荻野山中藩と殿様道  ~ 甲州道から糟屋道 ~ | 温泉大好き!厚木の住人

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厚木・伊勢原・平塚を中心に古街道を辿り、時には川を遡りながら郷土の歴史を探訪します。

 1ケ月に1度の小田原日帰り温泉に行ってきました。

 帰り道で駅まで辿り着く間に強い雨に叩かれましたが、厚木にたどり着いてみると乾いた路面がお出迎え。それほど離れてはいませんが、天気がこれだけ違うこともあるんですね。

 

 ところで、小田原は11万3千石の城下町。現在の神奈川県域には小田原藩以外に2つの藩がありました。

 その一つが今辿っている「甲州道」沿いに立藩していた

 荻野山中藩。

 一般的には、幕府から1万石以上の所領を与えられた者を大名と規定されるようですが、この藩の石高(つまり収入)は1万3千石。

(↑)荻野山中藩陣屋跡 碑

 先ほどの石碑には「山中城址」と刻まれていましたが、これほどの石高ではお城を建てて維持することは難しいでしょうね。お城の代替として陣屋が置かれていたそうです。

 

 この陣屋跡からさらに南下していくと、興趣を惹かれる石標がありました。

(↑)殿様道

 説明書きによれば、藩主が参勤交代の折に利用した道とのこと。また、藩士達の「登城」の際にも使われていたのだとか。今に直せば「通勤経路」ということでしょうね。

 

 ところで、甲州道に沿うように流れている「荻野川」。殿様道の石標のわずか先に架けられた橋が

(↑)「上使橋」

 幕府から藩主に遣わされた使者(上使)と何か関係があるのでしょうか。説明書きがないだけに、かえって興味がそそられる次第です。

 

 次回も厚木市荻野地区を巡ります。