前は、

ズレに気づいた時点で、

気持ちまで一緒に崩れやすかった。

あ、違った。

あ、ここ直さないと。

ああ、またか。

それだけで、

内容の修正より先に、

自分の気分の立て直しから始まっていた気がする。


しかも、

こういうときに限って、

頭の中で急に

「最初から全部ダメだったのでは?」

みたいな会議が始まる。

いや、そこまでではない。

たぶん、そこまでではない。

でもその瞬間は、

わりと本気で全部ダメな気がする。


前は、

そこからの戻り方があまり上手じゃなかった。

焦って一気に直そうとする。

勢いで触りすぎる。

別のところまで気になってくる。

結局、どこを直したかったのかまで少し曖昧になる。

小さい修正のはずなのに、

気づけば気持ちのほうが先に散らかっている。

ズレそのものより、

ズレに気づいた後の自分の暴れ方のほうが

大変だったのかもしれない。


最近、

少し変わってきたなと思うのは、

その後の立て直し方だ。

ズレていた。

そこは受け取る。

そのうえで、

そこで全部を崩れた話にしなくなってきた。

ここだけ直せばいいのか。

今、直すものか。

あとで直すものか。

そもそも、本当に直す必要があるのか。

前ほど一気に広げずに、

その場で分けて見られるようになってきた。


この違い、

地味だけどかなり大きい。

気づいた瞬間に全部を背負うと、

余裕はすぐなくなる。

でも、

直すものを直す。

残すものは残す。

今じゃないものは、今じゃないと分けられると、

気持ちまで巻き込みにくい。


たぶん人って、

完璧に仕上げられるかどうかより、

ズレに気づいた後に

どう戻るかのほうに出る。

慌てるのか。

広げるのか。

一回止まるのか。

必要なぶんだけ手を入れるのか。

そこに、

今の癖も、育ってきた部分も、

そのまま出る気がする。

うまくできる日は、もちろんうれしい。

でも、

少しズレた日にどう立て直すかが変わってくると、

前よりずっと楽になる。

ズレに気づいた後の立て直し方が変わってきた。

もしそんな感覚が少しあるなら、

前よりちゃんと、

自分の扱い方が育ってきているのかもしれない。