うまくいかなかったことは、

案外ぽろっと出る。

いやあ今日はだめだった、とか。

ちょっとずれた、とか。

思ったより進まなかった、とか。

そういうことは、

わりと口から出やすい。

なのに、

うまくいったことほど

なぜか人に言わないことがある。

ひとつ終わった。

少し進んだ。

思っていたよりちゃんとできた。


自分の中では、

それなりに「よし」がある。

でも、そこで止まる。

わざわざ言うほどでもない。

言ったら言ったで、何か大げさな気もする。

自分で言うのも変な感じがする。

そうやって、

うまくいったことのほうを静かにしまってしまう。

あれは少し不思議だ。


だめだったことには

反省とか、言い訳とか、笑い話とか、

外に出る理由がある。

うまくいったことには、

案外それがない。

そのまま持っていればいい気もするし、

出した瞬間に少し軽くなる気もするし、

「そんなこと言うんだ」と

自分で自分に照れる感じもある。

だから、

よかったことほど

内ポケットに入れたままになる。


たとえば、

気になっていたことをひとつ終えた日。

今日はこれができた、

と思っている。

ちゃんと手ごたえもある。

なのに誰かに話すとなると、

なぜか少し言いにくい。

「いや、別に大したことじゃないんだけど」

みたいな前置きまでつけたくなる。

そこまで控えめにしなくてもいいのに、

と思う。


たぶん人は、

うまくいかなかったことには慣れていて、

うまくいったことを

そのまま受け取るほうには

少し不慣れなのかもしれない。

喜びすぎない。

調子に乗らない。

大げさにしない。

そういう手加減が、

先に出てくることがある。


その結果、

よかったことほど静かになる。

もったいないなと思う。

誰かに言わなくてもいい。

大きく喜ばなくてもいい。


それでも、

自分の中でくらい

「あ、今日はこれよかったな」

とそのまま置いておいてもいいはずだ。

うまくいった日ほど、

なぜか人に言わない。

その感じの中には、

遠慮もあるし、照れもあるし、

少しだけ自分の喜びを引っ込める癖もあるのかもしれない。

だから今日は、

外に大きく出さなくてもいいから、

自分の中でだけは

ちゃんと「よかった」を置いておきたい。


今日の問い

あなたは、うまくいったことを人に言うほうですか。

それとも、自分の中にしまうほうですか。