今年の6月は観測史上一番暑かったそうだ。

そのせいか、7月になってようやくセミが鳴き始めた。(今年の6月はセミでも「いきなり暑すぎ!」と感じたのかもしれない。)

 

私はセミが鳴くのを(地上に出てくるのを)待っていた。

甥っ子(仮称:太郎6才)もセミを待っていた。

 

私たちは、母(ばぁば)がセミを採るのを楽しみに待っていたのだ。

 

でもセミがいない時期は、どちらかというと太郎はばぁばを煙たがっている節があった。

 

例えば、太郎がテレビを真ん前で見ていると、

「太郎!!テレビから離れなさい!!」

と突然大声で怒鳴る。言っていることは正しいのだが、いきなり大声を出す。

太郎はテレビから離れ、無言でスイッチ(ゲーム)を始めた。


これは私が車を運転し、母が助手席に座っている時、

「ひゃぁ~!!自転車!!」

と急に変な大声をあげるので、

「ビックリするじゃん!その声のほうが危ないよ!」

と言ったときと似ている気がする。

文字通りうるさいのだ。

 

決定的になったのが、妹と太郎が我が家(実家)に来た時、

寝る時間になっても太郎がスイッチをやめなかったとかで、

母が無理矢理スイッチをぶんどろうとしたら、太郎が母の腹を蹴ってきて、

反動で母は太郎の手を叩き、太郎が大泣きしてしまった。

次に妹と母が(育て方について)言い合いになり、妹が旦那に連絡して、

旦那さんは夜中2時間かけて車で来て、

太郎と妹を乗せてまた2時間かけて運転して帰る。

という出来事があった。

(私は一部始終を自室で黙って寝たふりをして過ごした。)

旦那さんは、

「もう泊りはよしてくれ。」

と言ったそうだ。


その頃に動画が送られてきた。

太郎は家族の似顔絵を描いたそうだ。

5歳児の絵なので、どれが誰か分からなかったが、

太郎は絵を指さし、

「これはぼく、これはパパ、これはママ、これはぴかりちゃん、これはじぃじ。」

と言っていた(ように聞こえた)。

ばぁばの存在が無かった(ように私には聞こえた)。

が、母は「これはパパ」のところを「ばぁば」

と言っていると主張したが、

(それはないだろうな)

と思った。


と、太郎とばぁばに隙間風が吹く中、

母の孫への愛情というか執着は衰えず、

しょっちゅう太郎と妹に会いに行っていた。

(その頃は妹も母がしょっちゅう来るのを煙たがっていた。)


去年の8月、母と私が妹の家に行った時、太郎を連れて3人で近所の公園に行った。

セミの大合唱で、木の低いところにもセミがいた。

太郎は、

「クマゼミを捕まえたい!」

と探す割には、触れなかった。

私も触れない。


母はセミの頭を「ヨシヨシ」と言って撫でるほど(!?)、

セミが好きで、太郎に、

「帽子を貸して!」

と言って、その帽子を使ってセミを2匹同時に捕まえた!


母は包んだ帽子に手を入れてセミを取り出し、

両手の親指でセミの頭をそれぞれ押さえて

太郎の前に見せた。


見せられた太郎は驚いて後ずさったが、私が、

「太郎!触ってごらん!!」

と何度も言ったら、(私は触らないが)

指先でちょんちょんと触ってすぐ後ずさり、

「セミはオスだけ鳴くんだよ。」

とうんちくを披露した。

確かに片方のセミしか鳴かないので、

どうやら母は交尾中のセミを捕まえたようだ。


「かわいそうだから逃がすよ。」

と言って、母は両手を挙げた。

ブォーと羽音をさせながら、

2匹は空に飛んでいった。

母がカッコよく見えた。

きっと太郎もばぁばを見る目が変わっただろう。


その日以降、太郎は

「セミを採りに行こう!」

と言ってママを誘うが、

2人とも触る事が出来ない。

パパは余裕だが、仕事が忙しいのでなかなか一緒に遊べない。


とセミ2匹同時捕獲以降、満足な蝉取りが出来ずに季節が移ってしまった。


今年の5月頃、私と太郎が公園で遊んでいると、

「まだ穴が無いね。」

と太郎が言った。

「穴?」

と返すと、

「セミが出てくる穴!」

と言って、

「セミはばぁばだから!」

とハッキリ言っていた。


やっと今年のセミが出てきたので、

満を持してのばぁば登場となりそうだ😁