救急車が着いた。
橋が赤く点滅している。
ビッビー
クラクションで合図した。
パパン
クラクションを返してきた。
赤点滅の濃さが変わって、赤色灯が移動したのがわかる。
しばらくして救急車が降りてきた。
河原では、救急車のストレッチャーは使えず、担架に乗せて運び入れた。
心拍数や体温はコフィが言い当てた数値と一緒だ。
骨折カ所を教えてもいいが
ややこしくなるだろうし、隊員も心得ている。
隊員に名前と住所と連絡先を聞かれ
それはコフィの耳、いやマイクにも入った。
「内藤まさる。さん」
コフィは防水性があるのか。
服はずぶ濡れでニットの帽子は流されていた。
俺たちは車に戻った。
今から警察官もくるそうだ。
「もうマサルでいいや。」
コフィに さん付けで呼ばれるのは 恥ずかしい。
アイツに比べ役に立たない俺。
ウィッグを装置してあげた。
「ありがとう。マサル。」
ニコッ
表情筋があるのか。