派遣先の会社のオフィスで、課は違うが、よく皆にお土産のお菓子をくれる社員さんがいる。

先日私はお礼を兼ねてお菓子をその社員さんに渡しに行った。

そしたら、どこに行ったのかの話に始まり、いろいろな旅行先の話になり、

ひとしきり盛り上がったところで、相手の社員さんから、

『蝶が好きで、蝶好きの人に聞いたらほとんどが日本で一番珍しいと答える蝶を撮影しに行った。

また、その蝶の生息域を守るために活動している人がいて、その方にもインタビューして作品にした。

コンテストに出品しようと思っている。

ぴかりさんのようにこういう世界を知らない人に作品を観てもらい、感想を聞きたい。』

ということを言われ、後日DVDを頂いた。

 

その作品を実際に観るまでは、希少な蝶とその蝶を守る人々の苦労が描かれているのかな~?ぐらいに思っていたが、

いざ映像が始まると、とんでもないことが言われていた。

 

その希少な蝶は、これまた希少な植物の花の蜜を吸っているので、限られた山の中に生息している。

その山で林業を営む人々も住んでいた。

1971年、植林の為に合計100トンの枯葉剤を毎年空中散布する計画があったそうだ。

その枯葉剤の成分の一部は、ベトナム戦争で使用された枯葉剤2,4,5-Tも含まれていたそうだ。

この計画が実行される前日に内部通報である地元の方に知らされ、その知らさた方が町民を扇動して、

ヘリポートの座り込みを行ったことで計画は中止された。

後日林野庁から住民説明会が開かれ、

『2,4,5-Tが含まれているが、ごくわずかで、”塩より安全”』

と言われたそうだ。

結局住民の反対が続き(”塩より安全”は地元民を馬鹿にしている!)、散布は見送られた。

しかし使用していた枯葉剤は、現在でもコンクリートで覆って山中に置かれている。

毒性が無くなるのに相当な年月がかかるのだそうだ。

処分が容易に出来ないことこそ、枯葉剤散布の恐ろしさを物語っている。

 

作品の中では、その後も水力発電の為に川の水が少なくなり、蝶が蜜を吸う植物が繁茂しなくなったことを伝えていた。

枯葉剤散布を最初に知らされた方は、散布を止めたのち、広葉樹を植林したりして自然保護活動に尽力されてきた。

その方は、今の現状を嘆いていた。

 

まとめの部分で作者は、

「豊かさのためとはいえ、SDGsに則り、どこまでとするか考えなくてはいけない。」

と言っていた。

 

この作品は、ある一定数の審査員に支持され、入賞したと聞いた。

ある審査員は、

『親が林野庁に勤めていたが、知らなかった。驚いた。』

と言ったそうだ。

 

ちなみに、除草剤と枯葉剤の違いをネットで調べたら、枯葉剤のほうが毒性が強くて影響が長く続くと書いてあった。

枯葉剤が撒かれていたら、湧き水や川に溶けだし、広範囲に長期で影響を及ぼしていただろう。

また、枯葉剤の成分を摂取した動物や植物を人間が摂取することで、高濃度の成分を体に入れていたかもしれない(生物濃縮)。

発がん性や催奇性(ベトちゃんドクちゃんを思い浮かべた。)をもたらすそうだ。

 

現在コンクリートが50年以上経ち、割れて中身が漏れ出す恐れが問題視されているそうだ。

(漏れがあるかの調査は最近やっと始まったと社員さんから教えてもらった。)

 

さらに検索して驚いたのが、枯葉剤を保管している地域が全国の山林にあるそうだ。

 

当時の技術で処分できずやむなくコンクリートで覆って埋めたと書いてあったので、

現在なら処分できるのなら、漏れ出る前に全部回収してちゃんと処分してほしい。

 

DVDを母と観たのだが、母もびっくりしていた。

しかし、母の田舎も川の上流に炭鉱があって、そのせいで川が汚れ、わざわざ炭鉱の上の湧き水を汲みに行っていたらしい。

国が言わなくてもみんなおかしいなとは思っていたそうだ。

 

私もあたりまえに飲んでいる飲み水が気になった。

何十年後も安心かどうかなんてわからないな。と思った。

 

考えさせてくれた作品に会うことができて良かった。