであると心に誓いをたてる。
そのためには安らかに寝息をたてている三人の幸福は大前提だな。いかに力を合わせて成長していけるか。幸福に生きるためには金など殆ど役にたたない。他人よりも 少しばかり旨い料理が食えて他人よりも少しばかり綺麗な家に住めて他人よりも少しばかり旅行にでも行けるくらいのものだ。
大切なものは 根本的な場所で いつも見つけ出す。

今回の人生の回り道も無駄ではなかった。
また 真実のゴールに一歩近付けた。そう信じて微熱の朝を 笑いとばすことにしよう


老人の
曲がった背中は
待ちぼうけ
過去は夢なり
コスモス見つめて