94 バーフードの使い道 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

≪バンッ≫

原島はバスの側面を平手で叩いた。

その音に、暴行をしていたピッカーの一人がバスに振り返った。

「スィーホー‼」

「はん?」
「スィーホー?」

ピッカーがバスに注目すると、父の暴行は止んだ。
フエさんとヨーコさんがアスファルトに転がる父親に駆け寄る。

ピッカーの眼はバスの側面に釘付けだ。

観光バスに荒く吹き付けた黒いスプレーの塗装に怪しい物体が貼られた。

ピッカーがスィーホーと呼ぶ物体だ。

俺はこれを見たことがある。
あのポーチの中身だ。

カロリーメイトに似たバーフードと、針治療の器具だが、そんなものを貼り付けてなんになる。

ピッカーは何を驚くのだ?

「みんなで吹っ飛んじゃう?」
原島は基板にあるダイアルを回した。

針治療器具のアンペアだと思っていたが、
基板に数字が現れた。

それはカウントダウンを始める。

カウントダウン

吹っ飛んじゃう

スィーホー

C4

という計算が展開した。

バーフードなんかじゃない!

あれは、

時限式プラスチック爆弾。