くやしかったはじめてのイラストの仕事 | 祖母、南タカ子<下杉正子

祖母、南タカ子<下杉正子

思い出と、今と、これからと。


知人の紹介で、ある雑誌のカットのイラストのお仕事をいただいた。

事務所は恵比寿の高層マンションだった。

毎月イラストを届けに行っていた。

ある日、イラストを渡して「じゃよろしく!」と、玄関先で言われた時に先月私が、描いたイラストの原画が床に落ちていてそれを踏んで歩いていたのを見てしまった。

私は一度大人しく一階までエレベーターで降りたが、悔しすぎて涙が止まらなくなり、鼻水も出てきてヒクヒク肩も揺れていた。

このままオートロックの出入り口を出たら入れてもらえないと思って、また事務所の階まで戻り、ピンポンした。

私は悔しすぎてヒクヒク大泣きして足を玄関に一歩だけ入れて、散々泣いた。

「なんだよ!困るんだけど!ここさ響くから泣かないでくれない?!」と。

余計悔しくなり大泣きしまくった。

扉をぐーんと閉められ足ははさまれまた痛みでも泣いた。

ヒクヒクしながら泣いている理由を話したので、、、「何言ってかわかんねーよ!どーでもいいから足をどけろ!!!」と。

しばらくの間泣き続けた。

「なにを泣いてるのか分かんねぇけど、謝るからごめん!足をどけろ!」

私は泣きすぎて、ややスッキリしたので足をよけて扉の前でも泣き、ようやっとエレベーターで一階まで来てから、母に電話をかけてまた、ヒクヒクしながら話をした。

母も出先だったので途中で合流し回転寿司に行った。

ホームページにも載せたくなくていまだに載せていないが、こういう大変なことを先に経験させてもらいよかったと思っている。