古代は、星の巡りが生活の道しるべ。

星を祈りの対象とすることは、自然なことであっただろう。

 

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★目次

☆1 神無月

☆2 天香香背男神

 

  神無月

 

(「儺の國の星」 2、椋の葉より 引用)

昔は”かんなつき”即ち陰暦十月に米稲の収穫を終ると金具即ち鍬鎌を作るべく金土掬(かんなすき)、或いは金撞(かんなずき)即ち砂鉄洗鉱を始めた。そして熔鉄炉(たたら)の火入れ式には髪飾りに籾殻の残った藁をさした。来る年の豊穣を祈るのではあるが、元来は米も星の賜物であり鉄も星の臓物であると信じられていたからである。

(真鍋,1982,P7)

 

「かんなつき」は神無月と書く。

水無月が梅雨の時期に当たるように、「な」は、無いという意味では無く、「の」の意味がある連帯助詞になる。

 

よって、神無月も本来は「神の月」。

 

稲を刈り取った後、来年の準備を始める。

神無月とは、その道具「かんなずき」が、転化したものかもしれない。

 

稲の刈り取り

たたらの火入れ

来年の豊穣の祈り

 

すべて結びついたもの。

 

神への祈りに他ならない。

 

神の月。

これ以上、当てはまるものが無いというような。

 

伏見神社*岩戸神楽
 

 

  天香香背男神(あまのかがせおのかみ)

 

天香香背男神は、星神。

「かがせを」の由来があった。

 

(「儺の國の星」引用)

元来は米も星の賜物であり鉄も星の臓物であると信じられていたからである。

(中略)

かくして得られた鉄塊を黒丸(ぬばたま)と言った。
星空の暗黒を溶かしつくして凝集されたかの如き石であった。
(中略)
隕鉄を星糞とも言う。流星を溺星(ゆばりほし)とも言う。
(中略)
イタリア語でKakka(カッカ)は糞便のことである。
(中略)
バビロニア語でkakkav(カツカブ)は星であった。
神代には”かかち”或いは”かかせを”であったから、前述の詞(ことば)は地中海と近東語の重合の形式である。
(真鍋,1982,P7-8)
 
 
かかち、かかせをは、星の意味。
この後、日本書紀の香香男神(かかせお)と倭文神建葉槌命(しつりかみたけはつちのみこと)に触れている。
 
神話では、香香男神は悪神であり、それを退治したのは建葉槌神。
 
以前、神話の回で書いている。
彼は、天津甕星(あまつみかほし)と同神である。
饒速日命に繋がるのだ。
(以下の記事より、抜粋する)
 

神話の中の天津甕星は、建葉槌(たけはつち)命に布で拘束されてしまう。

その理由が、武御雷神と布津主神に従わなかった為。

 

だが、武御雷神と布津主神は、饒速日命自身になる。

 

布津神=布留神は同神であり、石上神宮の神の饒速日命。

彼である高良神は、鹿島神(武御雷神)、春日神と同神。

 

布津主神=布留神=饒速日命

=高良神=武御雷神。

 

ここにある神は同神となる。

(高良神無しでは、武御雷神に繋がらない)

  

後の項にあるが、布留とは、隕鉄で作られた剣であるという。

星神と製鉄(たたら)の神は、同義なのだろう。

 

 

 

彼は住吉神であり、底筒男神でもある。

ツツは星を意味する。

また布留神も星神の意味。

 

彼は櫛甕玉彦である。

よって、天津甕星は、饒速日命となる。

 

一方の建葉槌は、織物の神。

織女神とは市杵島姫命であり、御炊屋姫のことであった。

内宮の女神天照、瀬織津神でもある。

 

 

一連の話は、彼らが「異類を退治した」祓いの神であることを示唆。

同時に、天照である彼が隠される理由(神話上で)となる。

 

 

彼らには「星神」でもある。

 

星が、古代の生活に深く根差したものであった故だ。

 

 

(  つづく  )

 

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