第3104回 昭和三年 済南事件前後のお話。【昭和の伝道師】 | 模型公園のブログ

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第3104回 昭和三年 済南事件前後のお話。

 

 

       2024年2月25日日曜日の投稿です。

 

 

昭和の伝道師【戦中・戦後のパイロットの物語】第2799話

 

 

 

 

 

 

【前話 第3090回の続きより。】

 

 

 昭和三年こと、1928年の12月に私が重巡洋艦 青葉

 

に転勤になった頃、当時の宮城【きゅうじょう】こと、戦後の

 

皇居に、内閣総理大臣 兼 外務大臣であった、田中義一陸軍大将が

 

呼び出されたのです。

 

 

       【田中義一 内閣総理大臣 兼 外務大臣 】

 

 

 天皇陛下の前に参内し、天皇陛下から次のようにお話が

 

当時あったそうです。

 

 

 

 

後の内閣総理大臣 鈴木 貫太郎 侍従武官の生前の証言では、

 

「陸軍大臣も知らぬ、陸軍参謀総長も知らぬ、知らぬ間に、

 

支那大陸に派遣している陸軍部隊が勝手に戦争を開始したり、

 

鉄道を爆破したり、いったいどうなっておるのか。」

 

「指図しておる者の職を解いて、今後、統制を乱さぬように、

 

取り計らうべし。」

 

 

と、こんな内容のお話があり、田中総理大臣は、調査して関係者を

 

厳重に処分しますと言う約束を御上に奏上したとされています。

 

 

 

 

天皇陛下が、陸軍の軍人が、陸軍大臣や、陸軍参謀総長の知らない

 

間に、勝手に戦争を始めてーー云々と言うのは、そう言う出来事が

 

半年程度前に起きていたのです。

 

戦後の日本人には忘れ去られていますが、振り返ってみますと

 

この当時から、日本人の進む道が間違った方向に進んでいたような

 

気がします。

 

 

 

一つ目の事件は、昭和三年こと、1928年6月4日の午前5時過ぎ

 

に発生しました、陸軍の関東軍による張作霖爆殺事件が発生していたのと、

 

この事件の1か月前に、陸軍の部隊が戦争を支那大陸で始めたのです。

 

 

 

「天皇陛下が、知らない間に勝手に物事を行うとはけしからんではないか。」

 

 

と、お言葉があったその通りのことが発生して行ったのです。

 

 

 

 

その事件の事を、昭和三年の済南事件【さいなんじけん】と呼びます。

 

日本の国の外に、日本人を保護する為と称して、陸軍の部隊が

 

 

 

 

派遣されまして、みなさんに見送られて、日本本土を出発し、

 

 

 

 

 

  広島第五師団などが、支那大陸に派遣されて行ったのですが、

 

 現地の指揮官は、相手に飛びかかって行ったのです。

 

 どういう事かと言うと、相手が攻撃する前に、機先を制すと

 

 申し立て、攻撃を開始したのです。

 

 つまり、自衛の範囲を飛び越してしまったのです。

 

 

 

【次回に続く。】