進撃の巨人   #70   偽り者





☆前のお話は → 「第60話~第69話 あらすじまとめ」

★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」

★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」

★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」

『今回4年前にサシャに助けられた女の子が登場します。その時のお話のリンクを下に貼っておきます。記事の方も2017年4月で約4年前のものです』

進撃の巨人2-27-26

「2期 第27話 ただいま」



「ガビ、おい、どうしたんだ。おい、しっかりしろ」
「どうした? 何があった?」
「急に苦しみ出して...」



「おい、嬢ちゃん。大丈夫か?...」



「ガビ、やり過ぎだ...」
ガビがこれで頭を何度も殴りつけ看守死亡。



「ここから逃げてどうするってんだよ」



「あのままだと殺されるでしょ」



「あの人は、お前を心配してたぞ」
「悪魔を信じてどうするの。もうジークも信じられない。もう誰も...」



お目覚め (*'▽')



「悪い夢でも見たか。すべて夢ならよかったのにな」
「ガビとファルコの声が聞こえた。ふたりはどこだ」



「かなり遠くまで逃げたな。夜通し走ったんだから...なあ、その腕章外せよ。目立つから」
「これを見られたって普通の住民に意味はわからないでしょう」
「軍人が見ればわかるだろう。いいから外せって」
「こんな辺鄙な田舎に軍人は歩いてないから」
「ずっと着けてたらいつか見つかるだろ。マーレに帰る手がかりも何もないのに」



「帰れるわけない。私はただ捕まって死ぬまでにジークを見つけて問いただしたいだけ。私たちマーレを裏切ったのか。何でそんなことをしたのか。あんたは好きにすればいい。別について来なくていいから」



「ああそうかい。好きにさせてもらうよ...じゃあこれ捨てといてやるから...」



「返せ」
「何でだよ。こんなもんが、ここで何の役に立つってんだよ」
「私は善良なエルディア人なの。それがないと島の悪魔と同じになるでしょう」
「何言ってんだお前。おかしくなっちまったのか」
「じゃあ、ほっといてよ」



「何でついてきたの? あんたまで死ぬことないのに...」
カヤ : 「何してるの? こんな朝早くに...君たちどこから来たの?」



「言いたくないです。私たち家が嫌で...やっと逃げてこれて...だからもう、戻れないんです」



「そう。お腹空いたでしょ。近くに私の家があるからついて来て」





「ちょっとここで待ってて」



「あの馬は逃走に使える」
「何言ってんだよ」
「もっと遠くに逃げないと、ここも直に捜索される。それに私は悪魔と一緒に食事なんてできない」
「お前なあ」
「お待たせ。入って来て」
「はい。今行きます...俺が全部話すから余計なこと言うなよ」



「君たちか家出したんは。どうしたこつかい?」
(南方マーレの訛り?...)



「はじめまして。僕たちはきょうだいでベンとミアです。訳あって親元から逃げて来ました。僕たちにできることがあれば何でもします。だから数日だけここに泊めてください。お願いします」



アルトゥル・ブラウス (サシャの父)「そげん子供が頭を下げるもんやない。ブラウス厩舎へよう来たね。何日でもおったらいいって。そしたら、はよ朝めし食わんと」





リサ・ブラウス (サシャの母)「疲れてるやろ。それ食べたら横になっていいけんね」



ガビ、頭に置いた手を凄い形相で払いのける。



「リサ。この子...」
「ごめんね。辛いことがあったんやろうね」



「妹がすみません。いただきます...うまい。おいしいなあ...ホントにおいしい...ほら、ミアも食えって」



ガビ、震えながらやっと食べる。



「この度のマーレ遠征作戦成功おめでとうございます。ヒィズル国首脳もエルディア国の勇敢さをたたえる声に溢れております」
「お褒めに預かり光栄にございます。世界一危険な島へようこそ」
「ええ。今回の我々の目的はその危険をこそ目にすることにありますから」



「すると、あちらが例の観測機でしょうか」
「はい。氷爆石を燃料に用いて実現した世界初の飛行艇となるでしょう。しかと地鳴らしの力、見定めさせていただきます」



「イェーガー氏が幽閉され義勇兵が一斉に拘束されたとの噂がありますが、その真相は?」



フレーゲル・リーブス :「なあハンジさん。説明してくれ。シガンシナ区から全住民強制退去命令だって? 区の再建にリーブス商会を斡旋したのは兵団だろ」
「憲兵にあたってくれ」



ピュレ :「ハンジさん。イェーガー氏がもたらした勝利により我々の未来は開かれた。エルディア人に生きる未来はあるのだと。そうであれば、兵団とイェーガー氏との関係は我々エルディア国民の問題です」



ロイ : 「ハンジさん。あなたは情報は納税者に委ねられると仰っていましたが、その姿勢に変化があったのですか?」
「状況が変わったんだよ。壁が開かれ世界と繋がり、情報の持つ意味が変わったんだ」



「辛い立場なのはわかるよ。ハンジさん。だから目を見て言ってくれ。信じていいって」



「すべてはエルディア国民、みんなのためだ」



「エレンの情報を渡したのは君たちか。ホルガー、ヴィム、ルイーゼ。新兵の君たちとフロック」



「何でこんなことを?」
「エレンを解放すべきだからです」



「彼は何も間違ったことをしていない。途方もなく巨大な敵に立ち向かい勝利を手に入れた。その勝利とは地鳴らしという圧倒的な力であり我々の生存権です。エレンは我々、新生エルディア帝国国民全員の命を救いました」
「その地鳴らしが期待通りに機能して我々を救う保証は何もないんだよ。言ってしまえば人から聞いた話にすぎない」
「エレンを牢に閉じ込めているままだからでしょう。このまま無為に時間を消費する余裕が我々にあるのでしょうか。このままでは先の大勝利が無駄に終わります。この国を導くのはエレン・イェーガーです。今すぐ彼を解放してください」



「うん。君が正しいのかもしれないね。形はどうであれ私はジークの作戦を完遂するとの決断を下した。すべては私の責任だ...だからこれ以上勝手なまねは許されない。君たちはエレンの情報を外に漏らした罪で裁かれる。この4人を懲罰房へ」
「壁中人類の勝利のためなら本望です」



サネスの言葉を思い出すハンジ。
『こういう役にはたぶん順番がある。役を降りても誰かがすぐに代わりを演じ始める。頑張れよ、ハンジ...』



「...疲れた...いや、まだ調べることがある...」



ルイーゼ : 「ここはミカサさんの入ったことのある房ですか?」
「え? 違うけど」
「そうですか。残念です。あ、でも、兵規違反は後悔していません。勝利が調査兵団の目的なら規則を守ることが必ずしも絶対というわけではありませんよね」



「やめなさい、ルイーゼ。刑期が延びるだけだから」



「私はあなたに命を救われたあの日から、あの時のままです。巨人を人の力でねじ伏せたあなたを見てわかったのです。力がなければ何も守れないと。私たちは理不尽な暴力と戦っていいのだと学んだのです」



「あの日から少しでもあなたに近づきたくて私は...ミカサさんが調査兵団に入った理由は何ですか。イェーガーさんのためなら彼の自由を...」



「私から言えることはひとつ。口を閉じてなさい」







頭痛...そして強盗に襲われた幼い日のシーンが...



