明日香の亀石は、奈良湖の水を引いたのは三輪の神と告げていた。

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★目次

☆1 明日香の亀石

☆2 奈良湖と亀の瀬

☆3 当麻のヘビ

☆4 三輪の神

☆5 三輪の神の正体

☆6      まとめ

 

  明日香の亀石

 

この亀石が、西を向くと奈良盆地が沼地になると言われている。

 

画像はwiki「亀石」より

 

Wikipedia「亀石」でその伝承を詳しく。

 

奈良盆地一体が湖であった頃、対岸の当麻のヘビと川原のなまずの争いの結果前者が勝ち、水を吸い取られた結果、干上がってしまい、湖のカメはみんな死んでしまった。
これをあわれに思った村人たちは、「亀石」を造って供養したという。
亀石は最初は北を向いていたが、次に東を向いたという。
そして、現在は南西を向いているが、当麻の方向の西を向いた時、奈良盆地は一円泥の海と化すと伝えられている。

 

「当麻のヘビ」が湖の水を吸い取っていた。

それは何を意味するのか。

 

その前に、奈良湖とは。

 

  奈良湖と亀の瀬

 

古代の奈良には奈良湖と呼ばれる湖があった。

これは、亀の瀬の北の山体崩壊により、大和川がせき止められてできたものだった。

 

図1 出典「古代であそぼ」

 http://www.ne.jp/asahi/woodsorrel/kodai/edo/index.html

 

上の画像の左端の中央に「大和川川床開削」とある。

そこが、下の画像の大阪柏原市の「亀の瀬」。

☆亀の瀬については「古代であそぼ」を参照しました!

 

(図2 出典 画像は「古代で遊ぼ」)

 

中央辺りに、「亀瀬岩」がある。
その辺り一帯が「亀の瀬」。


左斜め上に「山体崩壊?」とある。

 

(図3 出典 画像は「古代で遊ぼ」)

 

その辺りは、地滑りがしやすい土地だった。

山体崩壊によって、川がせき止められてしまったのだ。

 

件のサイトによると奈良湖の推定水面標高は45m。

2000年前からあった唐古遺跡は、一度水に沈んでいるそう。

 

この亀の瀬にある「龍王社」で検索すると以下のサイトに詳しくあったので引用する。

 

竜王社」(りゅうおうしゃ)大阪府柏原市-じゃらん旅行記

http://www.jalan.net/travel-journal/000068315/ 

 

数百万年前に「亀の瀬」北には火山があり、最低2回は噴火したと言われています。
1回目の溶岩や積した地層の上に2回目の噴火に伴う溶岩がのっています。
その溶岩の境目が非常に脆く、水分を含むと上の溶岩が滑り台のように滑ってしまいます。
亀の瀬には昔から亀岩と呼ばれる巨石があり、この亀石が動くと、地すべりが起こって大和川がふさがれ、大和に洪水が起こるという伝承があります。

 

 

上記の「亀が動くと大和に洪水が起こる」とは、「亀が動くような地滑りにより、洪水が起こる」ということだ。

 

そして、奈良湖ができあがるのである。

 

  当麻のへび

 

さて、奈良湖の水を引いたのは「当麻のヘビ」であった。

それは何を意味するのか。

 

明日香の亀石の伝承には、「当麻のへび」と「川原のなまず」が登場する。

 

今の當麻地区の近くに長尾神社がある。

ここに「明日香の亀石」と全く同じ伝承があった。

長尾神社」。

以下、奈良県歴史資源データベース「いかすなら」のサイトを参照した。

「ヘビとなまずの争い」もう書かなくていいくらい、明日香の亀石とまったく同じもの。


では、「当麻のヘビは長尾神社の神」だということになる。

神社の伝承は、そこの神の由緒を伝えるものなのだから。

 

