「課長、失礼します。」
二つ折りのケータイを包丁に向ける。
≪カポッ≫
包丁の刃はケータイで真剣白羽取りされた。
「へ?」
犯人は一瞬の出来事に驚く。
荒俣はそのまま手首をひねると包丁をもぎ取った。
それを犯人の眉間に向ける。
「うわっ、やめろ。」
犯人は後退りした。
すると、床に散らばっていた柿の種で足を滑らせて仰向けにコケた。
≪ボコ≫
犯人は後頭部を激しく打って気を失う。
「あ、勝手に倒れた。」
荒俣
「こいつめ、玉子の恨み。」
おばさんは犯人を軽く蹴飛ばす。
「皆さん、もう大丈夫です。
安心して下さい。」
荒俣は乗客に向けて声をかけた。
「助かったのね。」
女子高生は抱き合って泣いた。
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