『もう大丈夫だ...ミカサ』





「10か月前、トロスト区鉄道開通祝いでの祝賀会、君の監視係は急遽代役となった。フロック・ホルスター。宴もたけなわとなったあたりで君を近くの宿泊地まで送った彼じゃが、現在、情報漏洩罪で拘留されておる。またこの宿泊地はエレン・イェーガーの住処と数十キロの位置にあった」



「どうもこの時期を境にエレンは単独行動を取るようになるのでな。何にせよ美女と会話できる口実ができて何よりじゃ」



馬屋の掃除をするガビとファルコ。



ガビ、馬に頭をアムっとされ、滑って転んで桶を被るw



「何でこんなことに。これが悪魔の仕業...」
「いや、馬の仕業だと思うぞ」



「お前を乗せて逃げる馬なんていないだろうな」
「馬術の訓練なんてなかったし...こんな田舎にいても何の情報も得られない」
「下手に動くよりここに根付いたほうがいいと思う」
「何言ってんの」
「ここで大人しく助けを待つんだよ。直に世界中の軍隊がこの島に攻めて来るだろう。きっと兄貴やライナーさんたちが助けに来る」
「ジークが憎くないの? 裏切者があんなに近くにいたんだよ」
「俺たちにできることは、ねえよ」



「何、ミアって。なんであんたの妹なの」
「どっちでもいいだろ」
「ふたりとも、お昼にしよう」



「仕事覚えるのが早いね。体力もあるし」
「そんな。ありがとうございます。しかしカヤさんもですけど、ここで働いてる人はみんな若いんですね」
「うん。ここにいる人は孤児だからね」
「そうだったんですか...」
「女王の方針で行き場のない子供には支援があるから。ここは4年前に親を失っている子供たちの集まりなの」



「罪を受け入れてないようですね。この島の民が世界に対して残虐非道の限りを尽くした歴史をお忘れですか。エルディア人ひとりひとりが罪の自覚を正しく持つことでようやく贖罪への道が開かれるのですよ」
「それは、みんなが親を亡くしたことと関係あるの?」
「当然です。いくら善人のようにふるまおうとも逃れられる罪の重さではありません」



「マーレではそう教えられてるの...」
「お前お世話になってる身で何言ってんだよ」
「これは普遍的な歴史の話だから...」
「...今、何て言いました?」



「君たちはマーレから来たんでしょ」
「どうして?」
「どうしても何も自分で叫んでいたじゃない」
「えっ、あ、じゃ最初からか。ええっ最初からですか。恥ずかしいなあもう。なんで言ってくれないんですか...」



ガビ、カヤに襲い掛かろうとしてファルコに止められる。



「何してんだ。お前は」



「悪魔が正体を現した。おかしいと思ったんだ。島の悪魔がこんな親切なはずない」
「おい、バカかお前」



「おーい。お前ら何暴れてんだ」
「ミアがお兄ちゃん取られるってヤキモチ焼いてるのー」



「なんだ、カヤのやつ、仲よくしてんじゃん。少しは明るくなってるし」
「まったく。危ないから、その道具で遊ぶなよ」
「はい」
「どうして...」



「ここ、私が住んでた村。4年前ここにも巨人が一体現れたの。その巨人を見て村の人はみんな逃げた。足の悪いお母さんを置き去りにして。私はどうすることもできなくて座ってた...」



「ただここから、あそこでお母さんが食べられる音を聞いてた。お母さんはずっと生きたまま食べられてた。次第に声も上げられなくなった。声が出なくなるまで叫んだからだと思う」



「壁の外には人類がいて私たちを悪魔の民族だって言ってるんでしょ。でも、なんでそんなに恨まれているのかよくわからないの。ミア、ベン、教えて。お母さんはいったい何をしたの? 何をしたからこんなに恨まれているの?」



「何千年も世界中の人々を虐殺したからでしょ」
「何千年?」



「そんなことも忘れていたなんて。エルディア人は何千年もの間、巨人の力で世界を支配し蹂躙してきたの。他の民族の文化を奪って望まれない子を産ませて、数えきれないほど人を殺してきたの。被害者ぶるのはやめて」



「でもお母さんはこのへんで生まれ育ったから、そんなひどいことはしてないと思う」
「だから100年前、あなたたちの先祖が犯した罪の大きさが問題なの」
「100年前って...じゃあ今生きている私たちはいったい何の罪を犯しているの?」
「ついこの間だって私の町を蹂躙した...」
「私のお母さんが殺されたのは4年前だからその罪じゃない」
「だから、先祖が世界中の人を虐殺したから...」



「お母さんは誰も殺してない。ねえミア、ちゃんと答えて。なんでお母さんがあんなに苦しんで殺されたのか。何か理由があるんでしょ。そうじゃなきゃ、おかしいよ。なんでお母さんは生きたまま体を食べられたの? ねえ、何のために殺されたの? ねえ、何で...」



「威力偵察です。4年前のパラディ島侵攻の目的は大攻勢を見据えての威力偵察でした。カヤさんのお母さんはそれに巻き込まれたんです」



「お母さんには何の罪もありません...ごめんなさい...」



「軍の情報を敵国に漏らして...それで何で謝るの?」
「ありがとう、ベン。教えてくれて。でも、ベンが謝るのはおかしいよ。マーレに生まれただけなのに」



「それで...カヤさんはその状況から、どうやって助かったんですか?」
「今の私より少し年上くらいのお姉ちゃんが、薪割り用の斧を持って入って来て巨人相手に戦ったの」
「そんな、無茶だ...」





「結局お姉ちゃんは自分を盾にして巨人から私を逃がしてくれた」



「お姉ちゃんが生きてたら、行くあてのないあなたたちを決して見捨てたりはしない。私にそうしてくれたように...今度マーレの人が働いているレストランに招かれているの。そこにあなたたちを連れて行けばマーレに帰る方法が見つかるかもしれない...」
「どうして...」
「私は、お姉ちゃんみたいな人になりたいの」



「獣の巨人の死骸を調べた結果、爆破され粉々になったジークの体が部分的に見つかった」



「だが足りない。見つかる部位はどれも両腕、両足のものだ。我々を欺くために自らを亡き者と装ったのだ」



「ジークはパラディ島、敵勢力と手を組み、飛行船で逃げおおせたと見ている」



「この対人型に改良された立体機動装置にはマーレの技術が取り入れられている。逃走用に奪われた飛行船も訓練を積んだ軍人でないとできない高度な飛行技術を見せた。おそらくは4年前のパラディ島調査船に同志を忍ばせたのだ。エルディア復権派の同志をな」



