はじめての方、ようこそ。再来、応援してくださっている方にありがとうございます。ハクジュと申します。

集団ストーカー被害記録と、趣味のファンタジーといろんなジャンル書いてます。ご興味のある方はこちら。

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前回までの独裁者様へ……じゃない、読者様へ。(入力間違い)
フォントの色がころころ変わってすみません。見やすくなるように努力してるのですが……自分の記事って客観視するの、難しいのです。

前回までのあらすじ。
僕の兄弟にして縁切りの神、朱雀はカルロス国王の妹、マレーネ姫を助けた。二人は結婚した。


登場人物。
※睡蓮……縁結びの神。朱雀の兄弟。
※朱雀……縁切りの神。人間に攻撃されても怒らない、心優しい神様。
※カルロス……朱雀に妹のマレーネを助けてもらった。神に向かってバズーカーをぶっぱなすマズい人。
※マレーネ……悪縁で苦しんでいたが、朱雀の力で救われた。


【朱雀とカルロス4ーエピローグー】

朱雀はカルロスの破壊した城をすぐ再建し、マレーネと新婚生活をはじめた。僕や彼は和服だけど、彼女はドレスのまま華を添えているらしい。朱雀はたまに夫婦で彼女の実家に顔を出した。僕は好奇心で後から様子を見に行ったことがある。

お昼時で、最初にカルロスが迎えてくれた。
「ようこそ、睡蓮。今ちょうど美味しい黒毛和牛が焼けたのだ。一緒に食べて行ってくれ」
「ありがとう、カルロス」
「朱雀も呼ばなければ。彼は多分客室にいる」
僕はカルロスについて行った。カルロスは客室を訪れたが、朱雀は不在だった。
「わかった、中庭だ」
カルロスは言ったがそこにもいなかった。
「わかった、厨房につまみ食いに行ったのだ。お腹がすいて我慢出来なかったのだな」
そこにもいなかった。カルロスが首を傾げた時、朱雀は厨房外から花を持ったマレーネと一緒に屋内に入って来た。外には小規模な庭が見える。

「おお、いたいた朱雀」カルロスはやおら拳銃を出して嬉しそうに朱雀の頭を吹っ飛ばした。「黒毛和牛が焼けたのだ。一緒に食べよう」
死なないからいいってもんじゃない。妹と他の使用人に当てない自信があるからいいってもんでもない。案の定、朱雀は頭にタンコブを作って口を尖らせた。彼が片手の指をぱちんと鳴らした。

カルロスの頭にブリキのたらい、次にブリキのテディベアが降ってきて直撃した。続いて朱雀の横に立っていたマレーネの上には黒毛和牛。

一瞬厨房が静まりかえる。彼女は和牛の下敷きになってしばらくうつぶせにぴくぴくしていた。当然花なんかどっかに行ってる。

和牛飼い慣らされてて、すごい可愛い。多分メス。いやそんなことより、朱雀が右に左にオロオロしてる。想定外の事態だったらしい。いーからナンかしゃべれ。

彼女は和牛をどけて、たいぎそうに立ち上がった。朱雀を睨む。彼はさーっと青くなった。彼がじりっ、じりっと後ずさると、彼女がつかつかと詰め寄る。

彼はきびすをかえし、そそくさと厨房を出て廊下を歩きはじめた。僕と彼女が後を追う。彼がダッシュ。彼女もダッシュ。

朱雀は窓に面した廊下にさしかかり、飾ってあった切り花に手を触れた。花は花瓶を割ってたちまち床に根をはり、ひとりでに開いた窓から頭を出して太陽を求めてぐんぐん育った。

彼がはしごになった蔓草の上に飛び乗って、城の五階を脱出した。彼女が負けじとはしごをわたる。彼は振り返って肝を冷やしたようだ。人間だと危ない。

彼は彼女の所までとって返し、どさくさに紛れて彼女をお姫様だっこ。止まらないでマラソンを始めた。マレーネはまんざらでもなさそうだけど、ここでにやけまいとむっつりを貫き通している。

蔓草のはしごは自重で落ちそうになると、地上から柱になる花や木が伸びてきて互いに支え合った。太陽はきらきらと眩しく、青い空はぬけるよう。朱雀は伸び続けるはしごの上で延々とマラソン。止まったら彼女に弁明しないといけないと思っているみたいだ。

はしごの終わりで花が群生している。彼はその中にぴょんと飛び込んだ。花と蔓草がいいあんばいに彼らを包んで愛の巣を造った。朱雀、ごまかすつもり満々のようだが、多分そうは問屋が下ろしてくれないよ。
(終わり)


【後書き】

エピローグは懲りすぎて第二エピソード化してしまいました。超短編は楽でいいです。朱雀、最後まで台詞もらえませんでした。私は彼みたいのも好きです。

カルロスは愛すべきバカに書いたつもりですが、なんかエピローグで危ない人になってしまいました。やってる事が神への冒涜とおっしゃる方もいるかもしれませんが、私はそんな悪い人には思えません。

私は神、天使、悪魔書きますが、珍しがる人間は書いても、驚く人間はあまり書いていません。超常の存在を、近所から来た異国人とか、会えたらラッキーの人気アイドルとして扱っています。

お読みくださった方々にありがとうごさいました。



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