2026年4月、シカゴは雨降りで冷え込んでいる。

母親とランチの約束があったが、

上着を忘れてきてしまった。



ダウンタウンへと向かうウーバーの自動運転車のなかでネットを検索すると

最近話題の新しいエコフレンドリーなビトガンレザー・ジヤケットを売る店が出てきた。



ビーガンレザーとは幹細胞から育てられた革で、製造工程で牛を一切苦しめない。



スクリーン上で「興味がある」ボタンを押すと

すぐにスマホをポケットにしまい、

ジャケットのことを忘れてしまう。


店のAIがスマホのAIと接続し、

自動的にタクシーの行き先が変わる。



タクシーが止まると、昔懐かしい

「職人の店」に前に立っている。

今でも人間の職人を使っているという意味だ。




入口では選んだビーガンレザーのジャケットを手に

シルビアという女性が出迎えてくれる。

ジャケットを着てみるとサイズはぴったりだが、驚くにはあたらない。

2カ月前にスマホに搭載された改良版Wiiセンサーを使い、

身体の隅々まで採寸したのだから。




今時の靴には重量センサーが標準装備されているので、

体重が変動すればボディマップが自動的にデータを修正する。

店に着するずっと前に、

スマホと店のコツピュータはあなたの体形やサイズを把握していたのだ。



精算の順番を待つ必要もない