「クソ。ずっと一緒に戦っていたのに裏切者だったなんて...」
「当然このままで済ますつもりはない。今から半年以内にパラディ島に世界連合軍による掃討作戦を行う」
「半年ですか。ファルコとガビの救出も半年後でしょうか?」
「あのふたりは最も優秀な戦士候補生です。失えばマーレにとっても大きな痛手になるかと」



「次の戦士候補生の育成にも相当な時間がかかりますしね」



「だがマーレの力だけでパラディ島を攻めても以前のように返り討ちに会うだけだ。世界連合軍の集結を待つ」



「ジークもそう考えるでしょう。大打撃を受けたマーレ軍はすぐさま攻勢に転じることはないと。そして半年後に潰されるのを策もなしにただ待っている人でもない。世界連合軍を待ってはいられません。今すぐにパラディ島を奇襲すべきです」


★次回 「導く者」

  進撃の巨人   #69   正論






☆前のお話は → 「第60話~第68話 あらすじまとめ」

★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」

★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」

★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」



((   )) → たがめの独り言です('◇')ゞ

「戦え。戦え」
「何してるの? 鏡に向かって話しかけてたの? 戦え、戦えって」
「ねえ。戦え、戦えって言ってたんだよね。何と戦うの? 戦え、戦えって2回言ったってことは二回戦があるのかな」
「黙っていちゃわからないよ。普通はそんなひとりで喋ったりはしないと思うんだ。私は鏡に映る自分に話しかけたりしたことがないからさ...その髪型、カッコいいと思うよ私は。ちょっと乱れてる感じなんか、頑張って無造作に見えるような努力が...」



「何しに来たんですか」
「何って話しに来たんだよ。初めて会った時なんて一晩中、巨人について語り明かしたじゃないか」



「私の一方的な話を君は聞いてくれた。私は確信していた」



「君はヒストリアを犠牲にすることはないって...」



【2年前】



「エレン。1年前、君に船ごと担ぎ上げられて以来ですね。これからよろしくお願いします」



「いいや。今後もお前らの接触はない。顔を見せたのは最大限の譲歩だ」
((リヴァイ兵長。ちっさw))



「それで十分です。今日はめでたい日になる。港が完成して、初めて外国の要人を迎えるのだから」



「パラディ島唯一の友好国。ヒィズル国。その特使、キヨミ・アズマビト」



「この家紋に見覚えはございませんか」



「これは...」
「見せるんだ。ミカサ」
「でも、これはお母さんが秘密にしてろって...」
「子供の頃、俺には見せただろ。その秘密はきっとこの日のためだ。さあ...」



ミカサ、手首の包帯を外す。
「この印は死んだ母の一族から受け継いできたものです。私も自分の子に託すように言われました」
((おお、てか包帯してたの知らなかった。刺青じゃなくてアニメじゃ布に刺繍になってたけどしらっと原作通りに戻ったなw))



「ああ。なんて健気なことでしょう」



「およそ100年以上前、アズマビト家の御祖にあたる我が将軍家子息はフリッツ王家と懇意にしており、このパラディ島に逗留しておられたのです」



「そして巨人回戦後、ヒィズル国は敗戦国として立場を追われ、その混乱の最中、将軍家の忘れ形見はこの島に取り残されたのです。あなたは我々が失った一国の主の末裔...ヒィズル国の希望です」



「そもそも国ってのがまだよくわからんな...」
「とにかく、ヒィズルが利用できるなら何でもするんだ」
「これが罠だったら...」
「やはりイェレナたちの意見を聞くしかな...」
「いや、それこそやつらの思うつぼだろう」



「ひとつ確かなことがある。我々は海でつながる世界においてヨチヨチ歩きを始めた赤ん坊にすぎない。今は黙って耳を貸すのみとしよう」



「ねえ、その印なんでエレンだけに見せたの? だって手首の包帯、誰にも見せなかったじゃない」
「これは...その...」
「なんか嬉しそうだな」
「嬉しいんだよ。私たちは生まれのことで重い荷物を背負う者どうしなんでしょ。ミカサが一緒なら、こんなに頼もしい人いないよ」



「本日は両国にとって歴史的な日です。この日を迎えられたのは私たちを引き合わせてくれたジーク・イェーガーの存在が不可欠でした。私どもは彼と密会しミカサ様への取次を条件にある取り計らいに賛同しましたことを報告させていただきます」



「まずは、こちらをご覧ください...あれ、ご存知でしたか。マーレの機密案件でしたが」



「この立体機動装置はパラディ島で開発された巨人を殺す兵器です。私が個人的に調達したものですのでご安心を。こちらを差し上げます。しかし、この兵器を動かすには、ある特殊な燃料が必要です」
((これってミケさんの...(;_;))



「それを彼らは氷爆石と呼んでいます。いまだパラディ島以外では採掘されたことがない未知の地下資源です。その兵器の中にも痕跡が残っているでしょう」



「ジーク・イェーガーは、自分の計画に協力するなら、傾いた国家が大国に返り咲くほどの産業を手にするでしょうと提案してきたのです。まだ埋蔵量も調査したわけではございませんのにねえ。ですがそれが事実なら、この近代化の時代において金銀財宝に等しい資源が眠っておられるのです」



(私はダシに使われただけでは...)



(アズマビトは金の匂いに鋭いから交渉はうまくいくってイェレナが言ってた...)



(やはり儲け話もなしに、この島に来る危険は冒せんというわけじゃな)



「それで、ジーク・イェーガーとの取り計らいとは、いったい何でしょうか」



「ご存知のとおりジーク・イェーガーは秘策があると主張し、それにはヒィズルの介入が不可欠だとしています。こちらは地鳴らしでこの島を守るために必要な3つの過程です。まずひとつめは地鳴らしの実験的活用。その力の一部を公開し世界に破壊力を見せつけるのです。ふたつめがヒィズルの介入。地鳴らしが必要なくなるまでこの島の軍事力を世界の水準並みに底上げすることが目的です」



「そしてその期間における始祖および王家の血を引く巨人両者の継続的な維持」



「これが3つめの過程。ジークは獣の巨人を王家の血を引く者へと継承。その者は13年の任期を終えるまで可能な限り子を増やすこと」



(他の兵器が発達しても地鳴らしは強力な兵器だ。手放すことができなければ、何世代にもわたり検証は繰り返されていく...)



(今私たちが助かるためなら、こんな解決不可能な問題を未来の子孫たちに残していいのか? いいわけがない。しかし...)



