冷蔵庫が少し開く。
様子を見ながら女子二人が出てきた。
立ち上がって冷凍庫を覗くギャル。
「オッサマが居ない。
まさか」
「連れていかれたの?」
バイト
「俺は、ここだ。」
段ボールを被ったまま立ち上がった。
「オッサマ?」
「お客さん?」
すると、頭に段ボール箱、腰に引っ掛かった段ボール箱、足にも段ボール箱。
冷蔵庫のステンレスに写った俺。
お遊戯会のロボットだな。
ズボズボと段ボールを脱いだ。
「みんな無事で良かった。」
「はい、危なかたねー。」バイト
「お姉さんありがとう。」ギャル
「いいよ、いいよ、でも、これから、どうするかもね?」バイト
「店には入れないか?」
バイトにたずねた。
「お店、中、バラバラ。
お客さんとダンナさんと奥さん、連れてかれた。私だけ、ここ逃げた。」
泣きそうなバイト
「そうか。あのオヤジさんまで。」
「二階あるよ。私の部屋、二階行きましょ。」
「そうしましょ。」
ギャルはラジカセを持った。
「君、住み込みなんだね。
おじゃましよう。」