先日両親と飼っていた猫たちの墓参りに行ってきた。

墓参りと言っても飼い猫だけのお墓はなく、お寺の中にある、ペットと実験動物が一緒に祀られているお墓に花を添えに行った。

境内には保護猫がいて、久しぶりに猫に触れることができ、かわいかった。


3匹飼っていたので、それぞれの命日あたりでほぼ毎回お参りしている。

看取る時や看取った後は悲しかったが、今は猫たちとのおもしろエピソードを語り合うことができ、家族の癒しになっている。


手前味噌ならぬ『手前猫』であるが、3匹とも只者(猫)じゃないと思っている。


まずうちは団地住まいだったので、ペットは飼ってはいけなかった。

が、妹が小学6年生の時、妹の同級生(けいこちゃん)と歩いていると、自販機の横からトラ猫の子猫が出てきて、口を最大限開けて、

「ニャー!!」

と鳴いて付いてきたそうだ。

けいこちゃんは可哀想と思って家に連れ帰るが、

ご両親から飼えないと言われ(けいこちゃんも同じ団地)、その猫をうちに持ってきたのだ。

うちの両親は、

「明日は台風だから台風が過ぎるまでうちで預かることにしよう。」

と言った。

そして台風が過ぎると、捨てることも出来ず、父が、

「仕方ない、こっそり飼おう。」

と言って飼うことになった。

チャチャ(♂)と名付けられた。


このシーン、妹がよく繰り返し語るのだが、子猫のチャチャが顔ぐらい口を開けて「ニャーニャー」鳴いてずっと付いてきたそうだ。

普通野良猫は警戒心が強く、初対面で餌付けもしていない人間についてくることはないはずなので、

「飢えてた上に、次の日が台風だと分かっていたので、一か八かで人間について行ったんだ。」

と私達家族は思っている。


2匹目はその翌年で、またけいこちゃんが、

「猫の赤ちゃんが段ボールに入れられて捨てられている。」

と妹に教え、2人で見に行った時に、2匹残っていた内の一匹を持って帰ってきた。

尻尾の短いハチワレで、チャチャより子猫だった。チャチャと一緒に暮らせるか心配だったが、なんとチャチャはハチワレの首をくわえてトイレに連れてってあげた。

ハチワレの名前はマグ(♂)と名付け、マグはチャチャの弟兼弟子のような関係になった。


さらに翌年、団地の踊り場にへその緒がついたままの猫がいたのを母は見つけ、

(可哀想に…)

と思って通り過ぎ、家に帰ってきたそうだ。

すると、

「ピンポーン」

とチャイムが鳴り母が出ると、けいこちゃんが、

「おばちゃん、猫が落ちてた。」

と言って連れてきたのだ😅


動物病院に連れて行って、顔を拭いたらキレイな顔のトラ猫だった。

最初はまたオス猫だと思ったので、名前を虎二郎(トラジロウ)にするつもりだったが、メスと分かったのでチャッピーと名付けた。


3匹は1年違いで我が家にやってきて一緒に暮らすようになった。


チャチャは足と尻尾が長いスラッとした猫に育ったが、食欲が凄く、他の2匹の餌も食べていた。


母は一番下のチャッピー(♀)が満足に食べれてないと心配して、こっそりチャッピー(♀)にだけ餌をあげようとしたが、チャチャは耳をピクッと動かし、音を聞きつけて駆け寄ってくるのであまりうまくいかなかった。


あと、私達人間の足元にまとわりついて、体当りしながら餌場に誘導するので、人の行動を操るメンタリストDaiGoのようで、

『メンタリストチャチャ』

と呼ぶこともあった。


さらに、父が晩酌すると隙だらけだと見抜かれ、テーブルの下から手(前足)を出し、一瞬で刺身などをとっていくので、

「チャチャの前世は面倒見のいいスリだったんだろう。」

と言っていた。


嘘だ〜!と思うが、母はチャチャから

「バカだにゃ〜」

と言われたそうだ。


マグは生まれつき尻尾が短く、背黒腹白で少し太っていたが、見た目の割に鳴き声が高かった。

普段は見た目通り穏やかで、『シャー!!』と威嚇することはない。


マグが唯一と言っていいほど珍しく『ウー!シャー!』と威嚇したのは、野良猫が玄関まで入って来た時だった。

威嚇し続けたおかげでその野良猫は出て行った。

私達は最初威嚇したのはチャチャだと思ったのだが、チャチャは玄関から遠いベッドの下に隠れていて、玄関にいたのはマグだった。


実は1番野性的なのはマグで、家に入ってきたセミを捕まえて食べるのだ。


マグは自分で捕まえた虫をチャッピー(♀)の足元に置いた。

チャッピー(♀)は「ナニコレ?」

という感じでぷいっとその場を離れた。

その時のマグがちょっと可哀想だった。


マグはチャッピー(♀)が好きで、チャッピー(♀)がいることに気づかずトイレのドアが閉められたときなど、マグがドアの前で

「にゃ、にゃ」

と鳴いて教えてくれた。


チャッピー(♀)が亡くなったときも、母のまわりで鳴いたり、ゴミ袋を開けようとしたりと探し回っていた。

そしていっきに元気がなくなっていった。


でもチャッピー(♀)はチャチャが大好きだった。大好きでつきまとい過ぎで、チャチャが禿げた。


チャチャとマグは去勢していたが、チャッピー(♀)

は可哀想と思ってしなかった。

そのせいか発情が激しかった。


チャッピー(♀)のスゴイところは、他の男猫2匹と違って、病院を嫌がらないところである。

調子が悪いと思うと、座っている妹のモモに乗って、

「病院連れてって。」

と言っているように感じるのだ。 

動物病院の待合室でも、ゲージの中にじっとしながら、ワンワン吠えてる犬を睨んでいた。


チャッピー(♀)は亡くなる前もちゃんと病院に行った。

去勢しなかったことで、内臓に腫瘍ができてしまったらしい。先生から、

「安楽死させた方がいい。」

と言われた。母は納得出来ず他の病院に連れて行こうとしたが、その先生から妹に電話が来て、

「お母さんが違う病院に連れてっている。猫ちゃんが苦しむ。」

と言われ、家で点滴して過ごすことになった。


チャッピーは負けん気が強く、からかわれると必ず仕返しをしていた。

妹がよく返り討ちにあっていて、(目の近くを引っかかれた事がある。)ほとんど動けなくても、妹が帰ってくる声がすると、体を起こし、目を光らせていた。


チャッピーが亡くなった時、母と妹は互いに寄り添うように大泣きしていた。


チャッピーが亡くなると、途端にマグが痩せていった。

家の中に重い空気が漂っていた。

そんな中、なんと、チャチャの毛が生えてきたのだ。

チャッピーから解放されてストレスが無くなったのだろう。


マグはチャッピーが亡くなってから半年後に息を引き取った。

亡くなる数日前に、チャチャの前足に頭を乗せて、

「今までありがとう。先にいくね。」

と最後の挨拶をしているような仕草をしていた。


チャチャはチャッピーとマグが亡くなってからさらに2年生きて、21才の大往生だった。

晩年はボケて夜鳴きがうるさかった。

でも、チャチャもマグとチャッピーを探してたのかな?


チャチャが亡くなった翌年に妹が出産した。


妹はたまに息子のことを、

「チャッピーちゃん。」

と言ってしまうことがある。


甥っ子のことを、猫達やご先祖さまが見守ってくれていると、私達家族は信じている。


あと、疎遠になってしまったが、優しいけいこちゃんが元気でやっていることを家族の総意で願っている。