「わかりました。私は獣の巨人の継承を受け入れます。地鳴らしが我々の存続に不可欠である以上...」





「壁を破壊し蹂躙されたあげく家畜みてえに子供を産まされ殺されて、やっと生きることが許されるっていうのなら、俺はジーク・イェーガーの計画は到底受け入れられません。地鳴らしの維持に我々の命運を委ねるのは危険です。残された時間の限りあらゆる選択を模索するのが我々の取るべき最善策ではないでしょうか」



「君と焦燥感を共にしたつもりだった。でも君がなぜ単独行動に出てこの島を危機に追い込んだのかがわからない。もうヒストリアはどうなっても良かったのかい」
「俺は戦鎚の巨人を食いました。この巨人の能力は地面から自在に硬質化を操り武器でも何でも生み出せるわけです」



「つまり、どれだけ深く硬い地下に俺を幽閉しても無駄だってことです。俺はいつでも好きな時にここを出られる。当然、始祖を持つ俺を殺すこともできない。いくら脅したところでジークを殺すわけにはいかない。つまり、ハンジさん。あんたに何ができるっていうんですか」



「教えてくださいよ。ハンジさん。他のやり方があったら...」



「教えてくださいよ」



「エレンのエッチ。今だに反抗期かよ、バカ。若者」



「エルヴィン。あんたの唯一の失策だ。なんで私なんか団長にしたんだよ」





「中に入ろう。ヒストリア」



「もっと、体をいたわらないと」
((あら、お腹でかい。そして目が死んでる。ライナーが見たら悲しむだろうに...))





「やっぱり俺たちの提議通りジークは島に着くなり巨人にしたヒストリア女王に食わせるべきだったんだ」
「それがまさか、ガキをおこしらえあそばされるとはな。所詮は下賤の身にすぎない名ばかりの女王様ってことだ」
ナイル:「おい。やめろ。女王には相手を選ぶ権利がある。誰の息もかかっていない相手であることは調査済みだろう」



「同じ地で生まれた青年だ。幼少期は女王に石を投げつけていたらしい。かまってほしかったようだ」



「孤児院を手伝っていたのも罪悪感からだと。何年も顔を伏せたまま下働きを務める彼に気づいたのは...」



「女王の方からだった」



「馴れ初めなんてどうでもいい。本題は女王がなぜ今、身勝手な行為に及んだのかだ」
「誰かが助言したんだ。妊娠しちまえば巨人にされずに済むと」
「イェレナに違いない。あの女は一番イカレていて頭がキレる危険なやつだからな。女王が妊娠してジークは命拾いしたんだぞ」
「おい。飲みすぎだ。ローグ」
「今ならまだ間に合う。身重だろうと巨人にしちまえば...」



「お腹の子は死ぬだろうな。何より女王の身に何かあればおしまいだ。ただでさえ出産は命の危険が伴うというのに...」
「その正論でこの国は滅ぶかもな」



「おい。もう1本持ってこい。マーレ人」
「かしこまりました」



「おすすめは、こいつだろ」
((うっ、ニコロ怪しい...))



「なあ、これは、俺たちが、やらなきゃいけないこと。なのか?」
「いいや。やらなくていいことだ。あのバカがあんなことを言い出さなければな...これなら体も鍛えられるし島の開発も進むって...」



「確かに今はヒィズルからの回答を待つしかないからな」
「ああ。ヒィズルを介して世界との対話を図るんだ...それで地鳴らしに頼らずヒストリアが辛い目に遭わなくて済むんなら藁にでもすがるしか...」
((ミカサが運んでるのってレール? それ鉄じゃないの? 凄すぎぃ(@_@)))



「いやあ、この暑い中、ご苦労様だよ」
「いえ、俺たちは、このバカの護衛でしかたなく...」



「お前ら。図体ばかりデカくなりやがって」



「ヒィズルの件でしたか」
「たった今、アズマビトから返事が来た...ダメだった。ヒィズル国は取り付く島もないようだ。やはりヒィズルはパラディ島の資源を独占取引したいのだから他国との貿易に協力などしない」



「そして、世界はパラディ島が災いのタネであり続けることを望んている。それが国々の団結を促し世界の安定を担保するからだ」
「じゃあ、俺たちは地鳴らしに頼るしかなくて、ヒストリアの犠牲は避けられないってことですか」
「そうなる」
「そんな。こちらの意図も量らず勝手に悪魔だって決めつけて...どうしてみんなが平和になる道を考えられないんだ...」



「それは、わからないからだと思う。私たちが何者か、わからないから恐れている」
「そうだ。顔の見えない相手なんかを信用するわけにはいかないからね」



「だから会いに行こう。わかないものがあれば理解しに行けばいい。それが調査兵団だろ」



「マーレに拠点を設けて潜入か」
「ハンジさん、そんなこと考えてたんですね。そこで本場のマーレ料理に舌鼓を」
「えー俺、何持って行こう。腹を下したら大変だよな」
「胃薬と歯ブラシと故郷の味を何か...」
「ハンジさんの話、聞いてた?」



「僕たちが平和を望んでいることを世界が知れば、何かが変わるかもしれない」



「もう少し時間があればな。俺の寿命は5年とあと少ししかねえ。そろそろ決めなきゃいけない」



「俺の巨人の継承者を」



「私が引き継ぐ」



「お前じゃダメだろ。アッカーマン家が何なのかまだわかってねえんだ。何よりヒィズルといろいろやってこうってやつが巨人になってどうする。お前じゃダメな理由は多すぎるんだよ」
「じゃあ他に誰が?」
「俺だ。まず俺はエレンよりはるかに頭がいい。とち狂って死に急ぐようなこともなく、いついかなる状況でも優れた判断力を発揮できる稀有な存在。それが俺だ。お前のお下がりは気に入らねえが実際、俺以上の人材がいるか?」



「そんな、すげぇやつを13年で、みすみす死なすわけにいかないだろ。アホか。お前は兵団の指導者とか目指せよ。エレンの巨人は俺が継ぐから。なあ、それがいいだろ。エレン」



「よくないですよ。あなたはバカなんですよ」
「え?」
「え?じゃなくて、バカにそんな重要なこと任せられるわけないじゃないですか。はあ...よだきいなぁもぉ...私が継ぎますよ。実戦経験もあって信頼できるのも私たちくらいなら、消去法で私しかいないじゃないですか...せれれんよ。せれれんじゃけどね」
((サシャの訛りは大分県の日田弁だそうで、よだきいは「めんどくさい」せれれんは「したくない」みたいな意味らしいです))



「いや、それはおかしいだろ...」
「え?」
「いや、だから、バカには任せらせないって、お前が言ったんだろ? お前は俺よりもバカなんだから...お前、言ってることが矛盾してるんだぞ」
「え?」



「俺はお前らに継承させるつもりはない」
「何でだ」
「お前らが大事だからだ。他の誰よりも...だから、長生きしてほしい」



「はあ? てめえ、何、赤くなってんだ。どうすんだよ。この空気をよー」
「すまん...」



「ジャン。夕日のせいだよ。みんな赤くなってるからさ」
「そうか。夕日なら仕方ねえよな...」



「義勇兵の拘束か。まさかピクシス司令がそんな強行策に出るとはな...」
「調査兵団は彼らと距離が近いから、事前に知らされなかったらしい」
「そうせざるを得ないだろうな。ジークの思惑が確定していない以上、俺たちは危険な状態にあるんだ。そして突然ジークの計画に乗ったエレン。ジークと接触して何を話したのか...真相は本人たちにしかわからない」



