藤原緋沙子「風よ哭け 橋廻り同心・平七郎控」 第14巻。 | ゴルフ命おじさんのブログ

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藤原緋沙子「風よ哭け 橋廻り同心・平七郎控」 第14巻。

久しぶりの藤原さんの橋廻り同心を読みました。図書館の返却カートに乗っていたものです。

立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕らえた。身元を質すと、父親は八丈島に流されていてひとり暮らしだという。諸色問屋の手代頭だったが、暗闇の中、賊と間違えて主の弟を刺し殺したのだ。平七郎は自分が取り調べた一件だったと驚く。少年の住まいを確保した直後、恩赦の報せが届き、父子の再会を果たしたのも束の間…。

 

時代小説にしては斬った張ったがあまりなく落ち着いて読めました。

橋廻りをしたり出来の悪い定町廻り同心の教育をしたり、平七郎は今回も忙しいです。

表題作を含む2作品が収録。

 

紙人形 吉兵衛が金に困り他人の家に入り金を盗むと、女主人が吉兵衛を刺そうとして裾を踏み倒れて胸を刺し・・・・・

 

風よ哭け 主人の弟殺しの罪をかぶり八丈島遠島になっていた喜久蔵がご赦免で帰ってきたのに、殺されてしまう・・・・・

 

紙人形の娘は5歳、喜久蔵の息子は13歳、ともに厳しい生き方をしなければならなくなりました、少しかわいそうでした。

弱者に寄り添う平七郎の心配りはジーンときました、人情物語でした。