モトロイドⅡ〔66〕記憶 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

車のヤクザ
「ひゃはは、デケェずうたいして、組長さえ盾にすりゃ、このザマだ。」

雷輝
『隼人、なんとかして助けろ。
  ヤクザの車の後ろはフェンスしかない。』

隼人
「わかってるよ。
   SUVも闘牛モードになってるな。」

シェフにクロウパッドを渡したあと、預かった拳銃の弾を確認している。

シェフ
「良かった。
   雷輝の忠告でパッドはイカれてない。」

雷輝
『腕時計のカメラ画像も届いている。』

隼人
「それより、お早う雷輝。
    最悪な目覚めだったな。」

雷輝
『お前が相棒だと思い出した時は
     嬉しいような、悲しいような。』

隼人
「悲しいってなんだよ!」
 

雷輝
『俺は、ブレインルームに戻る。
  あと、三年前に貸した75600円
  そろそろ返してくれていいぞ。』

隼人
「そこは忘れててくれぇ。」
笑いながら涙が溢れる。



《キュアァァ、ブワッフ!》
SUVはマフラーから炎を出す。

闘牛が前足を掻くような雰囲気だ。


ドライバー
「なんか、ヤバイっす。」

組長
「いいぞ。やってしまえ。」

車のヤクザ
「ば、馬鹿な、人質がいるんだぞ。」


《ブォォン》《キョアッ》
SUVは、タイヤを鳴らして突進。

《バチャン》
セダンのボンネットが浮くほどのクラッシュ。

SUVは止まり、セダンだけが数メートル下がる。

これを繰り返した。

隼人
「あと数回ドリブルしたらあのフェンスにシュートだな。」
セダンに走って向かう。



女組長
「佐々木、いや隼人。」

《ドシャッ》
アタック

《ブシャッ》
アタック

ラジエター液が異臭を放つ。

ドライバー
「もうダメです。アニキ。」
ドアを開けようとしたが

ヤクザ
「あぁ、出るぞ。」

《ガツガツ》
電子ロックされていて開かない。

ドライバー
「パワーウィンドウも開かないっす。」

ヤクザ
「おい、おいコラァ。開けや!

    く、来るぞ!」



《グォォーーン》
SUVのグリルが大きくなる。