「なあ、お前らにはあれがエレンに見えたか。俺は違うと思う。あいつはエレンじゃない。もしあいつが俺たちじゃなく腹違いの兄貴のほうに付くことがあるなら...俺たちは、やつを切る覚悟をしておく必要がある」



「そんなこと、させない」
「お前もそっちに付くのかよ。ミカサ」
「そんなことには、ならないと思う。エレンは誰よりも私たちを思っている。みんなもわかっているはず。だから私たち以外の外部に対して攻撃的になったのかもしれない。きっとその思いが強すぎたから...」



「それは違うぞ。かつてのあいつは、いくらお前が強くても前線から遠ざけようとするやつだった。だがアルミンに軍港を破壊させ、お前を戦場に呼んだ。あいつが大事だと言った俺もコニーもサシャもだ」
「それは私たちが信頼されてるから...実際、私たちが行かなければ何もできなかった」



「サシャが死ぬこともなかっただろうな。ミカサ、サシャが死んだ時エレンはどうしたと思う。涙を流したと思うか。悔しがったと思うか」
「コニー、よせ」
「笑いやがった。いったい何がそんなにおかしかったんだろうな。サシャが死んだことのどこが...説明してくれよミカサ。何でエレンは笑ったのか...エレンのことは何でもわかるんだろ。なあ」



「エレンと話そう。僕とミカサと3人だけで。エレンの真意を確かめるんだ」
「話し合ってどうする。もしジークと同じ目的だったら」
「巨人化の薬を入手した兵団は選択肢がある。信頼できる他の誰かを巨人にしてエレンの始祖を継承する選択だ」





★次回 「偽り者」
☆庭の福寿草の花が咲きました (*'▽')ノ

【福寿草】
フクジュソウ
キンポウゲ科の多年草
花言葉 「幸福」
1月1日の誕生花


【開花日 2021年2月7日】



☆2/7撮影
ここ数年、開花日が早くなっていて、節分あたりかなあと思って、1月末あたりからチェックしておりました。この冬は気温は低い日が多い感じ。でも雪は少なくて蕾が見えていたけど、2/2の節分の後、3日連続で雪。積雪量は少なくてほうきでササっと掃けて昼には消えている程度だったけど蕾は硬いままでした。2/6と2/7は暖かくなって気温が10℃くらいまで上がり、2/7の昼に見たら、一輪だけ咲いていました。



☆2/12撮影
一輪だけじゃ寂しいのでもう少し花が咲いてから写真を撮ってアップしようと思ったら、また寒くなって開花が進まなくなって遅くなっちゃいました。ずっと一輪だけ咲いていたけど、2/12にちょうど旧正月のお祝いみたいに一気に咲きました。



☆2/12撮影
毎年2月といえば遅い正月休みの時期で、旧正月をなるべく避けて南の島へ行っていたのですが、今年は久しぶりにどこにも行かない2月になりました。でもまあ、今年も福寿草の写真が撮れたし旅行はまたそのうち行けるようになるだろうからいいかな。



☆2/13撮影
気温15℃超え。もうこのまま春になってくれてもいいんだけどな~

【庭の福寿草の開花日】
2010年 2月15日
2011年 2月21日 (旅行中、推定)
2012年 2月24日
2013年 2月27日
2014年 3月09日 (2月に記録的な大雪)
2015年 2月12日
2016年 2月06日
2017年 2月01日
2018年 2月04日
2019年 2月03日
2020年 2月02日
2021年 2月07日


☆オマケ
福寿草じゃない写真もひとつ



☆2/13撮影。『オオイヌノフグリ』
ポカポカあったかい日で、福寿草も花盛り。オオイヌノフグリも咲き始めていました。昨年はこの花の写真を節分の日に撮ってアップしていて「2月にこの花の写真を撮ったのは初めてかも...」とか言ってたっけ。今年も昨年ほどじゃないけど早かったみたいです。

★追記
こんな感じでのんびり暖かな週末を過ごしていましたが、2/13夜の地震はビックリでした。10年前ほどではなかったけど、かなり揺れました。幸い停電や断水などもなく家族全員無事で、家の被害もほとんどなく物が少し落ちたくらいでした。まだ余震はあるし天気も大荒れだったりで油断はできないので注意して過ごしたいと思いますが、とりあえず無事の報告をしておきます。ご心配いただいた方々、ありがとうございます。皆さまもどうぞお気をつけてお過ごしくださいませ。

DSCF8663 福寿草

  進撃の巨人   #68   義勇兵





☆前のお話は → 「第60話~第67話 あらすじまとめ」

★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」

★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」

★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」



アルミン:「君は、こんなことを聞かされても困ると思うけど、聞いてほしいんだ。3年前のあの時。あの時ならまだ、何かを変えられたかもしれない...」



【3年前】
「隊長。先遣隊が上陸して2時間、音沙汰なしです」
「第2、第3調査隊に準備を急がせろ」



「戦士隊を打ち負かし世界を脅かす悪魔の島。何としてでも、その実態をマーレに持ち帰るのだ」



悪魔(巨人)が現れ船ごと担いで運ばれる。



「マーレのみなさん、こんにちは。パラディ島へようこそ~私はハンジ。はるばる海を渡っていらしたお客様をお迎えする者ですぅ。ああ、どうぞこちらでお茶でも楽しんでいってください。ちなみに、お一足お先にお越しのお連れ様のお客様とは、すでに仲よしで~す。だよねニコロく~ん」
(後ろでリヴァイが刃物を突き付けている)



「隊長。私にかまわずこの悪魔どもを撃ってください」
「な、何を言いだすんだ。ニコロくん」
「お前の三文芝居につき合う気はないってよ」
「よく聞け悪魔ども。マーレは穢れた血に貸す耳など持ち合わせていない。穢れた連中と豚の小便をすするような真似はしない」
「はあ? いいのかな。そんな悪口言って。後ろの巨人が見えないのかなあ」



(ホイ。後ろの巨人)



「悪魔の力などに屈するものか。これがマーレの挨拶だ」
と言って撃とうとした隊長が撃ち殺される。



「何の真似だ。イェレナ」
イェレナ:「武器を捨てるんだ」



「お前ら...」
オニャンコポン:「言うとおりに」



「ハンジさん。お招きいただき光栄です。お茶...しましょう」
(そして巨人を見て)
「会いたかったよ...エレン」



コニー:「あのデカい女、仲間を撃ち殺しやがったぞ。いったい何が目的なんだ」
ジャン:「さあな。敵であれ味方であれ、信用できねえのは確かだ」
ミカサ:「サシャ、寝ないで」