では「川原のなまず」とは亀石を示し、二つの場所の伝承が同じだと示唆している。


またここには「ヘビと竜」の伝承がある。
(参照「奈良県歴史資源データベース「いかすなら」


「蛇の尾っぽ」

三輪明神が蛇の頭で、当社がその蛇の尾っぽ。
その長い蛇の先がここまで来ていたので、「長尾神社」になった。


「竜の尾っぽ」
また別の伝承。
大和に竜が住んでた。
竜王宮(大和高田)が竜の頭で、長尾神社がその尾という伝説。
また、竜王宮が大蛇の胴体で、大神神社ー竜王宮ー長尾神社が大蛇の化身であるという伝説。

 

これらから分かる事。

☆「当麻のへび」は、この長尾神社の御祭神。
☆三輪明神(大神神社の大物主神)は「蛇神であり竜神」。

☆大神神社ー竜王宮ー長尾神社の御祭神は同じ。

 

同じ竜(蛇)の体なのだから、三社の神は同じということになる。

 

一匹の長い竜(蛇)の同体。
つまり、三社は同じ神。(摂社の神も同じ二柱の神)

 

「長尾神社」の御祭神は、天照大神、豊受大神。
水光姫命、白雲別命。
摂社に厳島神社(市杵島姫命)天児屋根命) 


「竜王宮」は(石園座多久虫玉神社・いそのにますたくむしたま)。
御祭神は、建玉依比古命、建玉依比売命。
豊玉比古命、豊玉比賣命。


☆建玉依比古命とは、鴨玉比古命のこと。  


「大神神社」の御祭神は、大物主神(饒速日命)。

摂社に市杵島姫命神社の市杵島姫命(御炊屋姫)。
御炊社の御膳津神(豊受大神、宇迦之御魂神)など

★御炊屋姫の名は豊受を意味してる=彼は饒速日命の后=大物主神=饒速日命
 

  三輪の神

 

三社の神は同じ。

上記の神社の神は、名が違えどすべて同神だと示唆している。

 

明日香の亀石が示す「当麻のヘビ」とは、三輪の神であった。

 

それはそうだろう。

奈良で「へび神」と言えば、三輪の神を意味する。

 

では、三輪の神が奈良湖の水を引いたのだ。

奈良湖の水は、亀の瀬の大和川開削により引かれる。

 

それをしたのが、三輪の神ということになる。

 

 

  三輪の神の正体

 

上記の神社の神は、同神。

それが受け入れられなければ、

「大きな蛇(竜)の頭は三輪、胴体は竜王宮、尾っぽは長尾神社」の謎を解くことは永遠にできない。

 

こんなシンプルに告げているのに。

 

 

三輪の神である饒速日命と御炊屋姫に集約される。

彼らが二柱の天照であり、豊受。

 

彼らは筑紫での高良神と神功皇后。

その伝承が無いと「豊玉彦、鴨神」ほか、神話には繋がらない。

 

筑紫での彼らが、神話の全てになっている。

 

高良神は「干珠満珠」という、海の潮を操る珠を所有し、神功皇后に助力していたという。

 

その「珠の力」には、「奈良湖の水を引く、干拓する」などの伝承も含まれていると思われる。

 

それが饒速日命の十種神宝でもあった。

 

 

 

 

*八咫烏=鴨神

 

上記の「三社」に豊玉彦と鴨神がある。

 

 

  まとめ

 

 

奈良湖は亀の瀬の山体崩壊によりできた。

➡奈良湖は、亀の瀬の大和川開削により引かれる。

 

明日香の亀石、長尾神社の伝承より

「湖の水を引いたのは、当麻のヘビ」

➡当麻のヘビは長尾神社の神

 

長尾神社の伝承より

「大和にヘビがいた。頭は三輪神。胴体は竜王宮。尾っぽは長尾神社」

➡「三社の神は同神」

 

☆天照神、鴨神、豊玉彦、三輪神=饒速日命ほか

☆豊受大神、鴨神(女)、豊玉姫、御炊屋姫、市杵島姫命ほか

 

よって、亀の瀬の大和川の川床を開削して、奈良湖の水を引いたのは、「当麻のヘビ」=三輪神である饒速日命と御炊屋姫

 

 

*以前の記事をまとめました。

 

 

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