恐る恐る目を開けた。
数秒間で変わったところがある。
何かが違うのだ。
しかし、目の前のピッカーはリモコンを掲げたままで、その親指はボタンに置かれていた。
ピッカーは左手を自分の首に這わせる。
「ぐっ。ヤメロ。コノヤロウー。」
変わったところがわかった。
ピッカーの首に首輪がはまっている。
その後ろから
フエさんの父親が顔を出す。
父親は首輪を巻かなかった。
持っていた首輪をピッカーに装着したのだ。
しかし、なぜ。
「フゥェイ! нм#%!」
父親はフエさんに叫んだ。
逃げろ と言ったのかもしれない。
フエさんが首輪で苦しまないために、ピッカーに首輪をかけたのだ。
ピッカーは、握っていたリモコンを投げた。
他のピッカーがリモコンを構えたが、首輪のピッカーは止めてくれと頼む。
娘の為に、エイジアを裏切った父親。
ピッカーは父親を囲んで、暴行を加える。
それは、手加減などなかった。
日本人は奴隷として使うが、反逆者は死んでも価値はないということか。
もちろんフエさんは逃げられなかった。
ただ泣き叫ぶだけだ。
暴行に見かねた原島がアクションを起こした。