アルミン:「でも、話し合うことができて情報が手に入るなんて、とてつもない幸運だよ」
 エレン:「ああ、本当に運がよかった。敵の上陸を阻止できたのは偶然だ。マーレが本腰を入れれば、こんなもんじゃ済まねえ。なんとかしねえと」



「なるほど。こうやって何発も撃てるわけか」
「それらがマーレ兵の基本装備です。マーレ兵は一師団あたり約2万人で構成され総員50師団。約100万人になります」



「それら陸軍に加え21隻の戦艦から成る3つの艦隊を有し、その他、新兵器の進歩も目覚しく、航空戦力にも力を注いでいます」



「コウクウ...?」
「チッ。ビビッてんじゃねえよ。なめられるだろうが」
「要するに海や壁を越え敵が空から現れる移動兵器のことです」



「ええっ、空から来るの?...そんだけの力を持ったマーレ様が少なくとも1年間、まともに攻めて来なかった理由って...何?」
「主に理由はふたつ...」



\(゜ロ\)(/ロ゜)/ (踊ってるしw)
「ひとつは島に放った無垢の巨人が最新鋭の兵器をもってしても、いまだ上陸困難な障害であること。マーレがエルディア人を壁の中に幽閉するための政策でしたが逆に進軍からエルディアを守る存在となっていたのです...しかし、もうすぐ夜が明ける。巨人が活動する頃、ですよね。今、我々が壁の外でのんびりお茶できるということは、島の巨人をすべて殺してしまった...ということでしょうか」
「だったらどうする。何とかしてマーレに伝えるか」
「いや。素晴らしい。期待以上だ」



「ふたつめの理由は?」
「現在マーレは複数の国と戦争状態にありパラディ島どころではないというわけです。あなた方はマーレが誇る戦士隊を打ち負かし、さらに超大型巨人や女型の巨人といった主力兵器を奪った。マーレは敵の多い国ですので諸外国は瞬く間に団結し戦争の火ぶたが切られたのです」
「するとあなた方はマーレに恨みを持つ亡国の民でありマーレ軍に潜入する諜報員のようなものなのかな...やっぱりマーレに背くからには、それなりの動機と後ろ盾がないとね」
「諜報などと呼べるような代物ではありません。マーレに故郷を奪われ兵士として徴用された我々は、とても非力で、あの大国にあらがう気概は失われつつありました。彼に導かれるまでは...」



「マーレや世界の人々が悪魔と呼んで恐れる巨人。私にはまったく別のものに見えた」



「神です。無力な私たちに希望を見せてくれました。私たちはジーク・イェーガーの命を受け上官を撃った、反マーレ義勇兵です」



「その目的は全エルディア人の解放」



「ジーク・イェーガーの要求は以上です。すべては生存が危ぶまれるエルディア人の救済を目的...」
「論外だ。そんなバカな話に乗るものか...」
「相手は獣の巨人だぞ。ラガコ村の村民を巨人に変え壁内を恐怖に陥れ調査兵団を壊滅寸前まで殺戮した張本人がそうぬかしたのか」



「やつらの目的は終始一貫して始祖の巨人の奪還。力ずくがダメなら口八丁手八丁つくせと言わんばかりだな」



「それは敵さんも承知のはず。まずは団長殿の話を聞こうではないか」



「ジークいわくエルディア人の問題を一気に解決する秘策があると。その秘策を行う条件として必要なものが、始祖の巨人と王家の血を引く巨人。ふたつが揃えば世界は救われる。ただしその秘策を明かせるのは条件が揃ってからだと」
「聞くに堪えん。ずいぶんと低く見積もられたものだな...」



「それは本当です。思い出したんです。俺が一度だけ始祖の巨人の力を発動させることができたのは、王家の血を引く巨人と接触した瞬間でした」



「その巨人は父の妻であった、ダイナ・フリッツに違いありません。ダイナの息子であるジークは解明したのでしょう。不戦の契りを出し抜く術を。我々エルディア人に残された唯一の希望を。壁に潜む幾千万もの巨人で世界を踏み潰す『地鳴らし』の発動条件を」



「お前。どうして今までそんなことを黙っていやがった」
「ヒストリアの身を案じたからです。俺の不確かな情報で巨人にさせるわけにはいかないと思っていました」



「軽率な判断であったことを認めます」
「あとでじっくり聞こう」
「しかし、それが本当だとするとジークの秘策にも筋が通る」



「正気か連中を信用する気か」
「そうだ。敵兵を大勢島にとめておけば何があるか知れないぞ」
「全員縛り首にすべきだ」



「いえ、そうもいきません。マーレの調査船からこの島を守るためには、義勇兵の力が必要なのです。彼女らの無線通信がなければ...」



「...こちら第二次調査船団」
「よかった...船が座礁して...」



「ずっと助けを待ってた」
「すぐに向かう...安心しろ。二隻の調査船で向かっている」



「おーい。無事か。もう大丈夫だぞ」



「超大型巨人...どうして...」
「あれは敵だ。急げ、飛び込め。逃げろ」



「穢れた悪魔の汚らわしい島へようこそ」



「もてなしてやるよ。豚の小便でよろしければな。断ってもいいが上陸許可は下りない。悪いが泳いで帰ってくれ」



「あの頃は楽しかった。確かに僕たちエルディア人は世界から恐れられ憎まれている。まだ顔も知らない海の向こうにいる人たちから」



「でも海の向こうにいる人たちは、敵だけじゃなかった」



「そして世界はずっと複雑で、知らないことだらけだった」



サシャ:「ところで、オニャンポコンは何で肌が黒いのですか?」



「俺たちを創ったやつはこう考えた。いろんなやつがいたほうが面白いってな」



「君たちユミルの民も同じさ。俺たちは求められたから存在する」
「誰が僕らを創ったの?」
「始祖ユミルに力を与えた存在。神だよ」



「そう考えるやつもいる。考えるだけなら自由だろ」



「何だよ、この料理」
「これ食えんのか」
「生臭そう」



「海の幸は初めてですか。ニコロはマーレ料理の達人なんですよ」



「...嫌なら食うなよエルディア人。お前らなんかに食わせて...」



「ああ、うまい...」



「ニコロさん。あなたは天才ですぅ...こんなの初めてで...」
「汚ねえ食い方しやがって...まだまだあるから、ゆっくり食え」



( *´艸`)



「もうすぐ港が完成するんだ。マーレの工兵の力を借りたら凄く早く進むようになってさ」
「よく協力してくれたね」
「そりゃ最初はお互い疑心暗鬼でうまくいかなかったよ」



