未来少年コフィ 23 | クーカーの 笑説

クーカーの 笑説

コメディ小説を書いてます。

小説ほど難しくなく
コントほど面白くない
クーカーの笑説
1ページ1分くらいです。
サクサクと読んでくださいませ。

橋のランカンから身を乗り出して下を見る。

真っ暗だ。

川からここまでの高さはどれくらいだったろう。

思い返せば、下の人間が豆粒に見えるくらいだった。
10階建てのビルくらいだ。

絶望的だ。

下を照らすペンライトなんか役に立たない。

そうだコフィだ。

アイツは暗闇で俺を見ていたじゃないか。

すでにコフィは身を乗り出していた。

「コフィ!見えるかっ」

「いいえ。姿がありません。」

コフィの足元に靴がある。

靴の中には手紙。

事故じゃない。
ヤバい展開だ。


「コフィ。
もっとよく探してくれ。
今、救急車を呼ぶ」

コフィは、かなり身を乗り出して探しているが俺も焦っている。


「も、も、も、もしもし。」
「救急です。」
「蟹沢川の新蟹沢橋です。」
「男性が…落ちました。」
「見えません。」
「はい。ここにいます。」
119番。
オペレーターの質問に答えた。


「いました。
水中から頭が出ました。」

コフィ良くやった。
しかし、下に行くには。
かなり先の道から河原に降りていくしかない。

「コフィ。運転できるか!」
アイツは、この前、
運転しましょうか、
なんて言っていた。

「いえ。
できますけど、これで行きます。
時間がありません。」

何をするんだコフィ

ピットケースに乗り込んでフタを閉めた。

ピットケースが走りだしだ。
バックしてから助走をつける。

ギューン

モーター音を響かせて急加速

縁石の寸前で前タイヤを収納した。

ケースの前面下部を縁石にぶつけると火花が散る。

そしてピットケースは跳ね上がってランカンを越えて空中へ

「はっ!コフィ。」

ピットケースが暗闇に呑まれて、すぐに水の跳ねる音。

川に着水したのだろう。