天照神の交代。

それは、地上の神であった「大国主神」が、皇祖神として天津神へと格上げされたことを示す。

 

しかし、地上の神のままでは、齟齬がある。

よって神話の「国譲り」で、国津神の大国主神から、天津神の天照神へと讓渡させたのだ。

 

★前回の記事

 

 

☆1 国譲りとは

☆2 先代旧事本紀

 

  国譲りとは

 

大国主神から天照神への国譲り。

それは大国主神が天照であることに他ならない。

 

大神神社

 

その過程で、女神へと変更された。

ゆえに、この国の最高神・天照は女神。

 

彼女は饒速日命の后の御炊屋姫に繋がる。

ならば、男天照は彼なのだ。

 

 

神話の神はすべて彼らである。

記紀もその他の著書も、記されている神は姿を変えた彼らということ。

 

 

では、照らし合わせてみると繋がる。

彼らに最も近い書の一つがあった。

 

  先代旧事本紀

 

偽書とされている「先代旧事本紀」。

記紀と違う箇所があり、独特であるからだ。

 

しかし、この書もおおまかには神話に沿って物語が進む。

「譲れない部分」は記し、その他は記紀の物語を織り交ぜているという印象。

 

その部分も「彼ら」の物語であることには変わりないからだ。

これは「高良玉垂宮神秘書」にもあった。

 

 

前回の記紀や、神社や伝承と合わせるとより真実に繋がる。

今回は「国譲り」の部分のみ。

 

次の回で、考察、照らし合わせ。

 

 

流れとしては、こうなっている。

 

押穂耳命の子が饒速日命と瓊瓊杵尊

  ↓

饒速日命が地上に下り、御炊屋姫と夫婦に。

亡くなる。

  ↓

武甕雷神経津主神が下りて、悪鬼を退治。

  ↓

大己貴神の国譲り

  ↓

瓊瓊杵尊の天孫降臨

 

 

  先代旧事本紀

 

桜の花出版「先代旧事本紀」より要約

(原文なので、訳が間違ってる箇所があるかもです)

神の名前、省略してます。

 

 

先代旧事本紀 巻第三

 

☆1 天押穂命(天忍穂耳命のこと)

天照大神曰く「葦原の瑞穂の国へは、我が御子の押穂耳命を天降らせたい」。

 

☆2 その前に天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊が生まれたので、彼を天降らせることにした。

押穂耳尊と、思兼神の妹の栲幡千千姫命の子、瓊瓊杵尊とは兄弟

 

☆3 天神の御祖の印に十種神宝を持たせる。

いわゆる、おきつ鏡一つ、へつ鏡一つ、八握剱一つ、生玉一つ、死返玉一つ、足玉一つ、道返玉一つ、蛇比礼一つ、蜂比礼一つ、品物の比礼一つなり。

 

☆4 高皇産霊尊曰く、「葦原の中津国は神人を拒む敵があり、天降りの際、三十二人の護衛をつかせる」。

 

☆5 その中に天鈿賣命(あめのうずめ)

天児屋命、天明玉命、天櫛玉命、天玉櫛彦命、少彦根命、思兼命、月神命(壱岐縣庄等祖)、ほか

 

五部人として、

天物部等二十五部

船の梶取(かじとり)各、省略。

 

(この中に「當麻の物部、馬見の物部、赤間の物部、布都留物部(ふつる)、筑紫の聞物部(豊前)、筑紫の贄田の物部ほか」の名がある。)

 

☆6 饒速日命天磐舩に乗りて大空を巡った。

河内の國の河上の哮峯(いかるがのみね)に移りて、大倭の國鳥見の白庭の山に天降った。

 

☆7 饒速日命は長脛彦の妹の御炊屋姫を后とした。

子供が生まれる前に亡くなったので天に帰れなかった。

 

☆8 天照神は葦原中津国を御子の天押穂耳尊を天降らせようとした。

 

☆9 彼は地上が騒々しいので行かないと拒否。

 

☆10 地上は荒ぶる国の神、岩や草木が話し、夜は蛍火のように光る神、蝿のように煩く騒ぐ邪鬼がいた。

 

☆11 思兼神は八百萬の神と相談し、天穂日命に平定させることにした。

彼は大己貴命に媚びて三年戻って来なかった。

 

(中略)

 

☆12 思兼命は天安河原で神々と相談。

 

☆13 武甕雷神経津主神を葦原中津国へ、一説に天鳥舩神を添えて遣わした。

 

☆14 葦原中つ国を平定する時、天津甕星、または天香々背男神という悪神あり倒した。

 

☆15 二柱は大己貴神の御子の事代主神の元へ、天鳥舩で行く。

 

☆16 彼は「父は天に地上を渡すべき」と言い、隠れた。

 

☆17 もう一柱の建御名方神武甕雷神と勝負をして負けた。

 

☆18 大己貴神は天神に帰順。

 

☆19 その代わりに天の住いとして、底津石根(そこついわね)に太い宮柱を建て、高天原に届くように千木を高く造るよう言われた。

 

☆20 諸国の神が従わない時は、国を平定する時に使った広矛を使えと二柱に渡した。

大己貴神は天の日隈宮に移る。

 

☆21 帰順した彼に、高皇産霊尊は娘の三穂津姫を嫁がせた。

 

☆22 押穂耳尊と栲幡千々姫の子、皇祖の瓊々杵尊が天降った。

☆23 瓊々杵尊の兄は、天照国照天火明櫛玉饒速日命である。

 

( つづく )

 

 

桜の花出版「先代旧事本紀」

岩波文庫「日本書紀」

角川文庫「古事記」中村啓信 著

 

 

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