「でも、時間をかけて、肩書を抜きにして、人同士向き合えば、きっとわかり合える」



「アルミン。ベルトルトの記憶は何か見たか」
「いや、役に立ちそうなものは何も」
「時間がねぇぞ。ジークの寿命はあと3年も無ぇ」



「そのことなんだけど、このままイェレナたちを作戦どおりに進めていいのかな」
「何か問題が?」
「本当に地鳴らしで世界を脅すことでしかエルディア人を守る術はないのかなって。それじゃ本当に世界を恐怖に陥れる悪魔だ」



「そうなる前に話し合えないのかな。マーレや世界中の人と話し合って誤解を解けば...」
「誤解? 誤解って何のことだよ」
「だから僕たちは怖くないって...」



「世界から見れば俺たちは巨人に化ける怪物だ。そこに誤解はないだろ」
「でも、なかよくなれたマーレ人もいる」
「何人だ? ほとんどのマーレ人は収容所の壁を睨みつけてるんだろ」
「時間をかければ...」
「そう、時間が必要だ」
「そうだ。時間を稼ぐためには手出しできねえようにしてやるんだ」



そして、サシャが...
「本当に僕たちは正しかったのかな。もしかしたら別の道があったんじゃないかって、そればかり考えてしまう...僕は誰よりもエレンを理解しているつもりだった。ミカサよりも。でも、もうわからない」







「おい。お前マーレ人だろ。ここに何しに来やがった。マーレに殺されたエルディア人の墓地に...」
「待ってください。こいつは俺たちで何とかしますんで...すみません。ここは...」
「マーレ人なんか近づけるんじゃねえよ」



「おい、ニコロ。大丈夫か」
「クソっ、何でだよ。ホントにサシャは死んだのか...何で...お前ら何やってたんだよ」



(お墓の文字。逆さにするとカタカナで「サシャ ブラウス」それと下は「ゴチソウトネムル エイエンノ」かな?) *記事の最後にオマケ逆さ画像追加

「飛行船に乗り込んできた子供に撃たれたって、そんなバカな話があるかよ...」
「ただの女の子じゃない。訓練されていた」



「戦士候補生か...」
「俺の油断があった。すまない」
「何で俺に謝る。俺はただ飯を用意していただけだ」



「あいつに美味いもんいっぱい食わせてくれてありがとな。ニコロ」
「お前はどうなんだよ。コニー」
「俺とサシャは双子みてえなもんだった。自分が半分なくなっちまったみてえだ」



「娘が世話になったようやね」



「あの...俺は捕虜のマーレ人ですが料理人として就労許可を持っています。娘さんは俺の料理を誰よりもうまそうに食べてくれました」



「だから...もしよかったら...俺の料理を食べに来てください」



「もちろん、タダなんやろ」
「はい」





「戦勝と報じたわけか。恐ろしいね、何も知らないってのは」
「お前を殺して死体をマーレに送りつける。陰謀が明るみに出る。祖父祖母の命はないだろうな。だが、お前の言う秘策とやらが本物なら切り刻むのを少し待ってもいい。俺はどちらでもかまわない」
「寛大なお言葉に感謝いたします。だが、俺をエレンと会わせるのが先だろ」
「そう急ぐな。お前に最上級のホテルを用意したんだ。まずはそこで、ゆっくり休んでいただこう」
「なあ。睨むのやめてくれないか」



「マーレから奪ってきた巨人化の薬は、これですべてです」



「しかし、複製は困難でしょう」
「いや、これだけあれば十分であろう。本当に何と感謝を申し上げればよいことか。諸君らには借りしかない。無知な我々を希望へと導いてくれた。諸君らの有志を疑うことは悪魔の所業に等しくあろう」
「この3年間。エルディア人の友人であることを証明してきたつもりでしたが、残念です。私たちが持ち込んだこの銃は、エルディア人に自由をもたらす銃なのに」



「虫のいい話ですまんが、我々の弱さにしばしの間だけ目をつぶってくれぬか。ジークに枷をかけぬわけにはいかんのだ」
「かまいませんよ。ピクシス司令。すぐにまた我々と食卓を囲む日が来ますから」



「俺のホテル、これ?」



「何か不満でもあるのか。巨大樹の森だ。これ以上お前にふさわしい宿はねえよ」
「立体機動でたくさん遊べそうだしな。なあ、リヴァイ兵長。ガビとファルコにもこの雄大な自然を見せてやりたいんだが」
「チッ。ガキが雄大な自然を拝めるかどうかは、お前次第だ」





「エレンはひとりでも、やるつもりだった。エレンに協力しても見放しても最悪の選択になっただろう。とにかく大勢の人間を殺した。戦艦も軍人も民間人もすべてを巻き込んで、突然すべてを奪った。でも、あの軍港が健在だったら、すぐさまマーレ軍はこの島に報復攻撃しただろう」



「和睦の道は断たれた。けど、やるしかなかった。あの日の君たちのように...」



「ねえ、アニ。何か答えてよ」



「勝てなきゃ死ぬ。勝てば生きる」



「戦わなければ勝てない。戦え。戦え...」

【オマケ】サシャのお墓



★次回 「正論」

  進撃の巨人   #67   凶弾





☆前のお話は → 「第60話~第66話 あらすじまとめ」

★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」

★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」

★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」





「ライナー (*'▽')」





一撃でダウン (/_;)



とりあえず顎は守った。



こちらも余力なし。



「エレン」
「さすがに打ち止めだ。力はもう残ってねえ。ライナーは...今は殺せやしないだろう」
「じゃあ帰ろう。私たちの家に」
「ライナー。またな」



「下の敵から飛行船を守れ。弾薬はすべて敵にくれてやれ」



「やつら...退いて行くぞ。助かった...のか?」
「逃げる...」



「エレン・イェーガァァァーー 逃がさない。必ず殺す!」



ミカサに連れられエレン飛行船に到着。



アルミンがお出迎え。







「なんて汚ねえなりだ。クソ溜に落ちたらしいな。エレン」
「兵長...」
いきなりリヴァイの蹴りが炸裂。庇おうとするミカサをアルミンが止める。
「懐かしいな、エレン。相変わらずお前は蹴りやすい」



「拘束する。話はそれからだ」



「かまいませんが、すべては手紙に記したとおりです。ご理解いただけたはずでは?」



「チッ。その面。地下街で腐るほど見てきたクソ野郎のそれだ。まさか、お前が...喜べ。すべてお前らの思いどおりだ」



「逃がすな。ひとりでも多く撃ち落せ」



「急いで乗り込め...」
「ジャン。お前も行け。しんがりは俺がやる」
「任せましたよ。ロボフ師団長」
「俺は新兵だと言っただろ。もう駐屯兵は必要ねえ。高給取りの老いぼれもな」



「点呼は?」
「前方のライマ班がまだだ」
「現状は把握した限り死者6名です」
「そうか...クソッ」



「敵に与えた損害と比べてみろよ。大勝利だ。我ら新生エルディア帝国の初陣は大勝利だぞ!...さあ喜べ。それが6人の英霊への弔いだ」



「初陣か。いったいいつまでやりゃあ終わるんだ。あと何人殺せば...」
「とりあえず、俺たちはまた生き残った。他の仲間には悪いけど、やっぱりお前らは特別だよ。俺は」
「...バーカ。鉄のかたまり着て抱きつくんじゃねえよ」



