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前回までのあらすじ
二十代の葉月は同世代の朝成達に暴力を振るわれ、赤ちゃんポストを利用した。

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[わたん坊の友達1-2]

葉月が妊娠したことは周囲の人間が知っていたので、子供が消えると葉月に問いただす者が現れた。彼女は返事を誤魔化していたが、殺人容疑をかけられそうになったので、身内にだけ赤ちゃんポストのことを話した。そこから噂は一気に拡がった。彼女は町で陰口を叩かれ、生きた心地のしない生活をおくることになった。

朝成は職場で同僚が見ない顔を連れて来たと思った。
「恭一、そいつは?」
「今日入った新人、緒形ロット」
ロットは朝成にぺこんと頭を下げた。
「よろしくお願いします」
「ロット? ハーフか」
朝成が問い返すと、ロットは苦笑いした。
「いいえ、両親が変わり者で」
「そりゃ苦労したな」
朝成は軽くロットの地雷を踏んでしまったことに気がついた。恭一が続いた。
「大丈夫、この身長と顔なら名前負けしてないさ。元気出せ」
内輪でロットを励ます会になった。しばらくしたあと、恭一が朝成に説明した。
「ロットは最初、おれの手伝いなんだ」
「そうか」
「それで話のわかる奴でさ」
恭一は朝成に耳打ちしてきた。
「仲間に入れてくれって言ってるんだよ」
「何の」
「ほら、便器のーー」
「ああ、なるほど」
朝成は合点した。
「上手くやろうぜ、ロット」
「はい、先輩」
二人は握手を交わした。

終業時間の後、朝成達は仲間同士で飲み屋に集まった。
「おい朝成、葉月の奴、赤ちゃんポスト使ったって」
彼らは彼女が自分達に不利な動きをしないか、四六時中監視し、情報を交換しあっていた。
「最低女だな」
「子供には何の罪もないのに」
「可哀想じゃないか」
「女が子供を愛さないなんて」
「おれ絶対葉月を許さない」
「なあ、ロット」
「何ですか、朝成先輩」
ロットは年上にかまわれやすく、嬉しそうににこにこしていた。
「お前、そんな色の目してたっけ」
「僕日本人です」
朝成は説明に困った。
「いやそうなんだけど、一瞬黄色だったみたいな、何だかフクロウの目みたいなーー」
「貧血の時って視界が黄色くなったりしますよ。先輩、疲れてませんか」
「ああ、そうかな」
ロットが優しく返して来たので、朝成は自分の目をゴシゴシ擦った。
(続く)







[仲間作ろう]

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