余命 24時間 33 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

「おいおい嘘だろ。
   バスジャックかよ。」
椅子と椅子の隙間に潜り込んだ。

ケータイを7台(運転手のも合わせて)回収する男。

荒俣は死んでるケータイを取り出し、電源を入れようとする。
(動いてくれ。)

バスが発車させられた。

行き先は回送に変えさせる。

「このまま走り続けろ。」
男は運転手の後ろの席に座る。

「どこへ、行けば。」
運転手

「なるべく大通りで県外へ行け。
   飛ばしたりするなよ。
   普通に回送バスだと思え。」
男は座ったまま指示を出す。

「はい。わかりました。」
運転手は背筋を伸ばす。

(運転手、飛ばせ。早く知らせろ。)
荒俣が祈る。

「すいません。会社に遅れるんで下ろして下さい。」
サラリーマン

「は? 
    会社の住所どこよ。
    死体で郵送してやるから。」

「え!」

「黙って座ってろ。」

(馬鹿なのか?彼は。
そういや俺も遅刻だな。
連絡もできない。)
荒俣は無遅刻無欠勤だけが取り柄だったのだ。

ケータイのバッテリーを外してハンカチで拭いたり、息で吹いたりしてみる。

水没のマークがにじんでいた。

(ケータイが川くせぇ。)