まいどっ。

 ちゃみでっす。

 このblogは、蒼辰の構成台本、ちゃみの語りでお送りする[読むラヂオ]です。

 テーマは[暇つぶしのお供]。

 お気軽にお付き合いくださいまし。

 

 ちゃみの上海報告も、その4までやってまいりましたが、まんだまんだ続きますでございますよ。

 プラタナスの下、上海はある。

 そんな言い方があるんだそうです。

 最初はなんのこっちゃ、だったんですけどね。

 三大観光地を離れて、ちょっと裏道に入ると、ほら。

 こんなにきれいな並木道があちこちにあるんですよ。

 なるほど、こっちこそ、上海っ子が思うザ・上海なんだなって、そんなことを感じてしまいます。

 でもって、古い建物を活かすのが上手。

 西洋風の低い塀の間に鉄門があって、そこを入ると、狭い庭の向こうに、明かりを灯したお洒落なお洋服屋さんやネイル屋さんがあったり・・・。

 そんな、うっとりするような場面に、いくらでも出会える街なんですよ。

 なのに蒼辰ったら、ちっとも写真撮ってないんです。

 ちゃみがうっとりしてる間に、どんどこぱしゃぱしゃすればいいのに。

 まぁ~ったく、ぷりぷり。

 なもんで、雰囲気だけお裾分け。

 こちら、上海科学会堂。1917年の竣工だそうです。

 今も、学術会議や科学交流に使われているんだとか。

 こういう、歴史的記念建築みたいなプレートの貼られた建物もあちこちにあるんです。

 でもって、どれもこれも現役。

 そういう、古い建物の活かしかたも、上海の街の雰囲気作りに一役買っていることは間違いありません。

 日本はね、なんでもかんでもスクラップ&ビルトだかんね。

 まぁ、耐震基準の問題とか、かつては木造の建物が多かったこととか、そうそううまくはできない事情はあるんだろうけど、このシックな街並みを歩いていると、東京、まちっとどうにかならんのかい、と、つい思ってしまいます。

 上海って、中国の歴史を学んでいても、その名前、なかなか出てきません。

 それもそのはず。19世紀の半ば、いわゆる西欧列強が黒船に乗ってやってくるまで、小さな地方都市にすぎませんでした。

 けれども、ヨーロッパ人が租界地を持ち、拠点を築くにしたがって、西洋の文明とともにどんどこ開けていった街でした。

 そういう点ではどこか横浜と似ているかも。

 バタ臭いってゆうか、開放的ってゆうか、ど中華、ど中国とは、一味違う街のようです。

 その証拠に、町ゆく観光客にも、中国人の方が多いんですよ。

 内陸の方からやってくるんでしょうか。

 そんなとこからも、上海、特別感のある観光都市だってことがわかります。

 そして1920年代には、上海は、近代工業化とそのための投資の中心地となり、繁栄します。

 その象徴が、外灘のまるっきり西洋な建物の並ぶ眺めです。

 じゃ、プラタナスの並木道には?

 あ~、これまた蒼辰、写真撮り忘れてるんですが、さっきの科学会堂の近くには、中国共産党ゆかりの建物を巡る散歩コースの案内板なんかもありました。

 上海、中国共産党結党の地になるはずだったんです。

 それというのも、結党大会開催の予定が、フランス租界の警察にバレちゃって、参加予定者、各地に逃亡を余儀なくされたんだとか。

 ありゃまぁ。

 けれども、上海が中国共産党初期の活動の場だったことは間違いありません。

 考えてみれば、共産主義もまた、国民国家や民主主義という新思潮とともに、ヨーロッパからやってきた思想でした。

 その思想に、正義感あふれた若者が、自由や平等という、これまた新しい概念とともに傾いていったのも、ある意味、自然な流れだったのかもしれませんね。

 そしてその発祥の地が、新しい文明に向かって開かれた、上海の街だったこともね。

 そういう、進取の気性ってゆうんでしょうか、そういうの、今も上海の街には息づいているようです。

 なんでも、カフェの数で、今や世界一なんだそうです。

 ただこれ、人口比なのか、絶対数なのか、よくわからないんですけどね。

 ただ、街を歩いていて、とりわけきれいな並木道には、カフェ、いくらでおあります。

 でもって、どの店もおしゃれです。

 中には、ヨーロッパのカフェとは、ちょっと違い感じのテラス席を設けたお店なんかもあります。

 あ、そうだ。スタバの世界最大規模のロースタリーも、ここ上海にあります。

 また、フレグランスの街でもあり、オリジナル商品を並べた、小さくてお洒落なお店もた~っくさんあります。

 そんなこんな、最先端の流行を発信し続けている、そういう雰囲気に満ち満ちた街なんですよね、上海って。

 あ、そうそう。

 まいんち中華料理はどうも・・って人も心配ないよ。

 おいしそうなイタメシ屋さんも、お手頃そうなフレンチも、すぐに見つけられるよ。

 それよりもっと、あっちこっちで出会えるのが、それはそれはおいしそうなパン屋さん。

 最新流行っぽいお洒落なお店も、商店街のお手頃感のあるお店も、ショッピングセンターの中のちょっと高級感漂わせたお店も、どれもどこも、おいしそうなパンをいっぱい並べて待ってます。

 あとベーグルもただいま流行中。

 これが国際都市というものかと、東京からやってきたのに、改めて感心してしまいました。

 まぁね、近頃は、東京もソウルも台北もシンガポールも、どこか似たような近代都市になりかかっちゃってるものね。

 今、上海の佇まいは、どことも違う雰囲気を醸し出しています。

 歴史と近過去と現代が、優雅に、シックに、融合した街。

 そんな印象の魅力的な街なのでありました。

 あ~、もっとこんな道を散歩したい。

 けど、この想定外の、いきなりの秋風。

 うっすら寒いったらないのさ。

 蒼辰、しゃあないから、あそこのプラタナスくぐって、真ん前の無印良品でパーカ買お。

 ほれ、裏起毛あるよ。

 てなわけで、本日はここまで。

 次回その5は、郊外に足を伸ばします。

 ほいでわまたっ。

 ちゃみでしたっ。