年末に差し掛かり 交通量がとんでもないことになっている。ラジオのニュースは 産まれたばかりの子供を高層階から投げ落とした父親の事件を俺に伝えた。感情を殺したアナウンサーは多分 昼飯のことでも考えているのだろう…。今 この瞬間にも 自身の主張すら持てずにいる幼き子供たちが 世界に多数いるだろうという絶望的な憶測をしたら胸が張り裂けそうになった。
(闘え…)
全ての彼らに念じながら駐車違反している高級車を避けて目的地へとハンドルを切った。

(神様。俺はピストルがほしいんだ。それと もしよかったら 理不尽な法律の網を掻い潜る 権利もくれないかね。)

俺は妄想する。

高級車のタイヤにピストルで風穴を空けて その横でボンクラドライバーを待つ。自己主張にのみ全身全霊を使い生きているドライバーはその光景に唖然として すぐに怒り狂うだろう。俺はニヤニヤ笑ってそのそばに 突っ立っているのさ。

恐らく 奴は俺に食い付いて来るに違いない。

(ハンズ アップ…。冬は終わりだ。)

信号が青に変わり また シタリ顔で目的地へとアクセルを踏み込んだ。

ラジオから素敵なクリスマスソングが流れていた。
久しぶりに建築に関わる仕事をした。約7か月ぶりの現場復帰である。

とりあえず 1日限りの お手伝いでは有ったが
左足が麻痺していても
手術以前と近い作業量が可能であると実証された。

しかし 全身筋肉痛で全く動く事が出来ずにいる。たった今 這いつくばってトイレに行って用を済ませた。

明け方に帰宅。
飲み過ぎた。
以前 勤務していた会社の同僚から誘いを受けて家を飛び出したのが前日の21時頃。「飲み足りない」との理由で連絡があり どうしようかと悩んだ挙げ句に 「雨も降っているし、また今度呑もうぜ。」と丁重に断ったのだが 五分後にまた
連絡があったので 観念した。色んな会話や出来事が有ったのだが 今は気持ち悪いのが先行していてそれどころではない。ただ アルコールの抜けてしまった干からびた肉体に熱燗は容赦なく染み込んだ。

H君…お誘い有難う。
また 新年会とでも銘打って呑もうぜ。