《トリビアNo.13》猫で有名な田代島で禁止されていること | いっきゅう会がゆく~宮城マスター検定1級合格者のブログ~

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宮城県石巻市田代島は猫を大事にする島として世界的に有名な島の一つです。島にある通称・猫神様(美与利神社)は飼い猫の供養のため個人が建てた神社で,2009年国土交通省の「島の宝100景」に選出されています。

 島では「犬の出入り禁止」の慣習があり,犬を飼うとその家に関係する船が沈む」といわれていました。猫の敵である犬を排除するためとのがありますが,犬の出入り禁止は猫を大切にする以前から行われており,信憑性に欠けます。

この慣習は島が古くからの葬送地で,島の葬送地と集落を行き来できる犬は死者の一部を集落まで運んでしまう恐れがあったからとの説があります。その説を唱えた民俗学者・柳田国男は随筆「孤猿随筆」の中で「海上に頃合の離れ小島があれば,それをはふり(放り。罪や穢れを放り清めるの意)の場処としたのは自然であって,又現に其実例は幾つかある」と述べています。

 この「犬禁止」の慣習は,江ノ島(女川町),出島(同),網地島(石巻市)でも行われていたことが記録として残っています。全国的にも瀬戸内や九州の島々で犬禁止の島があり,同様に「はふりの島」であった可能性が高いと考えられています。

 美与利神社(石巻市)

 

(執筆:斗田浜 仁)