「なんだとジャン」
「バカは生えたての髭を整えたりするような...つまりお前のことだ。バーカ」
「はあ?」
「そうですよ。髭なんか育てても食べられないのに」
「はあ?」
「とりあえず、ご飯はまだですか」
「島に着くまで我慢しろ」
「使えませんね。この指揮官は」



「ガビ。待て...もう、やめよう。敵は飛んでいるのに走ったって無駄だ。もうわかってるだろう」



「ゾフィアは...ゾフィアは飛んできた瓦礫に上半身を潰された。すぐ隣に座ってたのに。ウドはそんなゾフィアを助けようとして逃げまどう人々に踏みつけられた。何度も何度も頭が割れるまで踏み続けられた。門兵のふたりのおじさんは私を叱った。私が広場に行こうとしたから。エルディア人の私に危ないからやめろって必死に。そしたら屋上の女に撃たれて死んだ」



「私はこの収容区で生まれたエルディア人だから、塀の外を歩けば唾を吐かれるし惨めな思いも散々してきたけど、だからこそ私が頑張って、エルディア人はいい人だと世界に証明したかったし、いつか、このエルディア人の腕章を誇れる時が来ると信じていたから頑張ってこれたのに...すべて壊された。こんな収容区でも私の大切な人たちのいる私の家だから、それを踏みにじられることは許せないの。それでもあんたは私に走るなって言うの? 目の前でジークさんが殺されて何もできないまま、なんでこんなことをされたのかわからないまま...」



「なぜだ、ライナー。なんで母さんは、あの日、巨人に食われた?」



「踏みにじられたからだ。敵もマーレの戦士から攻撃されて大勢殺されたから...その報復で...」
「あんたは、それを見たの?」
「いいや、見てない」
「私も見てない...そもそも敵は世界の平和を脅かす島の悪魔でしょ。ちゃんと習ったでしょ。やつらは今も昔も殺されて当然の残虐な悪魔。私たちとは違う」





「ライナー。お前と同じだよ。海の外も壁の中も同じなんだ」



「...これで全員乗ったな。操縦室に伝えろ。上昇して離脱だ...」
最後に乗り込もうとしていたロボフをガビが撃つ。
「当たった...まだ、つながってる」



「ガビ。何するつもりだ」
「この引き金だ。強く押せば...」
「ガビ。お前まさか乗り込む気じゃ」
「島の悪魔を皆殺しにする」
「お前が殺されるだけだ。バカ」



「お父さんと、お母さんと、ライナーや、みんなに伝えて。私は最後まで戦ったって。今は勝てなくても、みんなが私の思いを継いでくれるでしょう」



「ファルコ、ガビ。何やってんだ。お前ら」
「兄さん...」



「じゃあね。ファルコ。あんたは、いいやつだったよ」



「お前がガビを救い出すんだ。この真っ暗な俺たちの未来から...」





「ファルコ。なんで?」
「鎧の巨人を継承するのは俺だ」



「何か音がしましたよ」
「おい、静かにしろ」
「そういや、ロボフさんまだか?」
「いや、もう上ってくるはずだが」











「サシャ...」







「...サシャ。島まで耐えろ」
「...肉...」



「ジャン。こいつら、ロボフさんの立体機動装置で飛び乗ってきやがった。外に投げる。それでいいな」
「子どもを空から投げ捨てれば、この殺し合いが終わるのかよ」



「ブラウンとグライスはどうした」
「それが、急に走り出したきり戻ってこないんです」
「隊長。思い出しました。戦士隊を誘導し私とガリアードを穴に落としたマーレ兵です」



「そのマーレ兵を見たのは、3年前、ライナーら戦士隊撤退以降、パラディ島へ向かった最初の調査船団のメンバーでした」
(となり、オニャンコポン?)
「行方不明の調査船か」
「はい。何より、あの顎髭は似合ってなかった」



「おい。いつまでそれをつけてるつもりだ」
「え? 評判よかったんですけどね」



「さわるな、悪魔。私たちは負けてない。ジーク戦士長が残した意志は同胞が引き継ぐ...お前を呪い殺すのは真のエルディア人だ。私を殺したあと首謀者に伝えろ」
「今から合わせてやる。そいつに同じこと、言ってやれよ」





(マガト「なぜ、そのマーレ兵だとわかった」)
(ピーク「それは、私が個人的に興味がある人物だったからです。彼女はジークの信奉者でしたから」)





「ガビ。ファルコ。なぜここにいる?」



「なぜって、ジークさんがなぜ?...」
「生きていたんだね。でも、こいつらに捕まっていたなんて」
「このガキは何だ」



「ロボフさんを殺し立体機動で乗り込んできました。そしてこの子にサシャが撃たれて...もう、助かりそうにありません」



「あとは頼んだよ。オニャンコポン」
「了解です。ハンジさん」
「それで。すべては計画どおりってわけですか。ジーク・イェーガー」



「大筋はよかったが、誤算は多々あった」



「ジークさん...」
「えっ、何、この子たち」
「誤算だ」
「イェレナ。顎と車力はお前が拘束するんじゃなかったのかよ。仲間がよけいに死んだんだぞ」
「すみません。確かにふたりは穴に落としたんですが。私の失態です」



「その余波で獣が予定より多めに石礫を俺たちにくれてやったわけか。道化にしては大した即興劇だった。なあ、髭面」
「そう睨むなよリヴァイ。小便ちびったらどうしてくれるんだ。お前こそ大した役者じゃないか。俺を殺したくてしょうがなかっただろうにな」
「俺は一番くいてえ物を最後まで取っておくタイプだ。よおく味わって食いてえからな」



「マーレ軍幹部を殺し主力艦隊と軍港を壊滅させた。これで時間は稼げたはずです」
「世界がパラディ島に総攻撃をかけてくるまでの時間かい? 私たちは君が敵に捕まる度に命がけで君を取り返した。どれだけ仲間が死のうとね。それをわかっておいて自らを人質に強硬策をとるとは...」



「お望みどおりこちらは選択の余地なしだよ。君は我々を信頼し、我々は君への信頼を失った」



「だが、こうして始祖の巨人と王家の血を引く巨人が揃った。すべての尊い犠牲がエルディアに自由をもたらし、必ず報われる」



「サシャが...死んだ」



エレン「コニー。サシャは最期、何か言ったか?」
コニー「肉...って言ってた...」
ジャン「エレン。お前が調査兵団を巻き込んだからサシャは死んだんだぞ...」



「上官の食糧庫からお肉とってきました~ヘヘヘ」



「大丈夫ですよ。土地を奪還すればまた、牛も羊も増えますから」


★次回 『義勇兵』