《トリビアNo.98》「年間の開館日数5日間?の博物館」-竹駒神社の馬事博物館- | いっきゅう会がゆく~宮城マスター検定1級合格者のブログ~

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 オープンしている日が極端に少ない博物館が岩沼市にあります。竹駒神社境内にある「竹駒神社馬事博物館」です。馬事博物館は1938年(S13)に建設された馬に関する資料を集めた博物館です。戦前、町村会長だった木村匤氏所有の千点を超える資料が竹駒神社に奉納されたことをきっかけに建てられました。建設面積142㎡のちょっと小さめの木造平屋の建物ですが、和風の外観と洋風の内装がほどよくミックスされた建物です。その趣から2021年(R3)に国の登録有形文化財に指定されています。

  (馬事博物館)
 この博物館が開館している日は竹駒神社の初午大祭中の土曜日、日曜日、そして正月三が日の5日間だけなのです。秋季大祭の土曜日、日曜日に開館していることがありましたが、それでも7日間です。もしかしたら開館日が日本一少ない博物館かもしれません。平日は団体のみ事前予約であれば見学できるそうですが、平日、団体となるとなかなかハードルが高いかもしれません。
 この博物館にある資料には、明治天皇の愛馬「金華山号」の小像、埋木細工や鯨歯細工の馬、各地の馬に関する民芸品、竹駒神社の馬市に関する資料などがありますが、展示品を見るだけでしたら15分もあれば見学できるでしょう。

  (金華山号像)

  (伊達政宗公騎馬像(試作品))
 その中でも注目すべき展示品は何といっても仙台城址にある伊達政宗公騎馬像の石膏像です。彫刻家・小室達(1899~1953)が仙台城址にある騎馬像を制作する前に試作した石膏像で、大きさは仙台城址の騎馬像の4分の3サイズとされています。大きさは違いますが見た感じは仙台城址の騎馬像と同じ姿に見えます。しかし、細かい部分が微妙に違います。どこが違うのかぜひ現地でご確認下さい。
 2022年(R4)3月の福島県沖地震で博物館や石膏像の一部が破損し、正月やお祭りであっても閉じられたままでしたが、2023年(R5)の秋の例大祭において修復後の騎馬像がお披露目されました。
 竹駒神社の春祭「初午大祭」は例年3月下旬。さて今年の初午大祭で馬事博物館はオープンしているでしょうか。開館時間は通常9時から17時まで。まれに開館時間が違う場合もありますので開館日、開館時間をご確認の上、初午大祭と一緒に馬事博物館を楽しみましょう。

 

(執筆 :斗田浜 仁)