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前回までのあらすじ。
葉月は朝成達から暴力を受け、赤ちゃんポストを利用した。一方、朝成のグループではロットという青年が仲間に入った。

詳しくご覧になる方はこちら。
すみません、5月6日夜に1-1大幅加筆しました。読んでいただけましたら幸いです。


[わたん坊の友達1-3]

紗奈は仕事帰りの孝一に大事な話を持ちかけたが、町中で苛立つことになった。
「だから、子供ができたの」
「何だって」
「子供! 認知して」
「フザけるな」
「あなたの子です!」
「嘘だ。そんな誰の子かもわからない」
若い二人は破局した。彼女が路頭に迷うことになる。自宅に帰る途中、コンビニの駐車場で泣いてる時だった。
「おねえさん」
紗奈が気がつくと目の前に青年が立っていた。細くしなやかな、見事な容姿をしている。薄暗い時刻で一部の車が照明を付けていた。彼がそれを背中にすると、後光がさしているように見えた。
「その子ね、産んでいいよ。育てるの、あなたじゃないから」
「誰」


葉月は歩道橋の上から階下を見下ろして考え事をしていた。重力が下から呼んでる気がする。それもまあいい。彼女が風の中に飛んで行こうとした時だ。

誰かが後ろから彼女ををがっちりつかんだ。彼女は振り向いた。いつか雨の中、彼女を助けてくれた青年が立っていた。

彼が無言で手を放したので彼女は向かい合う形になった。レインコートのない彼は眩しかった。端正な顔立ちは俳優と言うより、神話の中の登場人物のようだ。好奇心にきらめく瞳はフクロウの子供を思わせた。出会った時と同じ夕方ーー

葉月は彼を見つめ、唇をわななかせた。
「あなた誰」
魂が叫ぶが、この感情をどうしていいかわからない。涙は安全な人間が流すもの。

途端にごうと風が吹いた。辺りから人気がなくなり、町は一瞬にしてゴーストタウン化した。湿度が高く生暖かい風は、いつのまにかデジタル音。らせんに忍び寄る嵐のビート。彼の背中から巨大な翼が広がった。
「おれ、人間の男じゃないんだ。乱暴しないから安心して」

葉月は甘美な麻酔を打たれたかのように身動きが取れなくなった。危険を感じるのに、暴力を受ける気がしない。
「悪魔」
彼は甘やかな唇で微笑した。
「そうだ。名はロットバルト」
(続く)



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