骨折していたおばあさん | 祖母、南タカ子<下杉正子

祖母、南タカ子<下杉正子

思い出と、今と、これからと。


手のひらを怪我し、抜糸をした日だった。

待合室でお会計を待っていると、、、おばあさんがソロリソロリと、治療室へ。

声の大きな看護婦さんの声で、状況が伝わってきた。

おばあさんの、お姉さんが入院していてお見舞いに来たが、自宅で転んでしまい、なんだか赤く腫れてきたので看護婦さんが、みてもらいましょうとのことで救急外来に連れてきた。

しばらくしておばあさんが出てきて、お会計も終わっていたけれど、ぼーっと座り続けている。

私は大丈夫かなぁと思いながら様子を見ていた。

そのうち、上着を着ようとしているが、カバンも斜めがけだし、がんじょうに包帯ぐるぐるまき。

ササッ〜と近くに行き

「カバン持ってますよ。そしてこっちの腕から通しましょうか。」と、上着を着せた。

「手は痛いですか?」と、聞くと、、、

「うん!骨折してたみたい!ハハハハ」と、笑った。

「お会計も住んだみたいですね。ご自宅は近いですか?」と聞くと、わりと近いので少し安心した。

「これからお姉さんのところへ?」

「そう、姉のところへまたいくわ」

なんだかタカ子ばぁちゃんを思い出した。