眠れない夜がやってきた | 祖母、南タカ子<下杉正子

祖母、南タカ子<下杉正子

思い出と、今と、これからと。


新年が明け、いろいろなことが起こっている。

私は眠れないので、ぼんやりとTVをつけた。

仏壇に置いてあるおばあちゃんの写真とタネコの写真を見つめた。

ゆっくりお風呂に入り、ストレッチもしたが、松本清張のサスペンスに見入ってしまった。

その時に、濃い緑茶を何杯も飲んでしまったから、眠れないのだろうか。

あの日は、とても寒かった。
朝起きておばあちゃんの部屋に行くと

「まっちゃん!散歩連れてって!」と、おばあちゃんは、犬みたいに目をキラキラさせて言った。

私は急いで支度をして、おばあちゃんの洋服をわたし好みの服を着せてベレー帽をかぶせた。

おばあちゃんはされるがまま。

図書館に行きたいというので、帰りに図書館に寄ってたくさん本を借りて、おばあちゃんはルンルン鼻歌を歌っていた。

家にかえると、夜、本を読みふけっていた様子。

私は先に寝ることにした。

ガサゴソと音がして姉が扉を開けると、おばあちゃんは、リビングで、お茶を入れようとしていたという。

「お茶飲みたいと思って。」と、おばあちゃん。

姉は、「今ね、夜中の3時だよ〜」と説明したが、きっとサスペンス小説を読んで目が冴えてしまったのかな。

リビングにちょこんと座っていたという。

姉は、緑茶を入れておばあちゃんと一緒に飲んだという。

おばあちゃんは、カフェインたっぷりの緑茶を飲んで眠れたのかなぁ。

私みたいに起きていたのかなぁ。

おばあちゃん、どうだったの?

写真の向こう側で、笑ったように見えたのは、気のせいか。