やっとひとつ終わった。

気になっていたことをひとつ済ませた。

後回しにしていたものを片づけた。

小さくても、とにかくひとつ動かした。


本当なら、

そこで少しくらい

「よし」と思っていいはずなのに、

気づくともう次を見ている。

これが終わった。

でも、あっちもまだ。

ひとつ済んだ。

でも、全然足りない。

少し進んだ。


でも、本当はここまで行きたかった。

せっかく動いたのに、

その手ごたえがあまり残らない。

たとえば、

気になっていたことを一個終わらせた直後。

少し肩の力が抜けて、

ほんの少しだけ

「これでひとつ終わった」と思いかけた、その次には

もう別の“まだ”が目に入る。

返していないもの。

手をつけていないもの。

決めていないこと。

あとまわしのままのこと。


たった今、

ひとつ終わったはずなのに、

頭の中では

「まだある」のほうが大きい。

あれは、少しせっかちだ。

できたことを受け取る前に、

足りないものを探すのが早い。

前は、それが普通だと思っていた。

止まらないためには、

次を見なきゃいけない。

進むためには、

できたことで満足しすぎちゃいけない。

そんなふうに、

どこかで思っていた気がする。


たしかに、

次を見るのは悪いことじゃない。

足りなさに気づけるのも力だと思う。

ただ、

それが早すぎると、

毎日ずっと

「まだ足りない」の顔になる。

ひとつできた。

それなのに、

その“できた”が

自分の中にほとんど残らない。

それは、ちょっともったいない。


一日の終わりに疲れるのは、

やることが多いからだけじゃなくて、

動いたことを

ちゃんと受け取らないまま次へ行くからかもしれない。

やっと終えた。

ちゃんと済ませた。

少し前に進んだ。

その事実を、

ほんの数秒でもいいから

そのまま置いておけたら、

一日の見え方は少し変わる。


全部終わらなくていい。

完璧じゃなくていい。

ひとつできたなら、

まずはそのひとつを

すぐ背景にしない。

今日に必要なのは、

次の不足を探す速さより、

もう動いたものを見落とさないことなのかもしれない。


今日の問い

ひとつ終わったあと、すぐ次の「まだ」を探していませんか。