合わさって吸収されて恩曾川 名をも取られる不条理耐えて ~ 玉川と合流地点 ~ | 温泉大好き!厚木の住人

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厚木・伊勢原・平塚を中心に古街道を辿り、時には川を遡りながら郷土の歴史を探訪します。

 今年の桜、今が見ごろとなりました。

 散り急ぐ桜の花、来週の今頃はもう葉が目立ち始めているかもしれません。

 (伊勢原市「浄心寺」)

 浅みどり 野辺の霞は包めども こぼれてにおふ 花さくらかな

((早春の野の花の)浅い緑色を春の霞は包むようにして隠してしまうけれど、桜の花は隠されることなく匂いたつように咲き誇っている の意)

 

 桜の花が満開となると、毎年のように「拾遺和歌集」の一首が思い浮かばれます。でも、平安歌人にとっての桜は「ソメイヨシノ」ではありませんけれど。

 

 本題に戻って恩曽川を下る旅。

 同じく厚木市内を流れる「玉川」との合流地点に到達しました。

 ここも毎年桜の花が美しく咲き誇る場所となっています。周囲は住宅地から離れた場所にある倉庫街で、私が訪れる土日に人の姿をみることはまずありません。

 今日も贅沢なことにこの花の景色を独り占めでした。

 左手に見える橋の付近が2つの川の合流地点で、上流方向を写しています。この先の下流、相模川へと流れ込むまでは、「玉川」と名を変えて。

 というより、恩曾川が玉川に吸収合併されるといった方が分かりやすいかもしれません。 

 

 玉川と恩曾川は七沢森林公園から白山へと延びる尾根道が分水界。ということを先月記事にしました。

 一度分かれた水、ここで再び出会うことになるんですね。

 

 ただし、玉川は戦前までは大磯の海が終点でした。氾濫を繰り返す暴れ川だったために人工的に流路が付け替えられたのだとか。

 恩曽川にしてみれば、あとから勝手に合流してきたのに名前まで取られてしまった。企業乗っ取りに遭ってしまったようなものかもしれません(笑)。

 

 ということで。次回は(玉川と名を変えた)恩曾川の最下流を巡ります。