「綱海さん!あのっ今夜俺の部屋に来てもらってもいいですか?!」
「おぅ、いいぜ!」
爽やかに笑った綱海を見て「ああ、やっぱり好きだなあ」なんて、自分で思って赤面して、ああ恥ずかしい。
ガチャ。
と扉の音がしてピンクのふわふわした髪の毛が顔を出した。
「あ、悪い立向居ノックするの忘れた」
「いいですよ、俺と綱海さんの仲じゃないですか。ほら、こんなのは海の広さに比べたらちっぽけな事ですし」
「うはは、俺の台詞とられちまったな。まあ立向居にならいいか」
立向居になら
それは俺が特別だからですか?
と聞けたらいいのに。
それを言えない俺はやっぱり意気地なしで、意気地なしなりに勇気をだして気持ちを伝えたいものだけど
人生そう上手くはいかないですよねえ。
まあ、頑張りますけど!
「んで?何か用があったんだろ?」
「あっはい、えーっとですね…」
「ん?どした」
言え!言うんだ勇気!
勇気がないくせに名前が勇気なんてとんだお笑い草じゃないか!
あ、駄洒落じゃないですよ?!
「えーとですね、あの…つ、綱海さんに聞いて欲しい事があって…」
「なんだよー焦らすなよー」
「あの…っあの…」
好きです。
とそれだけだ。それだけなのに、
言葉は
なんて、重い
「好き…です。
綱海さんのことが、先輩としてじゃなく、友達としてじゃなく、チームメイトとしてじゃなく。
大好き、です」
綱海さんを見ると、返事は聞くまでもなかった。
まるで他人の傷を見るような、そんな顔をしていた。
ほんとうに
なんて
上手くいかない
「あの、せめて返事を聞かせてください」
そうすればきっぱりと諦められる
いや、諦める
「ごめん、立向居。
俺…音村と付き合ってる。沖縄にいたときから。
嬉しくなかった訳じゃないんだ、でも…俺は音村以外考えられない」
ごめん
そう言った。
うつむいて、いつもの笑顔も見せず。
ああ、なんだ。俺の恋は出会った時には終わりが決まっていたのか。
「俺こそすみませんでした。お、音村さんがいたのにこんなこと言って、本当にごめんなさい」
泣くな
泣くな自分
「立…向居」
「ごめんなさい綱海さん、1人にしてください。明日からはちゃんとチームメイトに戻りますから、お願いします」
「…っ。分かった」
ありがとうございます綱海さん。
俺から呼んで
勝手に告白して
その上こんな理不尽なわがまま聞いてくれて
本当にありがとうございます
「…うぅ、うあああぁぁぁああ」
綱海さんが出ていってから堪えられず涙が溢れた
いっそ終わった恋と一緒に自分の命も涙と一緒に流れてしまえ。と馬鹿なことを考えた。
その日、涙は止まることなく流れ続けた。
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なんか叶わない恋がいいなあ、と思ったのさ。
今回は立向居くんの心境とか心情が伝わったらな!とb(・∇・●)