店は荒らされていた。
テーブルや椅子が倒され、割りばしが散乱している。
床には食べ物が落ちたままだ。
奴らが食事中に乗り込んで来たのがわかる。
レジは手付かずだ。
それを横目に奥へ案内された。
急勾配の階段を登り、二階へ
一番手前の部屋が彼女の部屋だ。
フエと書いた紙が貼ってある。
「あなた、フエさん?」
ギャルは名前だと気付いた。
「はい、私の名前、フゥェイ。
ダンナさん、呼びづらい。
たからフエ、フエさん呼ぶ。」
「フエさん、私は洋子よ。」
ギャル
「ヨーコさん?
店じゃピロリンとか言ってたんじゃ。」
「今どきヨーコなんて名前、古くさくて嫌なのよ。
あれは、なんてゆーか…」
「源氏名か。」
雑貨屋に要らんだろ。
「ヨーコさん、いい名前よ」フエ
「あ、ありがと」
ヨーコ